このマガジンでは、ジュエリーマザーハウスの最新情報とともに、都会の中でふと 肩の力を抜いて笑顔になれるようなあたたかい日々の様子をご紹介していきます。
コラム一覧をみるこんにちは。
ジュエリーマザーハウス本店店長の對馬(つしま)です。
インドネシアから届いた新作「Akane」シリーズ。
刻々と移り変わる空の色のような、
どこか懐かしさを感じるジュエリーの向こう側をご紹介したいと思います。
これまでインドネシアで扱っていたのは、
現地に古くから伝わる伝統の線細工・フィリグリーが中心でしたが、
今回は新しい素材にチャレンジしました。
それは「カルセドニー」という名前の天然石。
今までジュエリーマザーハウスが扱っていた透明な色石とは異なる、にごり石です。
カルセドニーには、緑、青、黄色、白、オレンジなど多くの種類があり、
採掘される場所や地質によって色や模様が変化します。
そんなカルセドニーの中でも、
私たちが扱うものは工房のあるインドネシアのジョグジャカルタ付近で採れた、
まるで茜空のような、あたたかみのある色が特徴の種類。
今回は、ジュエリーマザーハウスで扱うカルセドニーを探してくださった、
現地コーディネーターの笠原さんにお話をお伺いしながら、カルセドニーの魅力をお伝えしていきます。
笠原さん(写真右)は、マザーハウスがインドネシアでジュエリーをつくりはじめる当初から、
現地コーディネーターとしてお世話になっている方です。
エカさん(写真左)とともに、今ではご夫婦で、
普段の職人たちとのコミュニケーションから新しい素材探しまで行い、
私たちのジュエリーづくりを支えてくださっています。
Q1. カルセドニーは、どんな場所で採れるのですか?
ジュエリーマザーハウスで取り扱うカルセドニーは、
工房のあるジョグジャカルタから車で3時間(100キロ弱)ほど東に行った、
東ジャワのパチタンという地域で採掘されたものです。
パチタンはこんもりした小さな山に囲まれていて、
訪れると原始時代にトリップしたような不思議な感覚に陥ります。
鍾乳洞も多く、化石もよく発見される地域です。
Q2. 化石も採れる場所なのですね。カルセドニーは、土の中の成分によって色が変わってきますね。
珍しい石なのでしょうか?
実は、カルセドニーを探すということは難しいことではありません。
インドネシアでは様々な場所で採ることができます。
ただお客さまのことを想像しながら、
ひとつひとつを確認していくと、私たちの目にかなう石はほんの一部です。
じっくり時間をかけて石を調べると、さらに厳選されていきます。
選りすぐった石たちは、凛としていてとてもかわいらしいです。
検品する時間は、一番緊張を感じる瞬間ですが、
お客さまに喜んでいただけそうな素材を見つけることができると、とてもうれしい気持ちになります。
Q3. なるほど…! 石が珍しいというよりも、ひとつひとつのカルセドニーが一番美しく見えるかのチェックに、
目を光らせているのですね。笠原さんと職人のみなさんは、「カルセドニー」という新しい素材のジュエリーづくりで、どんなところにやりがいを感じていますか?
金具に使うゴールドをK24からK10に生成して細い線材にすることから、
カルセドニーと組み合わせて研磨するまで、
原石がジュエリーになっていく過程すべてをインドネシアで行えることに、とても充実感を感じています。
安かろう悪かろうの商品があふれているインドネシアにおいて、
現地の素材をマッチングさせたり、研磨のクオリティーを高めていくことは非常に珍しいです。
こうした姿勢が、お客さまに喜んでいただける商品をお届けすることにつながると思います。
そして今回のカルセドニーという新しい素材の可能性をかたちにすることで、
職人たちのモチベーションがより高まっています。
Q4. ありがとうございます。それでは最後に、お客さまへのメッセージをお願いします!
今回の「Akane」シリーズでは、
色も模様も一つとして同じものはないという素材の魅力を、職人が最大限引き出してつくりました。
お客さまに手に取っていただき、「素敵!」と喜んでいただける瞬間をつくることができましたら、幸せです。
新しい素材、カルセドニーの魅力を感じていただけましたでしょうか。
インドネシアの自然を染めていく夕陽のようなカルセドニーの色はどこか優しく、
職人技が光る表面のやわらかい曲線によって肌なじみも抜群です。
リネンやコットンのシャツに合わせるだけで、はっと目を引く差し色に。
「Akane」のネックレス、ピアスを着けて初夏のお出かけをお楽しみください。