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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

カディとカゲシュ。

2018.09.01

コルカタにいる。

ここではシャツを作っている。

工房のみんなは、日に日にチャーミングになっていっていると私は思う。

冗談や、世間話も多く、駐在している後藤さんが
「仕事は?」とどなる場面も(笑)。

しぶしぶミシンに帰る後ろ姿もなんだか愛嬌があったりするみんな。

なんだろう、この変化は。

当然、今日の朝会でも品質の議論が長くて、
全然安定感はまだないんだけれど、
ずっと前なら、きっとみんな沈黙で、リーダーの言葉だけを聞いていたと思う。

だけど、今は、1人が意見をいい、1人が反論して、今度は後ろから
誰かが「そんな議論は意味がないんだ!」と今日は言っていたりして、
もうみんな言いたい放題になっていた。それってある意味で素晴らしく
風通しのよい組織の証拠ではないだろうか。

トップリーダーのたぐっちゃん(田口)が「で、結論は?」と言って
上手に仕切ってくれたりした。

そんな風景が、頼もしくって、愛らしくって。

本当にマトリゴールの小さい時の感じがした。

マトリゴールもまだ15人くらいの時、なんのまとまりもなく、
モインさんが、「ターゲットはこれだ!」とガツンと言い放っていた。

コルカタは、コルカタらしく、みんなが成長している。

そして、そんな中にいて、私も成長したいなって思うのだ。

今回の出張では、ちょっとチャレンジングなものづくりをしている。

ここに来る前まで、それが正しいのかもよくわからず、
でも、考えて考えて、たぐっちゃんや山崎とも何度も議論して、
たどり着いた一つの選択肢を私なりに試そうと思っていて。

自分じゃ、不安だし頭に「??」マークばかりで
何がなんだかわからないまま、コルカタに突入していったような感じ(笑)
なんだけれど、なんども「無理だ」と言う私に
山崎がしきりに「とにかくやってみろ!」と言うので、
わたしは、生地さんとお話をはじめている。

素材には、素材の性格が本当にある。

革もソフトナッパの言い分とアンティークレザーの言い分は全く違う。
だから共存なんてさせない。

石にも、貴石と半貴石では全く違う頑張り方が必要。

そして、カディには、カディの主張がしっかりとある。

それは、ぱっと見は、とても優しくて人懐っこいのに、
加工されようとすると、「いやなんですけど。」って一気に冷静に
言われてしまうような、ツンデレではなく、デレツンな人なのだ。

(二重人格やないか〜)と心で思いながら、
それでもカディをわかりたくて、仕方がなくて、手が勝手に動く。

人間と同じで、分かりやすいものにはそこまで惹かれないのかもしれない。

こう思ったのに、そうきたか、って、ギャップとはまた違うんだけれど、
うーん、なんていうか、勘違いしてごめんね、みたいに思う。

素材と向き合った「時間」というのは絶対に裏切らない。

私はそれは確信している。

だから、夜、いつも思う。明日はもっとカディのことがわかりますようにって。

それをゴールにしたら、できない不安も失敗作も、楽しさに変わるから。

それとグッドニュース。

デリーからコルカタにやってきて、私たちの工房と出会った
カゲシュというサンプル職人がいる。
サンプルマスターとまではまだ言えないけれど、一発一発のものづくりには
リズムやセンスがよい人。

まるでノーマークで、存在感がなかったのに(私には)、
後藤さんがカゲシュにお願いするので私もそうしていたら、
なんだか、ひょっとするかもしれない人材な気がしてきている今日。

さっきサンプルをあげてきて、一瞬でだめだとわかって、
「これ縫製外して」と言ったら、「うん、そう思う」って言ったのだ。
「うそ?」と思った。君も同じことを思っていたなんて、結構すごくなあい?

そして10秒くらいで縫製をほどいた彼。

この感覚、ありそうでない。明日休日出勤を依頼したカゲシュ。
「なぜ俺だけが?」って顔をしていたそうだが、それは、可能性の証なり❤️

写真がカゲシュと私、縫製ほどいてまーす!
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追伸:いつも登場するたぐっちゃんこと田口のマザーハウスカレッジが開催されます。

コルカタでは私の上司ですから(笑)、彼女の口から何が発信されるのか、是非聞きにきてくださいね。

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