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工場からお届けする生産者便り

ネパールを中心に途上国を飛び回るカントリーマネージャー 田口ちひろ。現地で過ごしているからこそ見える途上国の姿や途上国駐在における心得・苦難など、リアルな声をお届けします。

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第51回 工場からお届けする生産者便り

挑戦できる喜び

2017.12.28

ナマステこんにちは、田口です。

先日お休みの日に、
自分用に購入してこの冬ずっと着ていた、
カシミアサイドリブセーターをお家で手洗いしました。

セーターをゆっくりお湯の中に入れたら(こすらずに押し洗いするのがポイントです)、
なんだかセーターが気持ちよく泳いでいるみたいで、
「あぁ、本当にセーターができたんだな。。」と、
改めて、この冬、ニットアイテムを生産した実感をかみしめました。

何年も前から、
挑戦してみたかった編みもの(ニットアイテム)。

同じ繊維の糸から作っているというものの、
これまでネパールで生産してきた織り物(ストール)と、
編みものは、実は生産工程が全く異なるため、
何度かサンプルにチャレンジしたものの、
本生産に至らず、悔しい思いをしてきたのでした。

それが今年、
ネパールでニットアイテムを長年作り続けてきた職人さんたちと、
その工房を経営する、素晴らしいリーダーとの出会いがありました。

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(日本ではほとんどいなくなってしまったという、「リンキングマシーン」の職人さん)

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(10年以上、手編みをしてきた、カトマンズに住むお母さんたち)

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「ネパールは貧しい、でも小さくても続けていくことで、
僕たちはこの国に産業を生みだして、もっと良いものを作り続けたいんだ」
という彼らの言葉を聞いたとき、
絶対に、ここでニットアイテムを一緒につくって、
お店に届けたい、と心から思いました。

でも現実は甘くなくて、
実際に生産が進むと、
「なんでこんなことが起きるの?!」と
白目になりそうになることや、
同じ間違いが繰り返されて、そのたびにやり直して、
やるせない気持ちになる日も、本当に、多かった。

なんとか出荷したあと、
初めて商品がお店で売れて、
それを生産したみんなに伝えて笑顔になったとき、
やっぱりこれまでの疲れはどこかへ吹っ飛ぶのですが、
でも、満足感で満ち足りるのは、一瞬で、
次はもっとこうして改善したい、
あそこはあぁしたらもっと良くなるのかな、と
再び、トライ&エラーの日々が始まります。

喜びの一瞬はかけがえのないものだけれど、
それで終わりじゃなくて、そこから別のチャレンジが常にやってくる。

そんな、ものづくりの苦しさと楽しさを、
今まで以上に感じることができた、1年でした。

さらに、出来たものをお届けする、販売の難しさもやりがいも、
この秋から「マザーハウスはなれ店」で感じることができるようになって、
いよいよここから、来年からが、本当の勝負だなあと、
身の引き締まる思いです。

そして、振り返ると、特に今年は、
夏のサンクスイベントをはじめ、
たくさんのお客様に、勇気をいただいた1年でした。
本当に、ありがとうございます。

生産地にいても、
お客さまを近くに感じることができることが、
誇りでもあり、新しいチャレンジに向かうことができる、原動力です。

お店で皆さんからいただいたパワーを、
生産地のみんなにどんどん還元して、
2018年も挑戦を続けていきたいと思います。

来年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

田口ちひろ

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