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MOTHERHOUSE MAGAZINE
思いのチカラ 会社のチカラ

「理念」と「ビジネス」をいかに融合させるか。
マザーハウスの経営を通じてその両立を目指してきた山崎大祐が、
マザーハウスカレッジでの議論を中心に考えを語ります。

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第1回 思いのチカラ 会社のチカラ

会社のチカラ。辞めようと思っても…とどまった理由。

2015.08.25

WRITTEN BY

山崎大祐 マザーハウス副社長

大変ご無沙汰になってしまいました。マザーハウス副社長の山崎です。
ウェブサイトのリニューアルに伴って、新連載がスタートします。
私が選んだテーマは、「思いのチカラ 会社のチカラ」。
日頃から書き続けることが苦手な自分ですが(にも関わらず、東洋経済オンラインなどでは連載させてもらっているのですが・・・笑)、実はこのテーマは書き始める前からワクワクしています。代表兼デザイナーの山口と共に会社を立ち上げて10年弱。マザーハウスを通して、たくさんのことを教えてもらってきました。思いとビジネスの合間で葛藤があったり、プレイヤーからマネジメントに脱皮する苦しみを味わってきたり、お客様と共に何か実現する喜びを教えてもらったり・・・。その一つ一つを丁寧に書いていくことで、マザーハウスで学んだことを一つの体系としてまとめたい、と考えています。ぜひ連載にお付き合いください。

早速の1回目の記事ですが、最初から過激なタイトルですね(笑)
「会社のチカラ。辞めようと思っても…とどまった理由。」
え? 連載の1回目からそんなこと言っていいんですか?いいんです・・・。
なぜならこれが「思いのチカラ 会社のチカラ」で最初に伝えたいことだから。
マザーハウスが始まってからあと少しで10年。自分が副社長になってから9年。辞めようと思ったのは1度や2度ではありません。でも、その度に思いとどまり、やっぱりマザーハウスで働いていきたいと思ってきました。それがまさに、「思いのチカラ、会社のチカラ」なのです。

思いというのは、個に帰着するもの、個人の主観だと思っています。私にも自分の人生を通して、こういうことを実現したいという強い思いがありますし、それはマザーハウスにいる個人個人もそうでしょう。会社の理念のもとに皆が集まっているとはいえ、個人個人の思いが全く同じ、と言うことはありえず、自分の人生の原体験からくる問題意識がそれぞれの個人にはあります。そして、時によっては個人個人の思いの違いが摩擦となることもあります。自分が辞める、辞めないと悩んだときもそうでした。

では、なぜ私は辞めなかったのか。それが会社のチカラなのです。

個人の生き方、個人の人生ビジョンは、一人でも実現できるかもしれません。しかし、それが社会的なビジョンと繋がっていたり、社会的インパクトを目指すようなことであればどうでしょうか?たった一人が変えられる社会は限られています。どんなに有名になっても、どんなに能力があっても、変えられる世界はほんの一部です。

自分が辞めることをリアルに考えたとき、感じたことはひとりの無力感と仲間の大切さでした。ここで言う仲間とは、一緒に働いている皆だけでなく、パートナーとして取引させてもらっている方々、そしてお客様です。モノづくりを通して社会を変える、その時には一緒に作ってくれる仲間がいるし、モノの価値を伝えてくれる仲間がいるし、何よりもそれを応援して下さるお客様がいる。こんな皆さんと一緒だからこそ、大きな夢を描ける、社会的ビジョンを描ける、そしてその描いたものを実現に導けるのだと感じたのです。

会社とは思いを元に集まったコミュニティだと思っています。同じ理念、同じビジョンの元に、色々な人が集まっている。もちろん、個々人には個性があり、それぞれの思いがあります。時にはぶつかり合いながらも、時にはすれ違いながらも、互いが手を取り合って達成できるモノの大きさを信じ合いながら、前に進める場所、それが会社のチカラなのだと思います。

ちなみに、今は辞めたいなんて、これっぽっちも思いません笑。ご心配なく。

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