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インドネシアのジュエリー物語

2015年10月から始まったインドネシアからのモノ作り「ジュエリー」。この連載ではジュエリーづくりの向こう側を、携わる様々なメンバーたちが、ありのままの姿でお伝えしていきます。

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第3回 インドネシアのジュエリー物語

線からなるジュエリー??

2015.10.09

街やお土産さんを回りながら
確信したものは
「銀線細工」でした。

これが最初にみたお土産屋さんにあった
大ぶりのネックレス。

151010_01

下の写真は、銀線に金メッキをした
リキシャの模型。

151010_02

それはとても精密で、繊細で、
私はアジアの他の国では見たことがありませんでした。

「これはフィリグリーっていうんだよ。」
「フィリグリー?」
「つまり、銀を糸みたいに細くして、模様を作って、
それらを溶接でつなぎあわせながら形にしていく
ジュエリー技術のことだよ。」

日本語では「銀線細工」といいます。
私ははじめて見た時、スリランカのレースを
思い出しました。

本物の糸みたいに、銀を使うのです。
機械では絶対に不可能な繊細さを醸し出すその
技術に、一瞬で虜になりました。

それもそのはず、調べてみると、
ジョグジャカルタという王宮文化が栄えた街だからこその
伝統工芸なのでした。

王宮時代、貢ぎ物として銀職人が切磋琢磨し、
王冠や髪飾りを作っていました。
それだけならスリランカも非常に優れていますが、
違いは、それが「1ミリ以下の“線からなる”工芸品」
だということです。

日本で見られたり、他のアジアの国で目にする銀細工は、
いわゆる「彫金」や「流し込み成型」をするものがほとんど。
それだと型に入れるだけなので大量生産ができ、
一つ一つのブレも少なく、非常に効率的です。

ただ、インドネシアの銀細工は、「一本の線」でできていて、
太さは0.2mm?0.6mmくらいの線のワイヤーを
何mも作り、それをねじったり、曲げたり、
溶接をしながらモチーフを形作っていくのです。

(なるほど・・・・。インドネシア特有の技術なのか
どうか調べてみよう。)

調べると、『古代エジプト文明の頃に発明された
ジュエリー技法で、数千年かけて世界に伝わった
技法。しかし、現在その技術は、職人の減少と
「彫金」や「型押し」と呼ばれるより簡易で
大量生産が可能な方法にとって変わられ、
既にヨーロッパでは「アンティークジュエリー」の
領域にカテゴライズされている』らしい。

これがエジプトにあるアンティークの
フィリグリーのブレスレット。

151010_03

「絶滅危惧の伝統技術・・・・。」

今回に限らず、途上国で目にする
「いいな」と思うものがほとんど
絶滅の危機に瀕している。

動物や自然は絶滅から救うキャンペーンがあるのに
伝統技術にはない。

それはおかしいなと常々私は思っている。

でも、モノ作りが衰退するには作る側にも
理由があることがほとんど。

私は商品たちを見ていて、その理由が
たくさんあるなと思いました。

まずはシルバーだからなのか少し錆びている
ような渋い色。

サイズがとても大きく、
リゾートにきたテンションならばいいけれど
日本では絶対無理。

モチーフがちょっと具象すぎて合わせにくい。

デザイン自体がなんだかちょっと・・・・と
思ってしまう。

最後に、モノ作りの構造自体が歪んでいるなと
思わせたのは、他のお店も全部回っても、
どこもかしこも全く同じデザインだったことでした。

長い間、革新が行われていない、
また「デザインとは、コピーだよ!」という
バングラで最初に聞いた言葉が
なんだか頭をよぎったのでした。

でも、同時に、私はこの技術と素材さえあれば、
素敵なジュエリーができるのではないかと
思った気持ちは、またバングラデシュの
「ジュート」と出会った時とまるで同じ感覚でした。

(やればできるんじゃないか。)

そうして職人さんとの出会いを求める村歩きが
はじまりました。

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