MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

開発。

2017.03.29

バングラの治安が更に悪化していることから、再び出張は延期。

日本のデザインルームがフル稼働。
バングラからトップの職人モルシェドが約2週間きている。

既に折り返し地点。

作っても作っても、何も仕上がらない・・・。

(大丈夫だ。いつもラスト3日で逆転劇だ。)

そう言い聞かせる自分。
構造的に難しすぎるものが多いのか、進まない。
昔ならゴーしていたフォルムもなんとなく今は違う気がする。
昔ならいいアイディアだ!と思ったものも、無駄が多いとか、決定打にかけるとか思う。徐々にハードル高くしているのは自分自身だ。でも仕方ない。自分が嫌なものをどうやって人の前に差し出せるんだろうか。

モルシェドは気合い充分で日本に来た。
でも、日に日にモルシェドのため息が増えている。
昨晩は、作業の末に「これ1つならできるけど、量産は無理だからね。」とボソっと言われた。

「・・・・あとで考える。」と最後の力を振り絞り切り返した。

今日1.5日かけて作った1つのバッグが出来上がった。
怖くてあんまり見たくなかったが、予想通り思うようなものじゃなかった。

「なんだか違う。」と一言いうと、
モルシェドは「糸ほどいて。」と一言。

11年やってきて、鞄を壊すのだけは多分日本で一番早いと思う。

毎シーズン新作を出すってもう10年以上やってきたのに、なぜ全くハードルは低くならないのだろうか。
人には慣れというものがあるはずなのに。
コンセプトが間違ったのだろうか。
引き返したほうがいいのだろうか。
引き返したら時間がない、しかし進んでも多分終わらない。
そんなことをうだうだ考えていると夜20時。

構造は置いておいて、少しだけ気持ちがいいフォルムになった。

「うん。いい感じかもしれない。」

モルシェドは今日はじめて少しだけ笑った気がする。

何かを作るって本当に難しい。けれど、
0がちょっと0.1になった瞬間の喜びとか、
言葉じゃ伝えられない。
売れるなんてことよりも、私たちらしく、世の中にないものを
作っていきたい。

帰国まであと6日。

↓これ、一応ちゃんとしたラインを計算した型紙の原型・・・
モルシェド、笑顔で空港に行こうね。。
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