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山口絵理子の日々思うこと。

親愛なるモジブルへ

2021.06.14

(この手紙は、私たちの創業からの鞄の生地(ジュート)を作ってくれているバングラデシュの田舎にいるサプライヤー、モジブルさんに送った手紙です。)

今日という日の記念にnoteを書きました。

彼はこの人。

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親愛なるモジブルへ。

さきほどスタッフから三日前に発売したジュートの新作のリュックが売れ行き好調で在庫が今週にはなくなり、急遽増産する計画を実施すると聞きました。

このような嬉しい悲鳴をコロナ禍で感じられることがどれだけ貴重なことか、まずは生地を開発してくれたあなたに、特別な感謝を伝えさせてください。

今回の生地はあなたが単独でご自身の創造力で開発しました。
それを受け取った私は、最初はとても驚いたのです。

普段はとってもラフで大声で早口で工場で働く私に大きな手で握手を求めるモジブルさん。
そんなモジブルさんからこんなクラシカルな生地があがったの?!って。

そのギャップがなんとも言えずに面白く感じたんだけれど、この生地を見るほどに、あなたがおじいちゃんの代から、どれほどジュートを愛していたのか、ジュートが家具や帽子や靴にも使えるんじゃないかと様々な実験をしていたからこその生地だと気がつきました。

バングラデシュのジュートは私にとっても宝物です。
はじめてバングラデシュを訪れて、みんながネガティブなことを言う中ではじめて見たこの国の可能性は、あなたたちが言うようにまさに「ゴールデンファイバー」だった。

だからこそ、あなたの宝物を輝かせるため、型紙を作り始めたんです。

私は曲線がデザインとして好きなんですが、この幾何学の模様には意志が感じられて、折り曲げたりカーブに切ったりすることはしたくないって思い、直線だけでバックパックの型紙を切ったんです。

それは、ひそかにあなたのジュートへの尊敬を表現しています。

誰にも大切なものがあるけれど、こうして大切な素材を受け取り、それを形にするデザイナーがいて、それを大切に届けるお店のスタッフがいて、今すでにたくさんのお客様にとって、大切な日々の相棒になっています。

モジブルさんの「大切」を最大限みんなは大切に届けています。

そのおかげで、もう在庫が薄なっててんやわんやしているけれど。。。

日本を代表して、あなたにそのことを伝えさせてもらおうとメッセージを送ります。

2006年、バングラデシュの工場でジュートを加工していた時「農作業の資材なんだから、そんなお金と時間をかけても無駄だよ」とベンガル人に言われてから15年、現地で同じようにジュートを大事に思うパートーナーと出会えたことに感謝します。

追伸:来年の生地開発については後日別途メールをします。堅牢度の向上と糸番手の変更をお願いしたく。

今年を超える自己ベストを作りましょう。

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素材から型紙、型紙から生産、生産から販売し、お客様へ。

どれだけ大きくなってもこの温かい生態系の中に不純物が混入しないようにしたい。

それはとても大きなハードルなんだと思うけれど、そのためにやるべきことはわかっている。

いつまでもいつまでも純粋にものづくりと向き合い続ける、以上。

ジュート君、いつも支えてくれてありがとう。

これからもよろしくお願いします。

山口絵理子

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