山口 「Maitighar Dream」「Keep Walking」「Sun Salute」「Bless you」の4曲は、1日の流れを表しているんですよね?
井口 はい、そうですね。
「Maitighar Dream」は架空の主人公がいて、朝起きたときの曲です。
寒いの日に、目覚めて、ああ、学校や会社に行きたくないって思って、でもやっぱり、自分にだけ迷惑がかかるわけじゃないから、行かなくちゃいけない。
そこから起き上がるって小さな決意が必要だと思うんですよ。
毎日、小さな決意って必要だと思うし、ちょっとしたメリハリで、日々の見方も変わります。
今までは、聞こえ無かったものが聞こえたりもしますし。失恋なんかもそうですよね。
山口 ああ、確かに!
井口

そういう意味で、まずは小さな決意が必要だったんです。

失望や絶望の中からだんだん、Maitigharというブランドの形になっていくプロセスの、イントロダクションとして、「Maitighar Dream」という名前で、夢を描きました。
自分が朝起きて、寝てるときの夢から、覚める感覚を表現したかったんです。

結構ゆるい曲なので、「これがMaitighar?!」って思われるかも知れませんが、実は次の「Keep Walking」につながるように、だんだんとリズムが出てきて、音が深まってくるんです。
それで、最後はアースビートに近い、どしっとくるような流れを作りました。

山口 あの、穏やかな中から、少しずつ盛り上がる感じは、とても良いですよね!
井口 「Keep Walking」は、時間が無い中で支度して、行かなくちゃいけないというイメージです。
でも行ってしまったら、出発してしまったらなんとかなってしまいますよね。

たとえば、冷たい水のプールに入るときだって、最初は寒いけど、肩まで使ってしまったらもう寒くないじゃないですか。
そういう意味で、プールに全身つかったなってかんじ。
歩き続けるみたいな。
「間に合うかな・・」というところに、思い切って身をつけてみる感覚です。
山口

初めて「Keep Walking」を聴いたとき、びっくりしました。
「the Sense of Wonder」とは違うな!井口さんは進化しているんだな!って。
それが最初の印象です。
いろんなこと経験したんだなって思いました。

私は最初に聞いたのが「the Sense of Wonder」だったから、それが井口さんなんだと思っていたので、その幅の広さにびっくりしましたし、尊敬しました。

Maitigharに合わせて、Motherhouseとは違うお客様に向けて曲をつくる。
それはターゲットがあるもの作りですね。
好きな音楽を作って聞かせるのも良いと思うけれど、提供するもの・聞いてもらう人に合わせて音楽を作るのは、非常に違う難しさがあると思います。

「the Sense of Wonder」も、最初は井口さんの好きなテイストなんだろうなって思ってたけど、やっぱりそれがシフトできてるって事にはかなりびっくりしました。

井口 生みの苦しみを解ってくれていてよかったです。

「Sun Salute」は昼のまどろみ感みたいなのを表しています。
「もう少し仕事頑張ってみよう!」とか、昼休みに、晴れてきて、日の当たっているところは暖かいくて気持ちが良い・・みたいな。
太陽の流れにやっぱり人間はあわせているんだろうなって思います。

僕は夜仕事をしてるから、そういうオフィスに憧れていて、
でも、「太陽にあたって暖かい!」なんてやっている人、いないでしょうね、みんな忙しいから。(笑)
山口 井口さん夜型なんですね!
井口 夜型ですよ。太陽が見たい!(笑)

最後の曲「Bless you」は帰ってきて、お風呂に入って誰かを思いやる時間、
そういう時間を1日のうちに持ちたいねっていう曲なんです。
誰かのために、祝福したりするちょっとした時間が10分でもあれば、明日のために嫌な気持ちを引きずらなくてすみます。
そういう、お風呂や歯磨きと同じような曲にしたかったんです。
後味よろし!みたいな感じで。
山口 曲を作る前にそういうのを書くんですか?
井口 ミーティングの時に、1曲じゃ表現できないなって思ったんです。
それで、すべてに対して、エレメントとしてちりばめてみました。
カバンもいろんな種類がありますからね。