山口絵理子 Eriko Yamaguchi

株式会社マザーハウスCEO兼デザイナー / ERIKO YAMAGUCHIデザイナー …

山口絵理子 Eriko Yamaguchi

株式会社マザーハウスCEO兼デザイナー / ERIKO YAMAGUCHIデザイナー / insta: erikoyamaguchi_official

マガジン

  • 米国挑戦日記

    山口絵理子の米国を舞台とする新たな挑戦を綴ったストーリー。 日本から世界へと一歩を踏み出して体験したリアルをお伝えします。

  • My Little Essay

    ファッションやデザインについて、山口絵理子が日々想うことを綴るショートエッセイ。 ファッションアイテムを通じて年齢・性別・国籍などの差異を越えた世界観を表現する「ERIKO YAMAGUCHI」(2022年9月リリース)にまつわるストーリーもお届けします。

最近の記事

出版に向けてのネクストステップ

野球界と同じで、本の産業にも、有名な代理人が何人かいるらしい。 当然Yさん自身は、代理人ではなく、過去の本のプロジェクトにおいては代理人と一緒にチームを組んで、協働してきた経験があると教えてくれた。 私は過去に、講談社さんで4冊と、他の出版社から1冊出版をしているが、日本での出版実績が非常に大きな説得材料になるようだ。 「でも、印象として日本の人が読む本とアメリカで読まれる本って相当違うと思うんですが、それでも日本の部数が何より大事ということになるんですか?」 「そうで

    • 18周年を迎えるにあたって。

      ついに会社が18周年になりました。 最近、業務の中でお客様のリストを見返していた時に、起業した2006年からずっと変わらず応援してくださっているみなさんの名前がたくさんあって、お一人お一人とお店で最初に出会ったときの思い出や、ある時は会社に対するご指摘を頂いた思い出、本当にたくさんの歴史を一緒に歩いたことが頭をめぐり、「18年も一緒に歩いてくれているお客様がいること」に幸せと感動を改めて抱きました。 あと2年で20周年です。 様々なことを整えながらも、挑戦も同時にやって

      • 新しいチャンスとの巡り合い??

        第3回目の記事を覚えているでしょうか? そこに登場したロサンゼルスで会社を経営している関くんと、ある時ZOOM会議をしていた。 関くんとは、短期間なんだけれどなんだかとても気があって、前回の記事にも書いたけれど、彼はマザーハウスにいそうな(失礼ですみません!)雰囲気で、最初から親近感が湧いた。 関くんと、彼の会社のスタッフの皆さんと、米国出張から帰国後も、隔週小売の状況だったり、展示会の機会の話をしていた。 ある時、関くんに「キャシーさんという素敵な方に英語の翻訳作業

        • 一番伝えたいこと。

          最近は海外のお客様が多く、店頭では英語での接客をしてくれていて、シンガポールや台湾の店舗では、欧米のお客様にたくさんの商品を届けてくれている。 その場合、私たちの哲学を伝えるときに、「Creating world-wide brand from developing countries」という言葉を使っていた。 これもプロの方に依頼して起業当初から使用しているのだが、この言葉だけでは伝わりきれないものを肉付けしていきたいとキャシーさんが提案してくれたのだ。 「裸でも生きる」

        出版に向けてのネクストステップ

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        • 米国挑戦日記
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        • My Little Essay
          山口絵理子 Eriko Yamaguchi

        記事

          フラッシュバックする起業当初

          キャシーさんが約1年がかりで翻訳を始めて、中盤に差し掛かってきた頃、予想外の壁にぶち当たった。 ある日、キャシーさんからメールが来たのだ。 「えりこさん、こんにちは。元気ですか?今翻訳を進めています。そこで、いくつか質問があるので答えていただけますか?」 「ああ、事実確認か」と思ったので、1時間以内に返事をした。 「早速ありがとう!」とキャシーさんから返事がきた。 しかし、2日後、再びメールがきた。 今度は、ワードファイルが添付されている。 「少し追加で質問がある

          フラッシュバックする起業当初

          新たな道への一歩

          キャシーさんは、店内で私の著書「裸でも生きる」を手に取りつつ、店内の鞄を見渡しながら語り始めた。 「実は昔、私も国連や国際協力の現場で翻訳をする作業を多く依頼されてきました。なので、そういった意味では、途上国の現場はよく知っています。援助やボランティアの限界を、私はこれまでも痛感していたのです。 非常に、緊張や不安を感じる時もありました。しかし、何がベストなのか、分からなかったんですね。でも、あなたがやっていることは、そこの部分に、一つの解答を出していますよ。おそらく最初

          出会いの瞬間

          "ついにCathyさんに会える!!" 自分から出会いを掴んだものの、いざ、お会いできるとなると、想像しただけでソワソワし、興奮していた。 数日前からなかなか眠れず、旦那に「祈っててよ!!!」とわけのわからないプレッシャーをかけていた。 会える前日、Cathyさん(キャシーさん)からこんな連絡が入った。 「東京駅に16時42分に着きます。調べたら、あなたのお店がある秋葉原までは電車で4分ですね。秋葉原に17時に会いましょう。1時間くらい大丈夫です。」 私は「奇跡だ!」と思

          2023終わりに。

          今年もたくさんのことがあった。 ダラダラとなんの予定調和もなく、思ったことを日記みたいに書き連ねてみた。ほぼ自分の記録用。 今年は海外出張も2ヶ月に一度のペースで戻すことができた。家族にもとても感謝だった。 娘が三歳になったことは、母として本当に嬉しかった。 最高に可愛いのに、最近は、1歳の時の写真ばかり見てしまい、まだ男の子か女の子かわからない中性的でひょうきんな表情にくすくす思い出とともに懐かし笑っている。 三歳になると急激に、成長していっているように思う。急に

          突破口はどこにでもある??

