MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

コロンボの変化

2017.08.07

ダッカからコロンボに来ている。

ちょうどファクトリービジットという研修で
店長さんたちがスリランカを訪れて帰国した次の日から
私の開発出張がはじまった。

驚いたこと。

工房のみんながほんのちょっとしたことだけど
確実に変化があったということ。

店長さんたちから
「ブランドのこと、お店のこと、お客さんのこと
ずっと深く知る事ができたからだ」と答えてくれた。

それは本当に販売サイドで頑張るみんなが生産現場に
与えた大きな大きな変化だった。

工場で見つけた1つのホワイトボード。
店長さんたちが帰ってから彼らが自主的につけたものだという。

IMG_4590

まだまだ内容はちょっと乏しいけれど(笑)、
でもみんなが書いた姿を想像するだけで、私は涙がでそうになった。

もう1つの変化。

他の国から少し遅れてしまったが、
今日、クリスマス商品を開発していた。

その時に再び私が少し無理なお願いをしたのだけれど

「ここは、このリスクがあるから、このパーツを
こうしたい。」

となんと前もって職人のカスンさんが言いにきてくれた。

これは大きな変化だね、って現地パートナーの大槻さんと
話していた。

言われたことをする、指示通りに作ることが精一杯だった
去年。

そうやりながら、思わぬ大ヒットが生まれてしまい、
お客様を数ヶ月お待たせしてしまった経験があった去年。

そこから得た大きな学び。

「この構造だと生産が大変になる。」
「ここはリスクだ。」

それを事前に回避しようという姿勢。
今はどこで、自分たちが主張すべきか、自分たちが
止めるべきかを前よりぐぐっと強く掴んでいる。

こうなるとデザイナーと職人の喧嘩が始まるんだろうな・・・と
感じたが、それもまた私にとって大きな喜び。

カスンさんは、第二のマムンさんになりそうだなあ・・・。

とは言っても、この国にはこの国のペースがある。

焦らずに進む。でもきっと上を見続ければ、
コロンボのモノ作りは今の10倍、面白くなる。
そのときは、石も技術も私自身ももっともっと学んで
スリランカの土壌の素晴らしさをもっと実感できているはずだなあって
なんだかイメージしながら海を見ていた。

その一歩を踏み出させてくれた、店長さんたち、
その先にいるたくさんのジュエリーマザーハウスの
お客さん、ブライダルをオーダーしてくれたカップルのみなさん、
来てくれたスタッフのみんな、本当にありがとう。

しっかりとバトンを握り、次なるクリエイションにつなげるね。

普通の企業やバイヤーは、時系列で生産工場の
変化が追えないけれど、
こうやって、私たちは同じ場所に停まってコミットしている。
だからバトンが回せ、リレーができる。

その醍醐味とは。

「変化」を目の当たりにできること。

人やモノ作りは短期では本質的な変化は見えない。

だけど一年たったスリランカ工房は去年が何年も前に
思えるほどに、変化した。

そしてその変化は、ちょっとやそっとでは崩れない
耐久性があるものだと感じる。

ブライダルのお客様がオーダーしたときの職人さんは
こうだったけれど、結婚10周年になったら、こんな風に成長していた、
そんな風にお客さんの人生と、職人さんの人生が
国境をまたいで重なりあうことに私は美しさを感じる。

そこに私たちが触媒の役割を果たせ、お店と工房とお客さんの人生と、
螺旋階段のように幸せが昇華できたら。

最終日、初日に面接したスタッフが入ってくれることになって
スリランカ工房は6人体制になった。

IMG_4718

この写真、とても好き。
それぞれの職人さんの背中は、なんて味があるんだろう。
みんなの個性を引き出して、トータルでこの国の可能性を
引き出したジュエリーを、絶対に形にしていく。

関連するページや商品

メッセージを送る