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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

今年もお世話になりました。

2019.12.31

みなさん

今年も終わりですねえ。

一年間、マザーハウス を応援してくださったり、ブログやインスタ、メルマガを読んでくださったり、プロダクトを使っていただいた皆さん、本当にありがとうございました。

今年2019年の年初めに、私はインスタでニコニコ笑顔で
「共」という書き初めをして、「一緒に作り、歩んでいく」と書いたのですが、中身はわりと、「独り」が多かった一年でした笑。

はい、ここで山口4大ニュース2019!

1:入院したりで体調悪し。

2:新ブランドe.はじまったよ。

3:新書Third way 出したよ。

4: 新天地パリ進出はじめたよ。

ということで、体調悪いわりに後半動いたな!と笑。

私は、昨年末にミャンマーで感染症になり、1週間の初入院をした@飯田橋。

「ああ、私はこんな体で海外出張なんてもうできなくなる。みんなへのバトンタッチの仕方を考えよう」と高熱を出しながら本気で考えていたのです。

しかし、退院し、2019年も下期に進んでいくに従って、兼ねてから「インドの可能性をマックスに表現したい」という思いで、デザイナーとして新ブランドを立ち上げることになるのです。

ERIKOのe をとったイードット。

クリエイションや新規事業に対する葛藤、焦り、不安が大きくなってきて、「弱ってる場合じゃないよ。」と体が動き始めたのです。

「お洋服なんてできるわけじゃないか。」と山崎と猛喧嘩したのは4月後半くらいだったと思います。
すでにブランドロゴが決まっていたのに私は山崎にラインして、「まだはじまってないから、キャンセルしたい」としっかりと申し出ておりました笑。

それくらい、私はいつだって自信がない。

それでも、みんなが「私の主観でやってみたらどうか」と背中を押してくれた状況は、なんだかデザイナーとしては、これだけの冥利はないのではないかと今は思っている。

みんなが信じてくれること、「山口さんの主観でいいんです」って彼らの方が自信をもって言ってくれること、「そんな幸せな環境にいながら、なぜやりたいことをやらないんだ?」裸でも生きる1の帯に書かれた一言(私が起業するときにバングラで聞いた神の声)が再び聞こえた。

ビクビクしながらも、手を動かすことでしか不安は取れないし、未来は掴めない。

コルカタに行くと、素材が広がり、平面が立体になる作業現場だった。

「あの生地やろう!」「あの色出してみよう!」「もっとフレアをきかせよう」

ものづくりの楽しさは、恐怖も不安も打ち消していった。

田口や後藤やコルカタメンバーみんなが大好きなことも私を支えた。

次にきたハードルは、8月。
はじめてのファッションショーがあった。
人生でそんなことをデザイナーとしてやるなんて思っていなかった。
でも結果として、「初回にしては完成度が高すぎる。新人なのに10年選手な感じがする!」ってアパレル関係者の方に言われたのは、嬉しかった。

調和を生み出すこと、素材で遊ぶこと、バッグで13年、ジュエリーで3年やってきたことは、服でもとても活かせていると思うし、私は信じている。「インド自社工場は、多様性をもったバングラ工場みたいになる」って。

e.の本店が秋葉原で、藤森照信さんの設計のもとオープンでき。
同じようなタイムラインで、Third wayという自著が出版。

自身の哲学をまとめあげるのは試行錯誤の連続だったけれど、ハフポストさんみなさんに支えられなんとか販売できました。取材や講演の機会が増えてこの時くらいから「あれ、私体弱っていたっけ・・・」と思い始めた。

病気になったことで食べ物やサプリに気を使うようになって、前よりもジムやピラティスで体を動かすようになったのもよかったのかもしれない。

そして、ふわっと例年のごとく訪れたパリで(キャンセルに終わってしまったのですが)「物件あいているよ」という神のいたずらがあり、そこからどっぷりハマりこんだパリ。

腐ったパリ、腐ってもパリなパリ!

ここでの10月、11月の法人立ち上げ、面接、物件交渉の日々は、2019年の中でも渋すぎるハイライトでした。

「謙虚さは美しさじゃない」と私は何度か指摘された。

私は普通の言動だと思っていることをそんな風に言われ、「あたなたちが高飛車なだけだ」と常に思いながら、何一つ、共感できない日々と、何一つ進まない日々。

どうしたものか・・・と頭を抱えながらも、かわいく可能性たっぷりな24歳のパリジェンヌを初雇用することに決めたのです!!!
これだけ心拍数あがる雇用は、初体験だった。

「もう後戻りできないんだよ。」と悪魔のささやきが聞こえていましたが、私は進むことを決めた。

自らの言い聞かせた言葉 keep walking。

不恰好ながら、一歩一歩、夢がリアルになる、真只中にいる。

当然、会社としては、もちろん他にも山ほどチャレンジがあるけれど、私の視点から見えていた世界は、「ファッション」という楽しさがブランドに加わり、パリという遠い夢だった国がリアルになってきた、そんな変化に富んだ一年だった。

マザーハウス はe.という伴侶を共にし、本当の意味で世界へ向けて羽ばたくだろうと思う。

これからの10年で、私は夢を本当の意味で形にする。

人生何年かはわからないが、次の10年が私のマックスのクリエイションステージだと思うし、遠慮もしたくないし、
暴走もしたくない。

純粋に、すごく純粋に、前だけ見て、私は夢を追いかけるために、素晴らしいデザインをていきたい。

途上国のイメージを覆すブランド、それは、やればできるんだよっていうメッセージを関わる全ての人に発信することと同じ。
使ってくださるみなさんにとっても、やればできるって信じられるプロダクトを届けたい。

私にとってそれは、よりよい社会への歩みと同じ。
そして、それは、愛のある資本主義と同じ。

そんな大きなことを頭で考えながら、手はなるべく小さく細かい部分まで繊細に動いていきたい。

心配や不安をかけてしまったスタッフのみんな、ブログやインスタを見てくれている本当にたくさんのみなさん、本当にごめんなさい、そしていつもいっつも心が温かくなる応援の言葉を本当にありがとうございました。

みなさんのおかげで、総勢700名弱のチームマザーハウス が、今年も健康で、安全で、元気に、夢に向かい、様々な挑戦をしてきました。

みんなを代表して、そして会社を離れて個人山口絵理子としても、
感謝の気持ちと愛を。

本当にありがとうございました。そして来年もよろしくお願いいたします。

追伸:最後の写真は今年一番大変だったと共に、成長できたときの写真。
毎朝欠かさず朝5時に散歩していたパリ、モンマルトルの丘からの景色。

守りたいものが大きく重くなろうとも、最初の一歩を踏み出す勇気を今年ももてたこと、
みなさまのおかげです。

そしていつかこの朝日が、悔し涙と共にではなく、純粋に「きれいだな」って思えるように。

パリ

山口絵理子

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