          ある日、代官山蔦屋で遠い未来を考えながら日記を書いていた。 私の日記はランダムで、Wordファイルもきちんと保管されてなくて、「あれこれ」というタイトルの場合が多い。「あれこれ2」「あれこれ7」とかが散乱している状態だ。 でもこの整理されていない感覚が、自分としては心地よい。ゴールに向かうのではなく、ただただ浮かんできた発想を書けることがストレス発散になっているので、きちんと記録しておきたいわけじゃない。 その「あれこれ10」を書いていたとき、ふと思った。 「私がやりた

          突破口はどこにでもある??

          ビーチにセレブ!ロサンゼルスと鞄。

          そんな漠然とした問題意識を抱えながら、今度はロサンゼルスへ向かった。 そこでは副社長の山﨑の知り合いである「関くん」と合流した。彼は現地法人を作り、15年も物流から日本のブランドの紹介まで現地でやっている。 「滞在期間は少ないけれど、現地の商業施設やセレクトショップなど全体感が知りたいので、2日間案内していただけますか?」という内容の依頼をした。 空港で初対面だった。 「こんにちは!」 関くんは爽やかな雰囲気の方だった。 (私は初対面の人には少し人見知りになるのだが

          ビーチにセレブ!ロサンゼルスと鞄。

          意外な気付きと、世界は繋がっている?

          「NORDSTROMの後は、Bergdorf Goodmanに行きましょう。」 最高ランクの百貨店だ。 ウィンドウも素晴らしかった。 世界観へのお金の掛け方が違うなと思ったし、とても独創的で遊び心がある。 一階に入ると、まずジュエリーがあった。 しかも日本のように1cmくらいのジュエリーではなく、大体30カラット以上で、大きさは5cmくらいはあるんじゃないかと思えるものばかり。 プライスの表示はない。 「美術館みたいだな」と思ったがこれは売り場だ。 奥に進むと、バッ

          意外な気付きと、世界は繋がっている?

          久しぶりの米国出張で食らったパンチ

          どうなるかわからないけど、こんなnoteコラムをスタートした。 なぜなら「なんだか人生で貴重な経験を今している!」と感じていて、単純にそれを自分だけじゃなく、スタッフや、大好きなお客さんたちとも共有したいからです。 さて、5ヶ月前、私は10年ぶりくらいにアメリカに行った。 ニューヨークとロサンゼルスだ。 ロサンゼルスは初めてになる。 「途上国から世界に通用する」という言葉をこの17年間で何万回発したかわからない。 「世界に」という意味を私は「東京・ニューヨーク・パリ」

          久しぶりの米国出張で食らったパンチ

          「Inspired by MONET」色彩の重なりをレザーへ。

          「山口さん、モネ好きだよね?」 副社長の山崎からそう聞かれたのは1年くらい前。 「え?睡蓮の。大好きだよ。パリでも何回も見てたよ。」 「コラボの話があるんだけど。」 「え?なに?モネと?」 「モネが上野の美術館にくるらしくて、主催者がマザーハウスにグッズを一緒に作ってもらえないかって依頼が来たんだ。」 「えええ!!!!Inspired by MONET?!!! 絶対やりたい!!」 後からB-Bを担当するスタッフに聞いたのは、私たちがずっと販売してきたグラデーション

          「Inspired by MONET」色彩の重なりをレザーへ。

          スリランカで新しい挑戦がはじまりました。

          スリランカでの活動が始まったのは2016年。お客さんの一人が 「スリランカってすっごく綺麗な石が採れるんですよ」 って教えてもらったんです。   それを聞いて私はすぐに「へえ、行ってみたいなあ」と思い、実行!   コロンボで一週間くらい手仕事の産業を見て周りましたが、やっぱり採掘場から採れるカラフルな石と、それを加工する技術を持った職人さんたちの可能性に最も惹かれ、今では工房を持ちながら職人さんとブライダルリングをはじめ、たくさんのファッションジュエリーを生産しています。

          スリランカで新しい挑戦がはじまりました。

          「ファッションショー」を終えて。

          倒れるように寝て、朝娘の声で目覚めた時、なんだか全部が夢だったんじゃないかって思った。 昨日は自分のブランドの秋冬のファッションショーをした。 東京国際フォーラムで、朝から夕方まで合計260名のお客様が来てくださり、ショーを楽しんでくれ、実際にお洋服もたくさん予約を頂けた、夢のような一日だった。 「デザイナーです」と自己紹介をするのだが、私は今でも、その言葉にフィット感がない。それはショーに出てくるお洋服たちに使われている「糸」から、最後のお洋服が作られるまでを、全て「

          「ファッションショー」を終えて。

          ソーシャルアクション!子どもたちとSOZOWする。

          昨日、小・中学生が全国から参加できるオンライン授業「SOZOW FES」に参加しました。このイベントにマザーハウスとして協賛して、企画から授業まで「SOZOW」の素敵なスタッフのみなさんと準備してきました。 「せっかくだから、バングラデシュと中継したいね」 「モノづくりのおもしろさが少しでも伝わるようにパターン(型紙)を準備しよう」 などなど、アイディアはたくさん。 いざ本番の昨日。司会のリッキーさん(赤いTシャツの方)がマザーハウスの商品と出会って、カッコよく変身すると

          ソーシャルアクション!子どもたちとSOZOWする。