MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

ジュートと出会って。

2016.03.11

10周年を迎えて、改めてジュートに取り組んだ。

私の中でジュートははじめて知ったバングラの
キラキラ光る可能性だった。

だって、学生の頃、ダッカの街をフラフラしていて
「もーこの国最悪!賄賂もあるし、街は物乞いばっかりで
帰りたいよ〜」と半泣き状態の日々だった時に
出会ったから。

ゴワゴワの麻袋をベンガル人のみんなが
「俺たちのゴールデンファイバーだぜ!」って
自慢げに言うのが、なんていうか、すっごく新鮮な
驚きだった。

jute-1
(出典:The embassy of Bangladesh)

バングラデシュは、世界でも有数の、トップの、
黄麻(ジュート)の輸出量を誇る。

当時は、はじめて感じたポジティブなものだったから
夢中になって調べた。

夢中すぎて、隣のインドのカルカッタ大学の
ジュート学科まで行ってしまった。

ジュート学科なんてあるんだ!?ってのも驚いた。
それくらい、ベンガル地方でこの麻は、ものすごく
財産のようだった。

環境に優しいことや、断熱性があって、
インドの有名財閥のタタ(TATA)も自動車の
ドアトリムなんかに使っている事も知った。

ぐんぐん、何かに惹かれるように私はジュートに
のめりこんだのだけれど、その中で1番
魅力的だと思ったことがあった。

それは、この草が、
度重なる洪水にも負けず、むしろそんな環境から
栄養を吸い取り、土壌が肥沃だから育つってことだった。

ハンディキャップを栄養にして、ぐんぐん太陽に
向かって半年で2mにも伸びるジュートに、
私は途上国の可能性を重ねて見ているようだった。

ハンディを強みにできるなんて、
私もそうなりたいなあ。

自分の弱い部分も、
自分の好きな部分に変えていきたいなあ。

そんなことぼーっとダッカの街で考えていた。

だから、10年目、もう一回このジュートに向き合おうってきめた。
より密度を上げて、軽さを最軽量に、そしてより鮮明な色を出し、
上品なフォルムで仕上げること。

生き生きとしたあの時心に焼き付けたジュートの生命力と
日本の街並をつなげ、
マザーハウスに出会えた感謝の気持ちを込めて作りました。

red

blue

white

街歩きをテーマに、谷中店の近くで撮影しました。

メッセージを送る