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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

歩み。

2017.04.05

モルシェドが帰った。

最後の最後、彼とお別れするとき、抱き合って、泣いてしまった。

彼は言った。

「プレッシャーを、背負いすぎないで。大丈夫だから。」って。

私はいつも笑顔を心掛けているつもりだった。

モルシェドが疲れているときこそ、元気に型紙を作ろうと思ってた。

でも彼の目から見たら、私はそう見えていなかったんだと
なんだかものすごく恥ずかしくなった。

彼の目はとっても色んなものが見えていて、
それはとても正解だった。

実は数ヶ月前に、これ以上進むことは、
私には無理だって思った瞬間があった。

何もかもを悲観してしまった瞬間があった。

11年続けてきた作る事を、
手放そうと決めかけた瞬間があった。

店舗のみんなはものすごくものすごく
頑張ってくれていて、結果も過去最高に順調で、
作ったモノはお客様の笑顔に届いているのに、
私は正反対の気持ちに沈んでいる日々だった。

理由は色々あるけど、それでも、
私は弱い自分を受け入れて、許して、
自分らしくあることだけでよしとしようと
時間をかけて思った。というか思うようにしている。

何か高い目標を達成しなきゃいけないって
ずっと思ってきたけれど、それができなくても、
自分を否定することはやめようって思った。
例えできなくても、自分は存在していてもいいんじゃないかって
思うようになることは、私にはとても
ハードルの高いことだ。

夢って明確なほどいいのだろうか?

もしかしたら、曖昧な方が幸せだと思う。

生きることに絶対的な正しさなんてないことを
私はこの年になって学んでいる。
そして、強さの真裏に、弱さがあることを
学んでいる。

そんな背景から、歩き始め、今期の開発に挑んだから、
笑顔の裏に崩れそうな自分がいることを
モルシェドは見事に見抜いていたんだなあ。

だから彼の言葉に、涙が出た。

こんな私でも、この社会に、
もしできることがあれば、やっぱり、やっていきたい。

明日からミラノだ。

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