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MOTHERHOUSE MAGAZINE
山口絵理子の日々思うこと。

アンコモン。

2017.02.03

ただ今スリランカのコロンボにいます山口です。

コロンボでのジュエリー作りがはじまって1年。

昨日は、クリスマスを終えて、
どんな商品が人気で、
どんなお客さんが、どんな言葉を言ってくれて、って
本当に詳しい色んなことを共有しました。
meetingsri

ジュエリーチームのみんながお客さんの声を
集めてくれたのでした。

「どの商品が一番売れていると思う?」

そんな質問に、工房の職人さん3人
(カスンさん、ヌワンさん、クマランさん)は即答で
「ダブル」と言いました。

ダブルとは何か。
それは、「Day and Night」という商品の生産現場での呼び名でした。
なんでダブルというかというと、その商品は二つの石が表裏で組合わさって、
二つの色が楽しめることからきています。

当たりです!

「でも、どうしてそれが人気だと思う?」

クマランさんが真剣な表情で答えたのは
「アンコモン(Uncommon:普通ではない)だから。」という返答。
dayand

実はこの商品はこれまでのジュエリーの常識を、まったく無視してしまった
発想と構造から生まれました。

写真ではちょっと伝わりにくいですが、
二つの色の石をはめこんで、横から見える色が左右それぞれ異なっています。

正面から見ると、首を振ったり、動く度に、ネックレスがもつ色が
異なってみえるんです。昼と夜の顔をもつジュエリーというコンセプトで、Day and Nightとしました。

「え、どっちが裏なのさ。なんで石の裏に石を止めるのさ。
やったことないからできるかどうか・・・」みたいな
「?マーク」の連続が開発プロセスでありました。

でもそれが一番お客様に届いたことは、小さな大きな革新です。

「安いものでも、大きなものでもなく、アンコモンなものが届く事を、
これからも大事にしたい。」って私は伝えました。

スリランカでも、急速に手仕事は少なくなってきて、
機械でできることは機械に、より早く、安くという大きな大きな流れの中に
います。

それは誰が悪いわけでもない。バイヤーさんの期待に応えていっている面も
あるし、経済合理性みたいなものに単純に従っているだけなのだと思う。

でも私は思うんですよね。作るって、生きることと同じくらい
本能的な欲望じゃないかなって。手を動かすことって難しいことなしに、
単純に、すっごく幸せなこと。

結構前にカスンさんに聞いた。

「何を作るのが楽しい?」

「難しいものが楽しい。」

そんな魂に共鳴する人も少なくなっているかもしれないけれど、
遠い島国スリランカで日本人である私はこの言葉に心から感動しました。

作っているときは不安もたくさんだったけど、今はなんだか
「待ってるからね」ってお客さんが言ってくれているような気がして、
前より勇気がわいてくるんです!

だから、毎日、アンコモンをみんなと作成中。

手のひらの中の挑戦。
小さな小さな革新だけど、積み重ねたら、
きっと、明るい、楽しい手仕事の未来が開けてくるんじゃないかなって
信じています。

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