MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

今日のニュース、本当に悲しい。

『スウェーデンのアパレル小売り大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)<HMb.ST>と
同業の米ギャップ<GPS.N>は5日、自社製品を製造するアジアの労働者が日常的に
性的虐待やセクハラ、暴力の被害に遭っているとの人権団体の報告書を受け、実態調査を行うと表明した。

労働組合や企業、慈善団体で構成するエシカル・トレーディング・イニシアチブ(ETI)は、
両社に製品を供給するバングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、スリランカの工場で
数年間、約550人を調査。

女性労働者に対する暴力やセクハラが蔓延しており、上司からの性的誘惑を拒否すると
報復を受ける恐れもあるといった実態を報告している。

H&Mは「当社は報告を詳細に点検し、生産国のチームと協力して工場の現場で対応する。
いかなる形の虐待や嫌がらせもH&Mの信条に反している」との声明を出した。』

怒りを通り越して、もう感情コントロールするのが難しいくらいだった。

「いかなる虐待も信条に反している」と言葉でいうのは簡単だけれど、
モノを単純に依頼するバイヤーとしてのビジネスを継続する限り、
根本的に解決に向けて取り組むことは不可能だし、裏側で何が行われようと
正直、彼らは責任を取れない。

私は起業当初、こうした風景を目の当たりにして、
表と裏どちらから見ても、モノの見え方が同じものを作りたいと思った。

事実、最初はじめた頃はこういう労働問題、隠された事件が山ほどあるのを
見ていた。
だからこそ、自分が毎日生産委託工場に行かなければならないって思ってた。

でも、それだって帰国時に何が行われているかまで、責任をもつことは難しい。

再度バングラデシュに行ったら、なぜかやめていた人がいるとか、
急にスタッフの半分以上が入れ替わるとかも日常茶飯事だった。

モノを作る前に、環境を作らないと。だから自社工場を作った。

背景と過程が汚いものを、お客様に見える部分だけ美しく整えるやり方は、
ある意味、だましていることと同義ではないか、と
24歳だった私は強く強く怒りを覚えてマザーハウスを起業したのだが、
今日このニュースを見て、久しぶりに同じ強度の怒りがこみ上げてきて、
本当にやるせない。気持ち悪い。美しさってなんなの。

悔しいな。

何もマクロで働きかけられなくて。

でも目の前のこと、がんばるしかない。

一生懸命、きれいなもの、きれいな場所で作ります。

山口絵理子

メッセージを送る