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パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

子育てと仕事の両立に走り回っているのは、ママばかりではありません。
パパたちも、ヨチヨチ歩きのベンチャーとヨチヨチ歩きの子供たちを相手に奮闘しています。
ベンチャー役員、そしてパパである戌亥がリアルな日常とそこからの学びを紹介。
涙あり(?)、笑いあり(!)の火曜日定期連載です。

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第3回 パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

出店戦略とむすこ

2015.11.24

こんにちは。マザーハウスのパパ役員戌亥です。
 
 
最近のむすこの夢は「100階建てのおうちを建てて家族で住むこと」

一緒に近所を散歩するたびに、
「ここの土地を使ってー」
と用地探しをしています。
人さまのおうちがあっても関係ありません。
「ここからここまでをー」
むすこ、それは地上げって言うんだよ。まあ、大人になって覚えればいいか。

そんなむすこは、100階建てのうちを建てるために、研究熱心です。

むすこ:「世界で一番高いビルはどこ?」
パパ: 「多分、ドバイにあるやつかな?(ググって)これこれ」

むすこの興味は尽きません。

むすこ:「そしたら、日本で一番は?」
パパ: 「多分、あべのハルカスっていうビル(だったはず、、、)。パパのお店も入ってるんだよ。」
むすこ:「えー、何階建て?」
パパ: 「わかんないけど、100階くらいあるんじゃないかな?(後で調べると60階でした)」
むすこ:「パパのお店は?」
パパ: 「3.5階だよ」

しばしの沈黙の後、むすこは一言
「・・・低っ、、、」

む・むすこー、お店っていうのは普通は低層階にあるものなのさ。
だってさ、高いところにわざわざお客さんが来るのって大変じゃんか。
決して高いお店がいいんじゃないよ。
そりゃ、展望台は高いほうがいいけどさ。
と、なぜか心の中で取り乱したが、徐々に冷静さを取り戻す。

むすこよ、子供の無邪気さからそんなことを言っているのか、
それとも、当社の出店戦略に対して真っ向から疑問を投げ掛けているのか、
その真意はわかりかねるが、もし単なる売上ほしさに低層階を選んではならない、
冷静な収支見込や戦略性もなく安易に低層階に飛び付いてはならない、
と言っているなら、それにはそれで一理ある。

オリンピック開催が決まってからの地価、賃料の値上がりは激しい。
都市部では軒並み賃料が値上がりし、
場所によっては坪賃料10万円以上という物件もある。
このような中で、是が非でも好立地を!という考え方はもう古いのかもしれない。

都市部においてはすでに新しい動きも見られる。
某コンビニエンスストアは賃料上昇、物件取得競争激化への対応策として、
一・二階まとめ貸し物件を積極的に取得していると聞く。
二階といえば、通常は半分以下のお客様しか上がられないため、
売上坪効率は必然下落し、これまでは敬遠されがちであった。
特に、坪効命のコンビニでは尚更だろう。

しかし、この某コンビニは、
その非効率性のために逆に賃料も低い二階を借り上げ、
物販するのではなく、イートインスペースとすることで、
滞在時間の向上 → 一階物販での買上頻度、リピート率のアップを狙った。
今のところ、売上は一階だけのお店に比べて140%ということで、
二階の賃料が通常は一回の半分程度であることも考えると、
まずまずの実績を上げている。

このような事例も考えれば、商業施設でも同様の戦略は成り立つ。
もちろん館環境にもよるが、最近はディベロッパー各社もシャワー効果などにも
力を入れて取り組まれており、
高層階が極端に取れないかといえば一概には言えない。

むすこよ。
仮にこのような市場環境の変化を、子供心に敏感に察知しながらも、
まだまだ稚拙な言語能力のために
「・・・低っ、、、」
としか表現できなかったのであれば、
きみのセンスはなかなかのものだ。
また、ゆっくり議論しようではないか。

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戌亥一幸(マザーハウス常務執行役員)
1975年奈良県生まれ。大学卒業後、大手アパレルメーカー勤務。
2010年、マザーハウスに転職し、商品戦略担当に。2013年より、現職。
2015年に女児が産まれ、現在、一男一女の父。
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