MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

続ける。

2017.09.04

ナマステ。

今回は長いネパール出張。

昨日はバクタプルという町にある提携工場に行った。

そこはカトマンズでは地震の被害が最も大きく、歴史的な建造物が今なお
修復の見込みがたっていないままでした。

私は地震後ははじめてここに訪れましたが、残っている寺院や壁の細部の木彫りや
石像の彫刻技術に本当に圧倒されました。

temple

確かに修繕は遅れているけれど、急いで作り直すことよりも、
この国のペースとやり方で、マイナスをゼロにゆっくり戻していくのがきっといいんだろうな〜って思った。

それらの芸術とも言える手仕事は、宗教を基点に磨き、伝播されている。

様々な祈りを捧げるお祭りがあるのも、ここネパールで仏陀が過ごしたことが
とても大きな誇りとこの国の原点になっているんだと改めて感じた。

彼らが自分たちをPeaceful Countryというには歴史的な根拠があるんだと。

この国と付き合い始めたときはなんでそんなにお祭りばかりなんだよ!って
すごくイライラしていた。

でも今回は、全ての物事に祈りを捧げ、感謝の気持ちをもって、
日常を平穏な気持ちで過ごすという「美」が他の経済発展に忙しい国には
なかなか見つけられない価値なんだと、とっても遅ればせながら学んだ。

素人の私には、それが現状維持に見えて向上心がないように2009年は映っていた。

でもカントリーマネージャーの田口を通じて、現場でつぶさに出会いを求めていると、
この国に自分たちの技術を高めながらも、自分たちらしい『美』も両立させようと
前進する素晴らしいネパール人のみんながいることを知った。

その代表でもある、サンジェイさんとラムさんという人がいる。

素晴らしいニット製品を生み出しながら、彼らは崇高な目標を掲げ、
この被害が最も大きかったバクタプルで、新しく工場を立ち上げたのだ。

昨日はそのオープニングセレモニーに呼んでもらった。

まだ規模は小さいが12人の被災地の女性を雇用し、6、7台の織り機をセットした段階。
みんながきれいに掃除をしていた。

ここでも仏陀にお祈りを捧げる。

「この土地で、私たちが仕事をする許可をもらう、そんな儀式なんだよ。」と
説明してくれた。
(ちょっと後ろが糸がかかっていて汚いけれど・・・
左がサンジェイさん、右がカントリーマネージャーの田口です。)

puja2
たくさんの食べ物や花が捧げられ、私たちはお香と共にお祈りをした。

お祈りをしている後ろで、織り機のマスターが一生懸命、
機械の調整をしていたのがなんだかとても印象的だったのだ。

macihne
ネパールは色んな意味で、もしかしたらバランスを取ろうとしている国なのかもしれない。

私は帰りがけに、「この工場の成功を本当に祈ってる。そこに対して貢献できたらとも、思っている。」と
サンジェイさんに伝えました。

誰かと仕事をしたいと思う理由は、様々だけれど、私の場合は
この人の成功が、この国のためになると思えることがとても強くある。

往々にして個人の成功は個人の内に終わってしまうことが多い。
けれど、自分や自分の近くを飛び越えて、その外のレイヤーに
プラスの影響をもたらすことができる人は、数が少ないし、なかなか出会うことは
難しい。

「社会的なミッションも同時に達成したいと思っている。」と
強くサンジェイさんは言っていた。

言葉だけじゃないことは、この被災地の中にポツンとある
工場、その投資の規模を考えれば一目瞭然だ。

ネパールのはじっこで、こんなにも何かに向けて立ち上がり、前に進もうと
する人がいることに、本当に勇気と力をもらった。

既に会社として大きな成功を収めているのに、彼の夢は全く別の次元にある。

応援したいな。

心からそう思った。

サンジェイさんだけじゃない。心から尊敬できる人が本当にいるんだって、今回
改めて思う。

それも全てLuckではなく、現場で粘り強く生きてきた田口が築いたものだ。

本当に続けることは、少しずつすべてを可能にする。

私も、仕事をしながらもっと色んな魅力を学びたいって思った。

関連するページや商品

メッセージを送る