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山口絵理子の日々思うこと。

❤︎絵が入選しました❤︎

2021.02.12

年末の31日、郵便ポストをあけたら一枚のはがきが届いていた。
見た瞬間に、「うそでしょう?」と思い反射的に葉書を空にかざしてしまった。

それは美術館の公募展の「入選」通知だった。

私は産休中、途上国にいけない、でも何か表現したい、作りたい、そんな欲求が止まることなく溢れ出てきて、無我夢中で絵を毎日描いていたのだ。
ただ私はバッグやジュエリーなど立体物のデザイナーであり、絵は専門的なスキルは全く持っていない。

でも子供がお腹にいて、蹴ったり動いたりする日々が単純にものすごく愛おしく感じて、それを記録したいと思っていたことがエネルギー源だった。
生まれたらこの絵を見せて、”お腹にいる時描いていたんだよ”って言いたくて。

あとはモチーフはいつも動物なんだけれど、動物が好きすぎて、マザーハウス の商品でも作っているんだけれど、それだけだと受け皿が小さすぎて笑。

毎日のように白いキャンバスを相手に、たくさんの試行錯誤をしていた。手を動かさないと、自分の力が弱まってしまうような不安もあったし、単純に、何かを表現している時間が大好きだった。

専門的なスキルは皆無だったから、わからないことがあると画材屋さんのおじさんに聞いていた。
「これとこれ混ぜて平気なんですか?」
さながら途上国ではじめてものづくりをした時みたい笑。

おじさんは徐々に優しくなって、最後は「これ来月から高くなるからね」などと内部情報を教えてくれたりしていた笑。

つわりがひどい時は横になってでも筆を動かしていた。

アマゾンで届くキャンバスはだいたい10枚セットとかを買うんだけれど、それがなくなりかけると不安になるくらいだった。
気がつくと、産休の2ヶ月で50枚以上の作品が出来上がっていたのだ。

書斎のテーブルも床も絵具だらけで大好きな服もだいぶ汚してしまった。

私は特に絵を描く目標なんてなかったんだけれど、毎日新しい技術に挑戦するのが楽しかった。
「今日は、この材料を100均で買ってきたから試してみるんだ」
「これは、医療用の綿棒。これで点描したらまた味が違うかも。」
近くで見ていた旦那が「息をするように描いているねえ・・・。」と笑っていた。

そんなある日、旦那と散歩していたら一枚のポスターが目に入って、指さしていった。
「あれ、公募展があるよ。これ、応募してみたら??」と言ってくれたのだ。
松濤美術館が主催する公募展だった。

「ええ、そんなの受かるわけないよ」と言いつつも、何となく産休中の私は暇だったので応募してみることにした。

作品は直接美術館に指定日に搬入するように書いてあった。
無事に娘が生まれて初めての外出で搬入にいった。

美術館につくと応募用紙があり、作品名という欄があった。

応募したのは「ワニ」の絵だった。

(タイトルどうしようかな・・・ただの”ワニ”だと味気がないからなあ。そうだ、娘が生まれて“沐浴”がとーっても気持ちよさそうな顔をしていたから“ワニの沐浴”にしよう)

育児中だからこその思い出と共に即決した作品名を記述し、美術館の地下の受付に向かった。一人一人自らの作品を見せながら提出し番号を受け取るシステムだった。

私の前のおじさん二人組が私の絵の3倍くらいあるサイズの超大作をひっさげて語っていた。
「いや〜今年こそは入選したいなあ!」あまりの完成度の高さに私は内心驚いていた。

そして、私の後からやってきたお姉さんは、一年くらいかかるんじゃないか?と思われる超ディテール満載の作品を持っていて、同じくスキルが高すぎた。

私はみる限り自分が一番小さい絵のサイズだったし、スキルも独学で素人で、すごく肩身が狭く感じて恥ずかしかった。

(早く会場から去りたい・・・)と思いながら汗びっしょりになってしまい会場を跡にした。

家に帰り、旦那とこんな風に話していた。
「本当にみんな上手で、びっくりしちゃった!!!私、でもすごくいい経験になったよ。ああいうところからきっと新しい才能が発掘されるんだね」と。

私はその後、育児に追われ応募したことさえも頭から消え去っていた年末、ポストに入選通知があって驚いてしまったのだ。

今日2月12日から23日まで松濤美術館で飾られるらしいです。

スクリーンショット 2021-02-11 10.04.04

早速、子供を連れてひっそりと見に行く予定。

小さな美術館で割と密にならない感じなので、近くにこられたら見てみてください♪ 感想教えてください♪

そして、ひょこっと転がっていたチャンスを拾って、自分の創造の舞台を広げてくれた今回のエピソードに感謝して、今年はマザーハウス の仕事以外の自分の表現の場や活動も少しだけ広げていきたいなと思っている。

それが、社会にとって好循環につながるという条件を自分に課して。

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