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山口絵理子の日々思うこと。

サンプル・鬼キャラ・仲間etc

2018.05.23

昨日はとてもいい一日だった。

なぜなら、秋冬のコンセプトラインがついに出来上がり、
自分の中では「やりきったなあ」っていう気持ちを
持つことができたから。

コルカタやインドネシアの動きもあったので、あまり
ブログでは触れていなかったけれど、実は今回も長い
長い道のりがあった。

素材から、新しいものを開発していた。

その素材を開発しながら形を作っていたから、
実は素材開発の一進一退が、当初考えていたフォルムを
変更せざるをえないという状況に何度もあい、
そのプロセスがとても苦しいというか、もどかしかった。

私の中では、きれいなものって、素材と形は仲良く手を結ぶことが絶対的な
条件だった。

そのためには、どちらも歩みより、引き立て合う関係性を
模索することが開発の要となる。

バングラデシュでは、革職人のチャンと、サンプル職人のモルシェドの両方が
今期のベストをハイタッチで喜ぶ状態が、ゴールとなる。

ただ、チャンへのリクエストは難題だった。
何度も仕上げてくれたが、満足いかなかった。
これが限界か、と思いながら素材を「補う」ように作るフォルムが、
美しいわけがない。

「そもそも素材を変えたほうがいいのではないか・・・・。」

そんな風に思ってしまっていた前回の出張時。ただ最終日の前の日に
ようやく、いい素材をチャンがあげてきたのだった。

それを見た時に、「あ、これなら、別に正解はある。」と思った。
その素材を見た時に、それまでの何十個の形を「没サンプル」の段ボールに
入れる潔い意思決定をした。

今回の出張、理想とする素材を手にしたとき私の中ではゴールまでの
道のりが明確に見えた。

できあがり、昨日、段ボールの上で、色別にファイナルサンプルを
並べてみたとき、モルシェドと2人で
「やったなあ・・・。」「うん・・・・。」と
言葉少なく、私たちは疲労と達成感を味わっていた。

もう1つの段ボールには、これまでの試行錯誤のバッグが
つまっていた。どれも似ているようで似ていないバッグだ。

「サンプルだけでこれだけの革を使ってしまったなあ。」

それらを眺めていた時に、自分は遠回りしているのかなあと
思ったが、それらは、選択肢を全て検証してみた結果だった。

マチの構造、縦横比や機能面、ありとあらゆる角度からの
検証は、何にも代え難い開発プロセスの試行錯誤だった。

バングラに来てくれていた山崎と矢野にバッグを見せると
2人ともとても喜んでくれて「ありがとうございます。」と
しみじみと言われた。

肩の荷がおりるとは、まさにこの瞬間のことを言うんだなと感じた。

もう10年以上バッグを作っているのに、スムーズな道のりなんて
ただの1度もない。

やればやるほど、もっと美しいものを作りたいという尽きない欲求が
湧いてきて、できない自分に悔しさを抱き、でもだから手を動かすしかない。

「正解」が見えない道のりで何がだめで、何がいいか、を判断するのは
難しい。途中の段階のものを「これでいきます。」と言ってしまえば
プロセスはそれで終了だった。

でも、その判断には、他人には感じない鈍痛が永遠と心に響くことになる。

(本当は、もっとできたんじゃないか・・・。)

私は、過去、そうした判断を下し、売れても売れなくても、その鈍痛と
付き合ってきた経験がある。
(どうして、やりきらなかったんだよ。)

誰しも、そんな経験があると思う。

自分にしか分からない、後悔の鈍痛。

この苦しみだけは、人生で一番感じたくないものだった。
大きく言うと、人生の意思決定でも、この鈍痛だけは絶対に避けたいと
思っている。

自分で言うのはなんだけれど、私は人よりきっと、
この痛みを感じやすいのだと思う。

紛らわせる、忘れる、再解釈をする、そうした「大人の手法」は私には
なんだか全く効果がないのだ。

むしろ
(都合よく解釈するんじゃねーよ。)という直球ストレートをかませる
怒り山口が登場してしまい、それはそれは鬼キャラなのだ。

人様はそれを「自分に厳しいですね」とサラリと言ってくれたりするが、
そんなもんじゃない。鬼キャラに遭遇するのだけはなんとしても避けたい。

(せめて、やりきったと思えるものを世の中に出したい。)

言ってみたら、ただの自己満足かもしれない。

でも自己満足もできないもので
他人様を満足させるなんて、甘い考えだけは持つまいと思っている。

とは言っても、私も弱く流されてしまいたいなーって思う時もめちゃくちゃ
あるわけです。

そんな時、海の向こう側に同じ類の仲間たちがいることは、本当に大きい。

マザーハウスのスタッフのみんなも、
私は思うんだけれど、「大人の手法」があまり通じない不器用で真っすぐな大人たちだ。

出張中に何度か見直した、あるスタッフと、とある案件についてメールのやりとりをしていて
もらった文面がある。

「これまでと変わらず職人に最も近いところで、
新しい世界との出会いを作り出してください。
私はそれをより多くの人に届けられるように頑張ります!」

彼らもきっと自分の中の鬼キャラと戦っているって思う。

彼らは自分だけではごまかしてしまいたくなる時、
性根の不器用な自分に戻してくれる存在であり、おそらくそれが
本当の仲間なんだと私は思う。

サンプルからはじまって、人生論へ、そして仲間たちに思うこと、
まとまりきらないけど、とりあえず今から空港に行くからアップしちゃえ!

いざ、ネパールへ。バッグからストールに脳みそチェーンジ!

追伸:5/21副社長山崎の誕生日の記念撮影会@工場from インスタでーす。
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