MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

Business x Creation

2017.10.31

「もう着いたの??」

今朝車中で爆睡していて、ムンナに起こされた。

「疲れてますねえ、マダム。」

「うんうん、そんなことないと思うよ。」

私は新作に捕われ、抜け出せないでいる。

毎日毎日、今日こそはって思って
新しい構造にトライするのに問題解決から遠のくばかりか、
新規に作った革がどんどんと消費され
創造力も縮こまっていく。

(イメージはこんななんだ。)

近づきたい自然の美しさが今期もすごい迫力で
鮮明に頭に広がるのに、
現実的なハサミをもった手は本当に遠いところにいる。

「あーあ。。本当に悔しい。なんでできないんだ。」

涙目になりながら作ってた。

モルシェドが作った、一見とても崇高なバッグがあがってきたが、
言葉発せず、裏地をやぶってひっくりかえして
解体作業。

「いいじゃない、もうこれはほぼ完成じゃないか」

そんな言葉を既に聞いたけど、私はやっぱりそうは思わなかった。

表現したいものは違うレベルにあることは、
作っている本人しか分からない。

油断したら、「ああ、いいのかなあ。じゃあ変えないで、Ok」なんて
すぐに言える。

私には良くも悪くも、上司がいないから
自分が自分を許したらThe end。

それが全社の方向性になってしまう。

私だって自分を許したくなるけれど、
自己批判性が異常なほど必要な立場であることは
多分、言葉で表現するのは難しい。

だからいつも私は心の声と対話する。

昨晩も「もういいかなあ・・・。もがいたし・・・。」と思っていたら、
心の声が聞こえた。

『妥協してんじゃねーよ。』

「はい・・・。」

ガツンとやられた。

そんな苦しい私に、今日は救いの神様が意外な方向から出現した。

昼過ぎ、先月発表した臨時ボーナスが支払われたのだった。

マトリみんなが、最高に至福の顔で給与表みたいなものをながめている。

私はそんなこと関係ないから、せっせと四苦八苦していた。

そしたらフロアのエルシャドがなぜかサンプルルームにやってきて

「マダム、これ縫おうか?」と言ってきた。

「? ああ、頼むよ。」

(毎回私がフロアに行って依頼していて、いっつも
「また修正かよ」という顔をされるのだが。)

続いて、SVのミトゥがやってきた。

「これ手伝うよ。」と。

(複雑なものには手を付けないミトゥがそう言った。)

「あ?サンキュー」

更に毎日ミスをして怒鳴られているホクミアが言った。

「今日は終わるまでやるんだ!」

なんだこのあらかさまな変化は!!!

予想外に、次々とヘルパーが増え、風向きが変わってきた。

(まじか、Take chance だ!!)

私は即座に、試したかった無理難題を
みんなにぶちまける。

「はい、これお願い。」
「はい、あなたはこれだよ。」
「はい、こっちはこの革で。」
「はい、これをひっくりかえしてー。」

絶対無理な構造も、今日の昼過ぎからのみんなは
ニコニコしながらやってのけた。

おそるべし、貨幣の力。

お金があれば、結構な問題が解決するのか・・・・。

稼ごう。

作るために。
sample

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