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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

「犬」とは。

2016.02.03

工場で飼っているジャッキー。

ジャッキーはそろそろ注射をします。

一応、バングラでは流行しているので、
狂犬病予防の注射です。

サンプルテーブルのミシンは、窓際にあるのですが、
ミシンを縫っていると、窓のほうにやってきて
シッポをフリフリするのです。

ついつい手がすべって、縫製がまがってしまう。
でもジャッキーには、キレません♪

それくらいかわいいのです。

ジャッキーはきっとミシンに興味があるんだろうなと
思っています。

そんなジャッキーの予防注射ですが、
「特別いい病院を選んでほしい。」と私が話すと
「どこも注射は同じだい!」と
運転手のカルに言われました。
「そんなことない、注射器の清潔さは違うと思う。」と
やや議論。

あくる日もまた。
「ジャッキーの今日のご飯はなにかな?ビリヤニ(結婚式とかに食べるもの)
がいいのではないかな?」と
結構豪華な食事をリクエストしたら、
「犬のくせに一日何タカつかうんだ!」と怒られ、更に議論。

それでもジャハンギというヘルパーが
とっても豪華なビリヤニを作ってくれました。

「わー、ジャッキー嬉しいねえ!?」

差し出してあげると、なんとジャッキーは食べないのです。。
なんだか、慣れないのか、嫌いなのか、、、
私の服を嚙みながら全くご飯に興味なし・・・。

その時のジャハンギたちの顔つきったらなかった。

”こんな豪華なもの、、、人間も食べたいようなものを無視するなんて!”
みたいな目でした。

「まだお腹がすいていないみたいだ!しばらく置いておこう。」と言いました。

ジャッキーに関してややスタンスの違う私とみんな。

それが最高潮に達したのが、まさにジャッキーとは何なのか、という
スタンスでした。

「今日のジャッキーの晩ご飯はなにかな?」
「??ご飯は一日二回ですよ、マダム」と優しくムンナが言う。

「へ?二回?!」

「はい、バングラの犬はだいたい二回なんですよ。夜は食べません。」

「え?お腹すいて夜起きちゃったらどうするの??」

「あははは。」と笑うムンナ。

「??どうして??」

「だって、お腹いっぱいで眠っちゃったら、変な人が来ても起きないじゃないですか。
セキュリティーのためにはそれでは困るでしょう。」

「え?!ちょっと待って!セキュリティって何?!ジャッキーは番犬じゃない!!!」

「ええ???」

と私たちは、大きな価値観の食い違いに直面したのです。

バングラでは工場の犬=番犬なんです。ガードマンと同じ位置づけで
夜こそ、動くべきというスタンスだったんです。

私の中では、夜はお腹いっぱいになって暖かくしてグーグー寝ている
幸せそうなジャッキーがもう完全にイメージとして出来上がっていたので、
そんなことを言われてガツンと頭を打ったような衝撃でした。

でも、もっと混乱していたのはみんなで、「番犬以外の犬ってなんだ?!」という
衝撃。言葉を失っていました。

「人間も犬も同じなんだよ!!!」と言い放って私はその場を後にしましたが、
9年経っても日々の暮らしで感じる価値観の違いはまだまだたくさんあるのでした。

そしてジャッキーに関するスタンスの違いはますます大きくなりそうな
予感がします。。。
(だって、私はジャッキーの友達が必要だと思っているので、ウフフ!)

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