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パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

子育てと仕事の両立に走り回っているのは、ママばかりではありません。
パパたちも、ヨチヨチ歩きのベンチャーとヨチヨチ歩きの子供たちを相手に奮闘しています。
ベンチャー役員、そしてパパである戌亥がリアルな日常とそこからの学びを紹介。
涙あり(?)、笑いあり(!)の火曜日定期連載です。

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第5回 パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

社員研修

2015.12.08

こんにちは。マザーハウスのパパ役員戌亥です。

本日はご縁があり、ベンチャーの先輩経営者A氏とお会いしました。
色々な経験を積まれている方と対話するのが楽しくて、
初対面だったのですが、予定時間を大幅に超過して話し込んでしまいました。

その中で、わたしが選りすぐりで尋ねた質問は
「経営者は育てられるのか?」
どの会社でもリーダー育成は重要なイシューだと思いますが、
弊社も例外ではなく、この問題から逃れることはできません。

会社の成長と共に、なるべく店長やスタッフの育成に時間を割いているのですが、
それでも、自分自身も研修を担当しながらモヤモヤし続けていたのが、
「経営者は育てられるのか?」という問いなのでした。

自分の経験・ノウハウ、業界知識、マーケティング論などの
一般的ビジネススキル(いわゆるMBA的なもの)は教えることはできます。
しかし、多くの経営者の方がおっしゃるように、
経営者として実際にやっていくには、これらをマスターしただけでは不十分です。
今後も変化し続ける未知なる世界に対し、
ヴィジョンと戦略を打ち出し、チーム全体を率いていくには、
普段の業務を越えた幅広い分野に興味を持ち、学び、視野を広げることで、
自分なりの歴史観や世界観という哲学を持たなければならないと思うのです。
ですが、これらは果たして教えられるものなのか?
そんなモヤモヤから出た質問でした。

ところが、驚いたのは、A氏のシンプルな回答です。
わたしは長年これを難しい問題と捉え、モヤモヤしてきたというのに。

「任せて、見守るしかないですよ。」

えっ、そんなに単純?
そんなに歯切れよく言い切られますか?
あまりの驚きから、ずっと悩んでいた自分を弁護するかのように、食い下がってみます。

「そんな単純でいいんですか?」
「任せて失敗するリスクもありますよね?」

わたしが感情的に食い下がっても、経験豊富なA氏は極めて冷静です。
なぜそう言えるのか、わかりやすく、丁寧に説明をしてくださいました。
細かくは色々教えていただいたのですが、ポイントだけ掻い摘むと、

・任せないと、相手にとって仕事が自分事にならない。自主性を持てない。
・自主性が持てないと、未知なる世界を自分で切り開く人材にはなれない。
・視野を広く持って、と言っただけで社員の視野が広くなることはない。
 経営者にできるのは、なるべく視野が広く持てるヒント、種を巻くこと。
 できるだけ外からたくさんの情報を持って来て、それを社内で広めて、
 興味を持って自ら学びたいという人が出てくるのを待つしかない。

ということでした。

うーん、確かに。
よく考えれば、フェイスブックとかにもよく流れている
「上司がやってはいけない5つのこと」的なお話であり、そりゃそうですよね。
上司が何かを強制するのではなく、自主性に任せるべきなんですよね。見守らないと。

そんな話をしながら、
わたしの中で最近もう一つ気に掛けていたことが思い出されました。

「むすこに課したルール、このままだとまずいかもしれない。」

実は5歳のむすこが今「マインクラフト」というゲームにはまっています。
あまりにはまっていて、顔を合わせばいつもその話ばかり。
エンチャントがどうのこうと言ってきますが、
何のことかさっぱりわかりません(笑)。
これがあまりにひどいので、むすこは大丈夫かな?と心配し、
「TVとゲームで合わせて1日1時間」というルールを制定したのでした。
むすこは律儀で約束は守るので、それ以降、時計を見ながらTVとゲームの時間を測り
残り時間を計算しながら、計画的に時間を使うようになりました。

当初は「よしよし。時間管理の訓練にもなっていい。」と思っていたのですが、
しばらく経ってちょっとした違和感を感じました。
何だかむすこが窮屈そうなのです。
思いっきりゲームに集中したいはずなのに、いちいち時計を見て残り時間を気にする。
本当はゲームをやりたいはずなのに、
気持ちの何割かは残り時間のことを気にしており100%ゲームに没頭していない。
折角ゲームをしているのに、100%集中せずやっている。

本当にこれでいいのだろうか?
ゲームだろうが、スポーツだろうが、勉強だろうが、
とにかく自分が好きなこと、興味を持ったことに100%没頭させてあげるべきでは?

そんなことを感じていた矢先に、A氏から先程のお話をいただき刺激を受けました。
社員教育でも子供の教育でも、将来自分の足で世の中の荒波を渡り歩いてもらいたい、
そのために生きる力をつけてもらいたい、という気持ちは同じ。
それであれば、本当に重要なのは自主性であり、上司や親から押し付けたことや
ルールをただ遵守するだけの人材をつくってしまってはいけない。
そう思いました。

数日後、うちでは「1日1時間ルール」が撤廃されました。
子供の一挙主一投足を細かく指導するよりも、
本人に任せてみようと考え直したのです。
今後、むすこがルール撤廃によりひたすらゲームをし続けるのか、自制するのか、
好きなだけやり続けた後に何かを見つけるのか未知数ですが、見守りたいと思います。

いつも思いますが、経営と子育てには共通する点が多く、お互いの学びを転用できるので、
両方しているわたしは一挙両得でとってもラッキーです。
先輩経営者Aさん、このたびは本当にありがとうございました!!
 
 
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戌亥一幸(マザーハウス常務執行役員)
1975年奈良県生まれ。大学卒業後、大手アパレルメーカー勤務。
2010年、マザーハウスに転職し、商品戦略担当に。2013年より、現職。
2015年に女児が産まれ、現在、一男一女の父。
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