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モノづくりの現場からお届けする生産者便り

インド・ネパールの担当として、1年の半分以上を現地で過ごす田口ちひろ。モノづくりを職人たちのすぐそばで見つめているからこそ見える途上国の姿や、途上国駐在における心得・苦難など、リアルな声をお届けします。

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第13回 モノづくりの現場からお届けする生産者便り

繭の故郷を訪ねて

2016.01.13

ナマステ~。

昼間4時間しか電気が来ないことが、
日常になっているネパールです。

もはや、電気はたまにくる、
ちょっとした毎日のギフトみたいな感覚です。

実は先週は、社宅兼工房の引っ越しがあり、
荷物をまとめてばたばたと移動しておりました。

新しいおうちは庭も広く、
野菜も育てているのですが、
近いうちに、草木染めのもとになる植物も植えたいなあ、とか、
染色ラボをこの部屋につくろうとか、
よりよい暮らしだけでなく、
より良い商品をつくるためのハウスにもなりそうで、
わくわくします。

そんななか、先日、念願の養蚕の村視察に行ってきました。

なぜ念願だったかというと、
震災の後、本当はすぐに、
養蚕の状況を確認するために村に行きたかったのですが、
まず土砂崩れで道が通れなくなり、
そのあとの雨季で、さらに危険がまして行けず、
雨季が終わったと思ったら、
燃料危機で車のガソリンがなくなり・・・と、
いつまでたっても視察ができない状態が続いていたのでした。

私たちの商品のひとつである、
Raw silkストールは、ネパールで養蚕された繭を、
手紡ぎ手織りしたストールです。

その養蚕は、地方のいくつもの小さな村で、行われています。
そして、その村の多くが、去年4月の大地震で被災しています。

今回訪れたのは、
カトマンズから車で3時間ほどの、カブレ群にある村。

四駆の車で行ったのですが、
途中、頭を天井にごつんと何度も打ち付けるぐらい、
ぼっこぼこの道を、通っていきました。
(崖になっていて、細い道なので、いつ落ちても不思議でないなぁと、生きた心地がしませんでした)

到着したのは、9世帯が住む、小さな村。
それぞれの家は歩いて10分ぐらい離れています。

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ここが、繭の故郷。

まず目にはいってきたのは、
地震で崩れてしまったおうち。

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震災以降、被災したおうちは何度も見ていますが、
それでも、見ると心が痛みます。
村の人たちは、いまは、仮設住宅に住んでいます。

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そして、蚕を育てていた小屋に案内してもらいました。
崩れてしまっていました。

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震災のとき、
蚕が繭になるシーズン真っ盛りでしたが、
地震で養蚕どころではなくなってしまったために、
手塩にかけて育てた繭は、みんな孵化して、
いなくなってしまったそうです。

「もう一度、繭を育てたい」
村の人の言葉を受けて、生産パートナーのモヒニディディとギタさんと、
私たちでなにができるだろうと話し合い、
ひとつのプロジェクトを、今、立ち上げようとしています。

春になれば、また養蚕の時期がやってきます。
それまでに、また村で繭をつくれるようにしたい、
今回の訪問で、私自身もつよく思いました。

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