MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

5カ国の職人 in サンクスイベントを終えて。

2018.09.25

東京・大阪でのマザーハウス サンクスイベントが終わりました。

ご来場いただきました、たーくさんの皆さん、本当にありがとうございました。

職人みんなにとって、忘れられない人生の思い出になりました。

23日の大阪でのクロージングパーティーがイベント最後のコンテンツだったのですが、その後の社内振り返りの中で「一言感想ある?」とみんなに聞くと、職人ほとんどが号泣するという最後の最後のサプライズが・・・・。

中でもバングラデシュのジョシムは、大阪の第一部イベントからいきなり泣き、最後のスピーチでも泣き、クロージングの後も泣き、本当に困った。

もう26歳なのに、泣きすぎだよ、と私がヒソヒソ怒っていると(私が26歳の時も号泣しまくりだったので人のこと言えない!)
ジョシムが言った。
「マダム・・・・。僕は幸せものなんだよう。」

「あはは。わかったよ。」

「マダム・・・。今まで、生きてきてね、信じられないんだ、今も。日本にいて、僕がお客さんと話してて、今日も月灯りのバッグをみんなの前で作ったんだよ。」

「うん、そうだねえ。あははは。」

ジョシムは、ドバーーってまとまっていない気持ちをノンストップで、ひくひく泣きながら私に浴びせていた(笑)。

イベントの中で、ジョシムが記憶に残っているエピソードとして、こんなことを話してくれた。

「入社1ヶ月後、まだ仕事も慣れないで一番僕が年下で友達もいなくて不安だった時、マダムが日本からバングラにやってきた日があった。その時マダムは僕の名前を呼んで、ハグしてくれた。バングラデシュでボスと僕たちワーカーは、話すことさえも信じられないのに、この会社を作った人がそうしてくれたことが、本当に驚きだったし、喜びだった。それ以来ずっとその時の気持ちを胸に8年間やってきた。」

私、イベントでこの企画がなければ、こんなエピソード思い出すことはなかった。でも、鮮明に彼が入社した時のこと覚えている。
キラキラの目で、でもオドオドしていて(笑)、でも、最高の可能性を秘めている気がした。

あれ以来、工場に難儀な新作が入るたびに、「ここは勝負所だ。」と思った時は、生産フロアからジョシムを呼び出した。
「今回の最終縫製は、全数ジョシムが見てほしい。」とか
「次のシーズン、ジョシムのテーブルに生産を任せたい。」とか振り返ると年配の職人ではなく、若手の彼に、私が頼る場面は本当に多かった。

その時々で、私はぶっちゃけ、彼に任せて「失敗してもいい」と思っていた。
彼に任せてできなくても、なんだかうまく言えないが、次の出荷で彼は取り返すだろうと思えていたことが多くあった。

「ジョシム、なんで私たちがジョシムを今回呼んだかわかる?」
ジョシムは、真っ赤な目でブンブンって首を振った。

230人の工場の年功序列的には、正直、もっと先に日本に招待すべきスタッフがいた。私は、たとえ、一部のスタッフから「ひいき」だと捉えられようと、彼がいいんじゃないか、とマムンさんに伝えた。

「ジョシムはね、もっともーーっと上に行けるんだよ。自分を職人の1人だと思っているなら、その考えは今日で終わりにして。モルシェドとタッグを組んで、最高の工場を作り上げなさい。2人なら、モルシェドが1人でできなかったことも、絶対にできる。」

モルシェドとは、私の最高のサンプルパートナーでこれまで1000個以上のデザインを作ってきた。

2人の目には共通の輝きがあり、2人には共通の特別な人間としての資質がある。

「わかった。」

ジョシムとの会話を終えて、振り返ると、田口とネパールのシブが号泣していた。

強面のシブが顔を抑えているから、もう笑ってしまった!

「どうしたシブ!!!」

「えりこさん!I love motherhouse」と繰り返していた。

シブは、イベント中もなんどもなんども、マザーハウス ありがとうって言っていた。

「シブの努力でここに来たんじゃないか。8年間、一緒にストール作ってきた結果の一つが、今日なんだよ。」と言うとシブはなんだか的確に
「こうした会社の考えがなければ、生産は生産で終わっている。」と言った。

「確かに・・・。そうか。(やたら納得した)とにかく、母国に帰ってみんなに伝えてね。」

シブが泣き終わると、今度はジョグジャカルタのヤントが泣いていた。
(ヤントさんって、泣くんだ・・・・)

めちゃ驚いた。あんなに平穏な村の人が、泣くって、息子が韓国に出稼ぎ行く時も平然としていたのに・・・・笑。私は衝撃だった。

彼は目を抑えながらみんなに感想として言った。

「自分の家族以外で、こんなに家族を感じられるなんて、思ってもみなかった。」

日本のお客さん、日本のスタッフのみんな、彼にこんな素晴らしい感想を抱かせてくれて、本当に本当にありがとうございます。

私たちが12年やってきたことは、まだまだ規模も小さく、泥臭いミクロなことばかりで、「社会の変化」とか大きな話は全くできないし、できそうもない。

でも、目の前の1人の職人にとって、彼らの人生のかけがえのない「原体験」になるであろう1ピースをブランドを作りながら、みんなで作っている感覚が確かにある。

彼らの感動の涙が、ぐるぐるぐるって、らせん状に工場に広がり、国に広がり、アジアのものづくり全体に広がることが、何十年も経った後で、あるかもしれない。

そう信じられることに、最高のやりがいと、達成感を感じたサンクスイベントでした。

本当の意味で、それを可能にしてくれた、マザーハウス のチームみんな、
全てのマザーハウス プロダクトを愛してくれているお客様に、最高の感謝の気持ちをここに。

最後に、全てのイベントが終わってほっとしているときに、5カ国のみんなが、円陣を組み始めて
「MOTHERHOUSE!」となぜか叫びはじめた一瞬。

team enjin

大笑いしながら、大泣きしました!!!!

I love you all!!! 一緒に頑張ろうね!!

追伸:バングラデシュ、コルカタに行って来ます!
これだけお客さんからパワーもらったんだから、春の新作は相当頑張ってもらわにゃ困るぜ( ̄ー ̄)

バングラのジョシム。
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ネパールのシブ(左)とコルカタのスヤシ(右)
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ジョグジャカルタのヤント
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スリランカのカスン
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バングラ工場長のマムンと、コルカタの素材パートナーのアシシュさん。
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アシシュさんとマムンさんには、私の工場でも無茶振りを暴露され、本当に
嫌な汗ばっかりでした・・・。
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普段経理財務を担当している王くんはクロージングパーティー司会。普段とのギャップに爆笑してしまった。
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本当に、本当に、ありがとうございました!!!!!!

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