このマガジンでは、ジュエリーマザーハウスの最新情報とともに、都会の中でふと 肩の力を抜いて笑顔になれるようなあたたかい日々の様子をご紹介していきます。
コラム一覧をみるこんにちは!
ジュエリーマザーハウスで生産を担当している稲葉潤紀です。
この冬にお届けするジュエリーの新商品をご紹介します。
ご好評いただいているNaked Sapphireから、
ピンクとグリーンとイエローのそれぞれのサファイアが新色として登場しました。
そして今日は、新作のネックレスが日本に届くまでのエピソードを
お伝えできればと思います。
Naked Sapphireの「Naked」、それは「裸の、ありのまま」という意味です。
スリランカを代表する宝石であるサファイア、
その「ありのまま」の美しさを最大限活かしたいという想いから
Naked Sapphireはつくられました。
Naked Sapphireをつくるための最初のステップ、
それは天然で希少な非加熱サファイアを見つけることです。
一般にサファイアの多くは加熱処理をして、色を濃くすることがあるのですが、
私たちは自然の中で育まれた、原石が生まれ持った色を大切にしました。
ありのままの色、例えば一口に「青」といっても、
なかには濃いものもあれば鮮やかものもある。
快晴の空のように鮮やかな青もあれば、深い海のように濃い青もあります。
そして今回は青・赤・黄・緑の色をもつサファイアをご用意しました。
「自分に合う色ってどれだろう?」と探してみると、とても楽しいです!
そしてこの色とりどりのサファイアの原石は、
カット職人のもとに届けられます。
そこでは職人が、その石ごとの形や大きさ、光り方にあったカットを施します。
たくさんの面をカットするのではなく、そのサファイアにあった表情にするため、
カットは必要最低限のものに。
カットする姿はまるで職人とサファイアとが会話するよう。
ひとつひとつ丁寧に磨かれたサファイアは、次に金と組み合わせられます。
ひとつとして同じ形・大きさがないサファイア、
そのサファイアを支える金の台座もすべて一つひとつ職人がつくります。
何度もサファイアを金に載せて、ようやくサファイアを包み込むペンダントが生まれます。
こうしてひとつのジュエリーが生まれるのですが、
その中にはたくさんの試行錯誤がありました。
一つ目はカット。
原石のありのままの美しさを最大限に活かすために、カットは必要最低限に。
職人にとって決められていないカットははじめての挑戦でした。
最初の頃は日本に届くものはカット面がとても多いもので何度もやり直しました。
そうした中で、このサファイアにはこんな風にという「会話」ができたのか、
ひとつひとつの個性が輝くジュエリーが作られました。
そしてサファイアごとの金の台座の製作も見えづらい挑戦でした。
サファイアを邪魔しないように、だけどしっかりジュエリーとして包むように
金の台座をつくること。1人の職人が1日に数個しかつくることのできないものですが、
ひとつひとつ手間を惜しむことなくおつくりしました。
そして二つ目の挑戦が、このジュエリーを日本に届けることでした。
新型コロナウイルスがスリランカでも拡がる中、
工房内のソーシャルディスタンスを守りながら、
普段よりもたくさんの時間をかけながらジュエリーづくりを行いました。
思い通りの製作ができない中、発売に間に合うかが正直心配でした。
日本とスリランカをつなげてミーティングする中で、
職人たちは何度も「心配しないで。大丈夫だよ」と話してくれました。
安全を第一にしながら、はじめての挑戦を行い、
何としても日本に届けるというみんなの目標。
スリランカは一部地域でロックダウンがはじまってしまいましたが、
こうして無事に発表することができました。
ひとつのジュエリーが海を越えて、つながっていくこと。
人の移動が制限される中で、Naked Sapphireがその人の「ありのまま」の個性を輝かせ、
その可能性を伝えるものになれば、とても嬉しいです。
ぜひご覧ください。
▼Naked Sapphireの特設サイトはこちらから▼
https://mother-house.jp/event-campaign/NakedSeries/