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マザーハウスの歩み

マザーハウスの原点はバングラデシュ。そこでぶつかった数々の壁、悔し涙、そして挑戦。
その場で考え、試行錯誤し、挑戦していったその連続の先に今のマザーハウスがあります。
その試行錯誤のリアルをお伝えする本連載、7日間連続でお伝えします。

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第3回 マザーハウスの歩み

第3回 挫折を乗り越えて(全7回<毎日連載>)

2015.11.11

マザーハウスを新たなステージへ

逃げたくなる気持ちを抑え、再び山口は挑戦を始めました。
そのために必要なものは、絶対的に信頼できる生産体制の確立。
それがマザーハウスにとって最大の課題でした。

まず、信頼できる現地スタッフを。
バングラデシュでフルタイムで働いてもらえる人を雇用することにしました。
もう、裏切られることはたくさんだ。

最後の望みを託したのは、
バングラデシュでデザイナー養成学校の所長をし、
また大手革工場で10年間も輸出マネージャーとして勤務した経験のあるアティフ。
彼なら、パートナーとしてやっていける。
何度も足を運び、毎日数時間かけて説得し、そして契約をしました。

ほとんどのバッグメーカーを知りつくした彼のネットワークから、
技術面、財務面、そして働く人間の信頼性という観点で優良工場を洗い出し、
その中で国内No.1の腕を持つとされる
ソエルというパタンナー(型紙職人)がいる工場に決めました。

外国人のバイヤーは大嫌いだ、という職人気質なソエルに、
気持ちを伝え、話し合いました。
マザーハウスが、バッグにこめる想いを、精一杯伝えました。

最終的には、
「アティフと山口によるラフスケッチ」
   ↓
「ソエルによる型紙起こし」
   ↓
「アティフによる素材調達」
   ↓
「ソエルの工場による生産」
   ↓
「アティフによる検品作業と品質コントロール」
という仕組みができあがりました。

山口・ソエルとジュートの戦い

山口、現地パタンナーソエルと、ジュートという素材との戦いが始まりました。
ジュートは、革の風合いや高級さに比べたら見劣りしてしまう
というハンディを背負っています。
だからこそ、革では絶対にできないもの、ジュートだからこそできるもので
勝負することが必要でした。

ジュートの生地を1メートルくらい切って、
伸ばしたりくしゃくしゃにしたり、洗ったり、色々なことにチャレンジしました。
生地とにらめっこして朝から晩まで工場で過ごす日々が続きました。
既存のバッグ製造に囚われず、
ジュートならでは風合いを活かしたオリジナルデザインへの挑戦。

信じられないくらいの短期間で数十ものサンプルが、スケッチから形になっていく。
それを全て日本に持ち帰り、グループインタビューやバイヤーへの紹介を通じ、
修正ポイントをまとめる。

2007年1月、それらを全てバングラデシュに持ち帰り、
最後のディテールをつめる作業。
2007年2月、数十にも及ぶサンプルから、バッグを9型、小物を5型に絞りました。
カラーは5色展開。

ついに、生産がはじまりました。
そして、創業1周年を迎える3月9日。
新しいマザーハウスは、生まれ変わります。新しい商品とともに。

お客様に、感謝の気持ちをこめて

マザーハウス1歳のお誕生日。
2007年3月10日夜、「お客様イベント」が行われました。
応援してくださっているお客様たちに、マザーハウスの活動と近況を伝える場。
工場での裏切り、新しい生産パートナーのことも全て報告しました。
うん、うんと頷きながら、話を聞いてくださるお客様の姿。
山口の目にはうっすらと涙が浮かんでいました。

そして、期待と不安を胸に、リニューアル商品発表の時がやってきました。
「皆様、マザーハウス2007、春のコレクションを発表いたします!あちらをご覧ください!」

会場のカーテンが開かれ仮想店舗が出現。
販売スタッフが深々と礼をしたその先には、マザーハウスの新作バッグが並んでいました。
感嘆の声があがり、一人また一人と店舗に入っていくお客様。
思い思いに商品を手に取りながら、肩にかけたり、鏡をみたりしてあわせている。
まるで、普通にデパートでお買い物を楽しんでいるのとまったく変わらない風景。

お客様から「よくなったね!」「すごいよ!」「かっこいい!」「かわいい!」の言葉。
リニューアルのため苦しみぬいた製品開発の日々がフラッシュバックし、
山口は胸が一杯になりました。

第4回に続きます)

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