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山口絵理子の日々思うこと。

今年も一年本当にお疲れ様でした!

みなさんにとってどんな一年でしたか?

私は、今年は4年ぶりに忘年会にも参加できて、日本のみんなの成長を感じたことが本当に嬉しかったです。

私にとって2018年は、たったの一年だったの?と思うくらい、内容が濃く、密で、3年分くらい過ごした感じがします。

なんか、ちょっと面白い感想なんですが、自分がここ数年で一番、成長できた気がする年でした。

でもそれは裏を返すと不安や苦しさと悔しさと恐怖の数に一番多く立ち向かったなあと思える一年だったからです。

その内容は、最も滞在した国、インドのおかげです。
コルカタで現地法人を立ち上げ、工場をみんなで20人を超える規模にして先月は増床移転ができました。
そこではじめてのお洋服作りに挑戦し、作ったものを届けるために、新しい世界観をお店として作り上ることにも挑戦しました。

やっている最中は、無我夢中だったけれど、振り返れば、
『ものも、工場も、お店も作ったなあ〜』って笑。

その過程で学んだことは、数え切れない。

人生勉強とはこういうことか、と思います。

そして、私は13年同じ職場にいながら(創業だから当たり前か!)最大の成長ができたなあって感じられることが一番嬉しいんですね。
人って、まあなんとなく慣れてきたな、と思ったら成長カーブってゆるくなるのが当たり前かなと思うんですが。

今年はゆるくなってきたところにボコッと非線形な山ができた感じがある。

はじめての合弁会社、ドキドキハラハラした交渉、不安になりながらも楽しく後藤さんと作り始めたお洋服、日増しにかわいい笑顔を
増やすコルカタ工場のみんな、そのどれもが、人生において本当にかけがえのない思い出になりました。

そして自分という人間を作り上げる血となり肉となり、栄養素になっている感じがある。
人生アルバムを作るならば2018年の一年はきっと何枚も候補があるなあって思える笑。

(地球上でこんな場所でこんな人たちと、一緒のゴールに立ち向かうなんて誰が想像できた?)って何回もコルカタで思いました。

「出会えた奇跡に感謝するほど、降ってきた挑戦の星は見過ごさないでしっかりと受け止めたい。」

数ヶ月前のコルカタで、お洋服に本腰を入れるときに書いた日記の一文です。

輝けるかどうかはわからないけれど、誰もが挑戦権をもっているわけじゃない。

そんな気持ちで、純粋に、純粋に、「自分が好きなものを作ろう」に向かいあいました。

化学繊維がほとんどの中で、天然繊維のもつ優しさや温もり、表情を選び、すごく細かいけれど、この糸の太さなんかいいな、
この色いいな、この丈は私らしいな、その繰り返しの中で少しずつ見えてくる世界観。

今は、そのまっただ中にいて、ワクワクが不安の何倍もある。

人は色々なことを言うし、実は9月にアパレル業界の恩師に「アパレルだけはやるな」と言われました。

勝つか負けるか?悲惨なデザイナーの終末?在庫?効率?時代?価格?

様々な言葉をその時浴びた。

でも、告白するとあんまり耳に入らなかった。
私には確固とした作る意味があるんですって、話した。

バングラデシュのビルの崩壊事件。
うちの工場のすぐ近く。1000人縫い子さんが働いていたビルが突然崩れ去った。
低価格のTシャツなどを生産していた。
お客様が喜ぶ価格は、工場にとって危険を強いる価格でもあることを、私は誰よりも見てきた。

ギャップ、ナイキ、様々なSPAが低価格品を求めてくる国で、私は生きてきた。「ただ、アパレルは・・・」と自分の中では
革製品に夢中になりながら少し距離を置いた目をしていたのは確かだった。
でも今、「このままでいいわけがないこと」に、13年目で立ち向かえることに、私は清々しさみたいなものを感じている。

誰もが見たくない現実が世界にはゴロゴロしている。

楽しいお買い物のテンションをぶち壊すリアルが途上国にはウジャウジャある。

本当に現場にいたら、問題は縮小するどころか、大きくなっていることを感じる。

見たくない不都合な現実は、現場が好きな私の生活には広がっている。

そんな中、私は自分の生き様として決めていることがある。

見ないで楽しいふりをするのではなく、ちゃんと見て、向かい合って、それでも楽しさを諦めない、そんな人間でありたいと。

「リアル」をとことん直視しながら、無痛になるのではなく痛みや苦しさを感じる心を持ち続けながら、それでも最後は、
心を動かす感動を生むファッションを作りあげるため手を動かし続けたいと。

手を動かし続けながら笑顔の連鎖をあきらめない自分でいたいって。

どんな国でもその連鎖の始点になるんだって、いつも思ってきたから辛くてもKeep smilingだった。

最後に、今こんな気持ちになれるのは、こんな私と話し、手を取り合って目標に向かってくれる
全てのマザーハウスのみんなのおかげです。

本当に今年も私が見えていないほとんどの場面で、数々の試行錯誤に知識の蓄積に現場での奮闘、本当にありがとう。

そして、マザーハウスの商品を好きでいてくれるみなさん、

本当に、今年も存分に、夢に向かって挑戦させていただき、ありがとうございました。

そんな舞台、気概、勇気を、ありがとうございました。

それらを返せる来年に、KEEP WALKING。

山口絵理子より

ジョグジャカルタ、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、インド各国のスーパースターたちと❤️
ここに仲間が増やせる来年にするぞ!
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