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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

ニット。

2018.12.07

カトマンズ出張中です。

立て続けに毎月きている。

その理由はもちろん、ファブリックマザーハウスのニット製品。

ここネパールで、服作りが再びはじまるなんて、予想していなかったんだけれど、
なんだかニットの糸についても理解が深まるにつれ、
課題が大きく見えてきて、本当に変数が多くなり、頭が混乱してしまう。

昨日は、ラムという一緒に作ってくれているニット工房のリーダーさんに
苛立ってしまった。

ファイナルサンプルだって言っているのに、スペックシートと全然異なる
寸法であがってくる製品たち。

それを提出しながら手にはしっかりスペックシートを持っているんだから。

「測ってから出したらどうなの。」

という言葉からはじまり、「本当にエンドレス。こんな基本もできないなんて
信じられない。」という言葉が続き、
もう優しいラムさんの顔がどんどん曇る。

私は苛立った自分に、苛立って。

そしてそんな気持ちで製品作りをしてはいけないって反省した。

心地よいプロダクトを生み出すのは苦しみももちろんあるけれど、
作り手とこんなやりとりを通じてしか、アウトプットを高められないなんて
最低だなと思った。

ニットについては、本当に奥が深い。

アパレルは、布帛かニットか、という二大柱で全く異なる人たちが
働いている。

布帛はカディや麻。布系ならば、ジュートからはじまって、とても
理解しやすいものがあるし、親しみがある。

けれど、ニットは、ゲージと編み方。

糸の番手の数え方も違えば、立体を構築するのも試行錯誤というよりかは
一着作って見てわかることの方がおおい。

(また高価なカシミアを無駄にしてしまった・・・・涙)

自分の作り方が、どうしても手を動かしたらコネコネ正解を出すために、
ニット製品についてはそれが通用しない、とはっきりと理解できた。

理解してからは、全然左脳的につくりはじめた。

右脳の感性よりも、左脳で糸の番手と本数を掛け算して、適したゲージを
だしていき、そこに対してサイジングをする、という方程式を
解いていく。

一度はじめるとだんだんと感覚がつかめてくるのもようやく、今、味わうことができている。

それにしても、これだけプロダクト横断を一人のデザイナーがやることの
限界を毎朝考えてしまう。

もう無理だ。もう混乱。

でも、現場にいるのは自分だけ。

構造的に、限界だって思えてしまう時が本当に多いけれど、
一方で、2%くらいは、何かが掴めそうな感覚もあるのが不思議。

素材を扱い、形をつくる。

本質的に共通性があるかもしれないなって最近変な境地にいきつつあるのだった。

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