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山口絵理子の日々思うこと。

会社には「0から1を生むタイプ」と「1を10にするタイプ」がいる。 理想的な組織のバランスって何だろう?

2019.09.20

私たちには、2人の代表取締役がいます

今年から、マザーハウスは「代表取締役2人組体制」になりました。

私と一緒に船の舵取りをする山崎大祐は、慶應義塾大学時代のゼミの先輩で、会社の形になっていない頃から私の夢を「おもしろい」と聞いてくれて、背中を押し続けてくれたビジネスパートナーです。

ゴールドマン・サックス証券エコノミストという輝かしい肩書きを捨てて、マザーハウスに参画してきたという、勇気ある人です。長らく副社長として会社を支えてくれましたが、この度、私と一緒に代表取締役になりました。

私が”つくる人”ならば、彼は”売る人”

思い先行で、バングラデシュの事業を始めてしまった私に、「ビジネスとはね」と骨格を教えてくれたのも山崎でしたし、入社してからは販売サイドの指揮役になってくれたのも彼です。

私が”つくる人”ならば、彼は”売る人”。

「早く商品を供給してくれよ。なんでそんなに遅いのか理解できない」

「工場の現場を知らないくせに!」

というケンカをどれだけ繰り返したでしょうか…。

山崎いわく、私と彼はいい意味で正反対のポジションをとっているそうです。

「山口(私のことです…)は0から1をつくるのが得意。僕は、0から1を生み出す力はないけれど、山口が生んだ1を5や10、100に広げることができる」

彼はそんなふうに私たち2人のことを表現します。

たしかにそうかもしれません。

彼はまた、周囲の人にこんなことも言っていたそうです。

「山口ほど結果にこだわる人はいない。サッカー経験のある僕は、多少結果がダメでも『プロセスさえよければ、よい試合だったと讃え合おうよ』とチームワーク重視のとらえ方をするけれど、柔道に打ち込んできた山口は『負けは負け。勝たないと意味がないよね』とバッサリ斬る」

たしかにそうだよね、と思わず笑ってしまいました。(私は高校時代に柔道全日本ジュニアオリンピック7位に入賞しているのです!!)。

意図的に「対極」にいる。

販売サイドを見ている山崎は数字を管理するのが得意なので、私がエモーショナルになりすぎていると、絶妙なタイミングで声をかけて引き戻してくれます。

でも実は、立場が逆転することも割と多いんです。

情深いところがある彼は、社員の前で話しながらよく泣きます。隣で聞いていて、「あ、今日はずいぶん感情に引っ張られているな」と感じたら、私はデータの話を淡々としたり、意図的に対極にいようとします。

山崎もそれをよく理解してくれていて、最近はほぼ反射的に役割分担ができるようになってきました。

スポーツのディフェンスとオフェンスがゲームごとに入れ替わるように、役割を交換できるパートナーがいる。

強みが異なり、それを尊重し合えるパートナーを得たことは、なんて幸運なことだろう。

そんな風にいつも感謝しています。

0‐1の人、1‐10の人、10‐100の人

さて、山崎と働ける幸運を長々と語ってしまいましたが、少し一般化して組織のことを考えてみます。

“つくる人”と”育てる人”という二つの軸は、言葉を換えると「0を1にする人」と「1を10にする人」とも言えるのではないか、と私は考えています。

私たちの会社ではよく「0‐1の人」「1‐10の人」「10‐100の人」という分類をします。

「0‐1の人」とは私のような人。山崎はよく「落下傘部隊」だと笑います。何もない未開拓な地や、新天地に突撃し、種をまいたり、平地に道をつくったり、仲間を見つけたりするタイプ。

「1を10にする人」は、できた道を道として機能するように整える人。まだまだデコボコで穴があったりもする道を、人が歩けるように仕上げ、適切な道幅を設け、自分たち以外の人にも解放してくれます。

「10を100にする人」は人が歩ける道をさらに長く、そして必要に応じて信号を設け、標識を設け、歩道と車道を分けて、さらにはまわりに街までも形成していく人たちです。

私は経験上、この比率が組織のキャラクターを決定すると考えています。

「0を1にする人」ばかりしかいなかったら、組織は崩壊してしまう。私みたいな人たちばかりの組織だったら、どんな経営者も辞めたくなると思います(笑)。

あるいは「10を100」にする人たちが99%の場合、組織は安定しますが、新しいチャレンジは生まれず、未来を切り開く息吹に乏しいかもしれません。

大事なのは3つの素敵なバランスを見つけて、それぞれが「尊敬」し合う関係性をつくること。

それぞれに優劣はありません、キャラの違いです。

「あなたにはあなたにしかできないことがある」

私は誰に対しても、心からそんなふうに思っています。根底にあるのは、私自身が「1を10にしてくれる人」に出会い、「10を100にしてくれる」人たちに夢を形にしてもらっている、と心から感じているからです。

この3つのバランスは、組織のステージによっても変化していくし、変化させていくことが重要だと思います。

自分はどのカテゴリーに属するか考えてみたことはありますか?

あるいは、あなたの組織にはこの3つのカテゴリーの人たちがそれぞれどれくらいの比率でいますか?

一呼吸おいて、こんなことを考えてみると組織がクリアに見えるかもしれません。

*このエントリーは『ThirdWay 第3の道のつくり方』から一部を抜粋してnote用に編集したものです。多くの方々に「ThirdWay」の思考法をお届けしたくて、本の内容をいくつかのパーツに分けて再編集して、noteで公開していきます。本やnoteの感想を「 #私のThirdWay 」というハッシュタグをつけてぜひ投稿してください。一つ一つ大切に、すべて目を通すつもりです。どうぞ、よろしくおねがいします。(編集協力:宮本恵理子・竹下隆一郎/ 編集:大竹朝子)

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