このマガジンでは、ジュエリーマザーハウスの最新情報とともに、都会の中でふと 肩の力を抜いて笑顔になれるようなあたたかい日々の様子をご紹介していきます。
コラム一覧をみるみなさま、あけましておめでとうございます!
ジュエリーマザーハウス横浜元町店の濵中です。
新しい年がはじまると、体も心もきれいになり、
視野も広がり、とてもすがすがしい気持ちになります。
新年も、多くの方々との出会いを楽しみに、みなさまをお店でお迎えしたいと思います。
こちらのブログを通して、
“ジュエリーづくり”の背景や、職人の暮らしぶりなどを引き続きお伝えしていきますので、
更新を楽しみにして頂けると嬉しいです。どうぞ、よろしくお願いいたします!
さて、早速ですが、
今年お披露目した、新作ジュエリーをご紹介いたします。
愛らしい 干支 “戌年” ジュエリー。
2018年にちなみ、二匹の犬のネックレスをつくり、
右側を「イチ」 左側を「ハチ」と名付けました。
本日は、「イチ・ハチ」の製作秘話をお伝えします。
現在、インドネシア・ジョグジャカルタでは、
ジュエリー製作に、5人の職人が関わっているのですが、
中でも、こちらのウィドドさんは、唯一、原寸大の絵を使ってモチーフづくりをする職人です。
デザイン画を下絵にして、丁寧に金線を曲げて繊細なモチーフをつくりあげていきますが、
今回の犬のモチーフ作りには、長い道のりがありました。
実は、インドネシアには、「干支で新年を祝う」 風習がありません。
そう、ウィドドさんにとって、はじめての日本の干支、犬との出会い。
さらに、なんと!
いろいろな犬のデザイン画を持ってお家を訪ねたところ、ウィドドさん自身、
「これはアザラシだよ!」 と衝撃の発言。。。
そこで、製作の前に、
まずは、犬の見た目や、干支について・・・など、
「文化の違い」のレクチャーからスタート。
「なぜ犬を作るのか?」という疑問点を、さまざまな角度から埋めていきます。
今回は、いろいろな種類の犬の写真を見ていただき、
「これも犬だけど、これも犬、こんなに足の短い犬もいる。こんなに大きな犬もいる」
などと、楽しみながら、犬の特徴を把握。
こうして、まずは「関心を持ってもらうこと」が、とても大切。
現地パートナーの笠原さん曰く、こうしたレクチャーは時間をかけて行うことが不可欠。
なぜなら、職人が納得した上で製作をするのと、しないのでは、
出来上がった際の満足感や、クオリティーの差が歴然と出てくるので、
とても大事な工程なのです。
そして、気が付けば、犬のデザインについてのディスカッションまでに発展!
ウィドドさん自ら、「こうするとかっこいい、こうすれば強度が増す」
など、実際の生産を考慮した意見も飛び出していきます。
こうして、サンプルが出来上がった時、嬉しそうな笑顔で、ウィドドさんが、
「イチ・ハチ」についてこんなコメントをしてくれました。
「イチはね、凛として座っている、これがかっこいいんだよ!」
「ハチはね、このテケテケ感がかわいいだろ?でも、この足の部分の作りは難しいんだ。」
本番は、18金でつくりますが、まずは慣れるまで、シルバーで練習を重ねました。
最初は犬の形に慣れるのが不安だったとのことで、何度も練習を重ねたそうです。
そして、製作中。とても真剣な眼差しで、妥協が嫌いなウィドドさんの後ろ姿。
しかし、そんな緊張感も、満足の一品が出来上がると、
少年のように目を輝かせてはしゃぐ姿も。
ウィドドさんの手の温もりから、小さな命を吹き込み、こうして「イチ・ハチ」が誕生しました。
ウィドドさんの満面の笑顔をみると、
お店にディスプレイしている「イチ・ハチ」の姿が、とても愛おしくなります。
まだ実際にご覧になられていない方は、「イチ・ハチ」に是非会ってみてくださいね!