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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

比較対象の大切さ

2020.06.04

光栄にもこの3月から、私は上場企業の社外取締役にならせていただいた。

上場企業なので公開されているので記述するが株式会社ピジョンという赤ちゃん用品などでとても有名な会社だ。

最初社長さん自らお声をかけてくださったときに「へ???」と思った。
でも「デザイナー」と「経営者」という肩書きを二つやっている私の存在が、「今ピジョンが必要な部分なんです」と、熱烈に語ってくださり、お役に立てるかどうか不安になりながらも、ほとんどは自分の勉強のために受けさせていただいた。

まだ数回の取締役会だけなのだが、私は毎回、アウトプットさせていただくものよりもはるかに学びが大きい。

これまでファッションという小さな産業の、また中小企業だった自分の、経験や知識、規模感、全ての小ささを毎回感じている。
そして、上場企業としての経営基盤の圧倒的な強さを得意ではない財務関係の資料に苦しみながらも肌で感じている。

「ああ、私ってば、なんて狭い世界の人間だったんだ。」

そう思い、この機会を頂いて最高に感謝している。

例えばピジョンは、グローバルで販売拠点、生産拠点を複数持っているが、そのほとんどが、製造と販売を1カ国内で完結させている。
中国やインドで生産した商品は、中国やインドで、販売する。
私たちは、「途上国から、先進国へ」ということで製造と販売の拠点が変わるビジネスモデルだった。

このこと一つとっても、どんなメリットやデメリットがあるかなんて、14年間想像もしてこなかったのだ。

そして、このコロナの影響も、我々のような中小企業と上場企業で、まーーったく影響が違うことを目の当たりにして、本当に愕然とした。

ひいひい言っている私たちと、当然業種が違うのは単純比較はできないけれど、安定感、さらにその中でも変化するスピード、全てにおいて、上場企業ならではの理由がここにも、ここにも、あった・・・と一人オンライン取締役会のPCの前でうなっている。

(全く比較にならない規模なんだが)「比較対象を持つ、比較対象を知る」ということの大切さ、を二社に関わり学んでいる。

私やマザーハウス は、(100%私の責任ですが)「我が道をいく」Going my wayだった。14年間、他社、異業種のことなど気にせずに、自分たちができるベストな変革、商品作りをしてきた。
それがよかったこともあるが、悪かったこともある。

「自分自身の哲学への信奉」のようなものがあったことで、他社なんてどうでもいい、と正直思ってきた。でも、そのことと、他社から学ばないということとは大違いだってことを恥ずかしながら今とても実感しているのだ。

表面的な他社のデータではなく、他社のビジネスモデルからどこに強さの秘訣があり、どういうタイミングで変革して今があるのか、商品ポートフォリオの組み方、グローバルとローカルの組み合わせ方、それらは生の教科書として、自身の哲学を守る上でも本当に重要なことなんだ。

(私の頭は、固くなってしまっていたなあ)と、反省するときもあれば、ああ、ここはマザーハウス の良さだなあって再認識する時も少ないがあったりもする。

売上1000億円の企業から、250万で起業して独立独歩してきちゃった私が何を学べるか、精一杯挑戦していきたい。

そう思わせてくれるほど、「取締役会」という場への参加は、私にとって多分ボディーブローのように効いてくるだろうと思う。経営者としても、一人の人間としても。(と今日取締役会だったから、気持ちを残したくて書いておきました。)

追伸:次の土曜日にNHKスペシャルにでます。21時からです。これもピジョンさん同様、自分には本当に身に余るような機会だなと。登壇する方々が多いので少しですが、自分なりに感じていることを素直にお話できたらと思っております。

追伸2:写真は、6月といえば!な、インドネシアとスリランカでデザインしたブライダルリングです。いつもの通り記事とは関係ございません!

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