MOTHERHOUSE

MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

お伝えしたいこと。追記。

2017.02.10

皆様のおかげで、マザーハウスは2017年3月9日で11周年を迎えます。
まだまだ小さな会社ですが10年たった小さな達成感から1年を経て、
また気持ちを新たに踏み出した今年です。

多くの方が商品やブランドを愛してくださっていることで
変わらぬ気持ちで挑戦を続けることができることを改めて感謝しています。
同時に今日、1つ大事な報告をさせて頂きたいことがあります。

マザーハウスにとっての原点の場所であるバングラデシュ。
皆様が使ってくださっているバッグを生産する自社工場マトリゴールがあります。
そこでは190名の職人が働いていますが、みんなにとっての第二の家を運営する工場長であり、
マザーハウスの取締役であったMainul Haque(モインさんという名前で呼んでいます。)が
この度オーストラリアへと移民することになりました。
そして工場長を生産マネージャーであったMamun (マムンさん)へバトンタッチすることとなりました。

度重なる議論を経ての結論です。

背景としましては、昨今のバングラデシュのテロ事件から
モインさんの家族の国外への強い移住希望がありました。
モインさんの家系は親戚もみな、国外での生活をするようになり、
日々の生活に対する不安は増し、子供の通学圏内での治安悪化なども重なりました。

家族を守るという思いと、自分の国に対する誇りや愛情、
そして、何よりもマトリゴールをまるで自分の家のように育ててきた情熱の狭間で、
私たちに共有してくれた気持ちの何百倍も彼は悩んでいたのだと思います。

「自分の言葉でお客様にこの事情を説明したい。」
既に移住は終えているのですが、
オーストラリアから3月に日本へ来ると彼が言いました。

3月は9日が設立記念日であることから毎年周年のトークイベントを行っていますが、
今年はこのような事情から、モインさん、そしてバトンを受けるマムンも一緒に
短い時間ですがこの件について、皆様の前でお話させて頂きたく思っております。

非常に内輪的な話しですし、彼を知らない方も多いと思います。
純粋に商品やお買い物を楽しんでくださっている方が大半の中、
このような形でお知らせすることをとても悩みました。

ただ、例え限られた方の参加であっとしても、
彼の希望通り、周年イベントの場でお話しさせて頂きたいと思います。

それは、モインさんがたくさんのお客様とイベントやツアーを通じて出会い、お話し、
それを力に変えて彼も私たちも一緒に工場を作ってきたからです。

彼の想いを伝えるには非常に短い時間ではありますが、
もしご興味が少しでもあり、
またご都合よろしければ是非会いに来て頂けたらと心から思っております。

イベントの日程・詳細については、後日改めてご案内させていただきます。

もちろんこのセッション以外にも、
未来に向けてのカジュアルなトークをする時間も考えていますので、
お気軽にご参加くださいませ!

最後に、モインさんから皆様へのメッセージを預かっていますので、
こちらの映像をぜひご覧ください。

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何かを続けていく道のりって、当たり前に、
辛い事も、悲しい事も、悔しい事もあるなあ。

モインさんと最後にマトリゴールでさよならした12月21日は、
私にとって、人生で最も「こなければいいのに」って思っていた日だった。

数ヶ月前から覚悟を決めていたとはいえ、一睡もできず、
それでも胸に決めていたことは
「泣かない」ってこと。

(笑顔で送り出すんだ。私が泣いたらだめだ。この工場のために。)

みんなが号泣している中、へっちゃらな顔を一生懸命演技しながら
見え見えだったかもしれないけれど、やり通した。

私は、みんなが抱き合ったりしている様子を少し後ろから見ながら、
モインさんがこの工場内にいる奇跡を思わずにいられなかった。

(生きているからいつだって会えるさ)って自分に何度も言い聞かせているのに
共に過ごした時間は更に輝いていた。

私は、経営者だからとか、そういうことではないけれど、
最前線で、その苦しみに耐えるのは正直辛かった。

10年経たって、最高に厳しい瞬間は、孤独だったりもする。

1人で歯を食いしばらなきゃいけない。

でも同時に、最高の仲間と出会い、夢を共有できたことの
喜びは私の人生を根底から豊かにしてくれた。

まだ35歳(笑)。人生、いいときもあるし、わるいときもある。

これからおそらく訪れる今よりずっと高いハードルも、
少し耐えられる力がついたかしら。

とにかく笑顔を、顔だけじゃなくって心も。でも最悪の時は
顔だけだって十分だと思う。

必ず明るい未来があるし、なきゃ作る。

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