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パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

子育てと仕事の両立に走り回っているのは、ママばかりではありません。
パパたちも、ヨチヨチ歩きのベンチャーとヨチヨチ歩きの子供たちを相手に奮闘しています。
ベンチャー役員、そしてパパである戌亥がリアルな日常とそこからの学びを紹介。
涙あり(?)、笑いあり(!)の火曜日定期連載です。

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第2回 パパ役員が語る 子育て経営学のすすめ

時間管理 ~家族と仕事のはざまで~

2015.11.17

こんにちは。マザーハウスのパパ役員戌亥です。
 
 
あー、ねむい。
というのも、昨日は久々に遅くまで仕事をしました。

段取りが悪いだけなのですが、
今日研修で使いたい資料の作成が間に合わず、、、
ええ加減、この歳(満40歳)になると、
働き方を考えないと持たないです。

多少なりとも子育て参加をし始めてから、
時間の使い方にはシビアになりました。
振り返れば、正直以前はそこまで時間に対してシビアじゃなかったと思います。

言葉では「生産性向上」と言っていても、
「時間内で終わらせる」という意識以上に、
「間に合わなければ、残業してでも徹夜してでも仕上げる」という意識のほうが強く、
さらに悪いことには若干これを
「戦うビジネスマン」的に美徳化していた気がします。

でも、子育てに参加すると、そうはいかなくなりました。
時間の使い方が自分だけの問題ではなくなったので。

保育園のお迎えは延長しても18:30で、仕事が押しても関係ありません。
これまでは早朝出勤もよくありましたが、
それも保育園の送りがあれば、子供の都合も保育園の都合もあるので、
いつでも自由にはできません。

子供をお風呂に入れたり、寝かしつけたりしようと思えば、
遅くても20時までには帰らないと戦力外通告です。
帰ったらもう寝てますから。

そんなこんなで、子供がいないときとは完全に世界が違い、
「限られた時間で仕事を終わらせないと」というプレッシャーが半端ないです。
(世の中の働くママさんは日々仕事と家事の両立をされていてほんとすごいです)
 
 
そんな中でも、数ヶ月前、特に時間に追われた場面がありました。

来週には大事な商談があるのに、
週内は予定していた作業時間が取れないまま週末に突入。
下の子を産まれて以来、せめて休日だけは家族サービスしようと思い、
なるべく土日は家族のために当てているのですが、
そのときばかりは仕方なく、土曜日は丸一日をプレゼン資料作成に使いました。
しかし、それでも本編ができただけ。

本当に納得行くクオリティに仕上げるには、
聞き手のどんな質問にも答えられるように
手元資料(Appendix)として、他にも色々なデータなどを揃えておきたい。

これまでも多くのプレゼンをしてきましたが、
ぶっつけ本番が苦手なわたしは、
常にそうやって十分納得の行く準備をして本番に臨んできました。
十分過ぎるほどに準備し、資料も本編以外にも色々揃えて臨むので、
毎回日の目を見ない資料は幾つかありましたが、
それらを作ったり考えたりした時間も
プレゼン成功には役立ったと考えて気にしていませんでした。
それがスタイルだったのです。

しかし、このときばかりは状況が違いました。
その週は特に下の子の寝つきが悪く、不眠気味のママはいつも以上にグロッキー。
さらに、土曜日は上のむすこが保育園に行けないので、ママは体調が悪い中で、
二人の子供の面倒を見て、もうさすがに体力的にも精神的にも限界でした。

こんなときに、わたしは更に日曜日も仕事をするのか、、、
本当に悩みました。
明らかに負担が高すぎるママと、そのママを気遣うこともできずに
大好きな公園に行きたがるむすこと、
かわいいけどもギャン泣きするむすめの二人を
そのままにしておいて、わたしはまだ資料作りに時間を費やすのか、、、
そうして悩みに悩んだとき、わたしの中で何かが吹っ切れました。

「このAppendix、別にいらなくねえ?」
ふと、そう思ったのです。

これまで用意周到こそが美徳だったわたしにとって、
自分でも驚くべき内なる声でした。
それでも今までとは180度違う姿勢を、
自分でもすぐには受け入れられません。

「いやいや、それは時間がないからの言い訳じゃないの?
本当は作ったほうがいいでしょ?」

しかし、内なる声がさらに反論してきます。

「いやー、あのさ、ジコマンはいいけどさ。
今から時間を掛けて作ろうとしているそのAppendixが役立つ可能性は何パーセントなの?
今までも多くの場合、それは聞き手の方には見られず、
それに関する質問もなく終わっているんだよね。
まったく日の目を見ない資料を作ることに付加価値はあるの?
プレゼン合否と関係なくない?」

うっ、ジコマンだなんてひどい、、、
そんなふうに思っていたなんて、とか悶々と内なる一人芝居をしながら、
でも徐々に気持ちは固まり、
私はそれ以上の仕事をせず日曜日は家族と過ごしました。
 
 
そして、数日後に迎えたプレゼン本番。
無事に商談は盛り上がり、滞りなくお話し合いをまとめることができました。
この件だけで考えると、日曜日家族を放っておいてAppendixを作成するよりも
結果的にあきらめた判断のほうが正しかった、生産性が高かったことになります。

もちろん、用意周到が身を助けることはあるでしょうし、
そうは言っても、若いうち(←おっさんの発言だ!)は合理的な必要性の観点とは別に
アウトプットに心血を注ぐことで磨かれるスキル、
次の世界があるのも事実とは思います。
なので、未だに念入りに準備することを完全否定はしたくないです。

ただ、時々の状況を考えることなく、
闇雲に「準備は納得いくまで万全に」と思うのは
もはや自己満足の世界であり、限られた時間を本当の意味で最大活用するには、
常に「何に時間を使うのが最も意味があるのか?」を
考える続ける姿勢が重要だと学びました。
それ以来、時々心の中でむすこが問い掛けてきます。

「ねえパパ、そのお仕事本当にやらなきゃいけないの?」

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戌亥一幸(マザーハウス常務執行役員)
1975年奈良県生まれ。大学卒業後、大手アパレルメーカー勤務。
2010年、マザーハウスに転職し、商品戦略担当に。2013年より、現職。
2015年に女児が産まれ、現在、一男一女の父。
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