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輝きの島スリランカのジュエリー物語

11月からの本格発売を前に10月から一部限定店舗で、
事前のお披露目が始まるスリランカのジュエリー。
新しいジュエリーには、スリランカで生まれた輝く石があしらわれています。
 
新しい生産地として選んだ「光輝く島」の意味を持つスリランカ。スリランカからジュエリーが生まれるまでを、代表兼チーフデザイナーの山口絵理子がインタビュー形式でお伝えします。

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第2回 輝きの島スリランカのジュエリー物語

山口絵理子インタビュー後編:職人さんの夢を応援する工房で、常識を疑って新しいモノづくりに挑戦したい。

2016.10.04

スリランカは石の宝庫。世界トップクラスの石にあふれています。

スリランカには素晴らしい石がたくさんあるのですね。

はい。調べていくと、スリランカは石の宝庫だとわかりました。
世界最高の品質と呼ばれるサファイアをはじめとして、
採れる石の種類は世界でもトップクラスでアジア随一です。
ナワラタナと呼ばれる、スリランカでとれる9種類の石で作られた
伝統的なジュエリーもあるくらいです。

ただ宝石と聞くと、やっぱり信頼できるところから調達ができるかどうかですね。

そこは私も正直不安で、信頼できる人に出会えるまで何年かかるだろうかと思っていました。
現地でもいくつかのジュエリー工房を回ることになりましたが、
そこで一つの工房に出会いました。
そこは、日本でトップクラスだった職人さんがスリランカに渡って始めた、
10年以上も続けてきたジュエリー工房です。
その工房はスリランカ人の職人が3人働いている小さな工房でしたが、
技術レベルに関しては確かなモノがありました。

山口さんは新しく始めるときに、どのようにして信頼できる人を探すのでしょう?

まずは、徹底的にその人と話します。
そして、その人のモノづくりに対するモチベーションを理解して、
モノづくりに対する姿勢や行動が連動しているかを、実際に現場に入って確かめます。
今回もサンプル作りを始める前に、その工房で3週間、徹底的に修業をさせてもらいました。
この目的は、私自身が鋳型で作るジュエリーを理解するということと、
工房でのモノづくりがどう行われているかを見ることの両方がありました。

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デザイナーとして、素材や作り方を体で覚える必要があると思っています

山口さん自ら3週間、工房で技術を学んだのですか?ほかの仕事は?(笑)

そうです。完璧なモノは作れなくても、デザイナーとしてデザインをするためにも、
その素材や作り方は体で覚える必要があると思っています。
現状の仕事を邪魔しないギリギリとれる時間が3週間。
朝と夜はメールチェックして、あとの時間はずっと工房にこもってひたすら技術を教えてもらいました。

山口さんらしいですね。

(笑)。自分が作れないとデザインができないんです。
今ではサンプルのラフは、ワックスの型(鋳型の原型になるもの)から作ることができるようになりました。
そして、サンプルが自ら作れるようになったことで、職人さんとも直接コミュニケーションができるようになりました。

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さすがに3週間連続で工房にいたら、工房のことも理解できますね。

そうですね。この3週間で工房のレベルがとても高いことは理解できました。
きちんと技術レベルを評価できたのは、
元々インドネシアでジュエリーを作っていることが大きかったと思います。
インドネシアのジュエリーは線細工で、鋳型から作るスリランカのジュエリーとは全く異なるのですが、
火を当てる工程など、同じ工程が幾つかあります。
火を当てるときの職人技術の繊細さやその道具の種類の多さなどから、
工房や職人がどれくらい丁寧にモノづくりをしているのかわかったのです。

職人さんの夢を応援する工房、ぜひ一緒にモノづくりをしたいと思いました。

職人さんとは色々と話したのですか?

はい。職人さんたちと色々と話したことも、
この工房と一緒にやっていきたいと思うきっかけになりました。
一番弟子の職人さんと話した時のこと、夢を聞いたら「独立すること」って言うんですね。
それを工房のオーナーに聞いたら、本来だと下の職人が独立してしまったら痛手のはずですが
「独立することを応援している。例え独立したとしても、いい職人さんが育ってくれることが嬉しい。」って言うのです。
その気持ちが下の職人にも伝わっているのでしょう。
その職人も「技術を全部教えてくれたオーナーは、自分にとって父親のような存在だ」と言っていました。
職人さんの夢を応援する工房、ぜひ一緒にモノづくりをしたいと思いました。

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一方で問題もあるのでしょうか?

やっぱりデザインに関して言うと、私ができることもあるのかな、って思いました。
職人さんは素晴らしい技術を持っていますが、デザイナーさんではありません。
最終のお客さまの声を聞く機会も限られている中で、
新しいデザインの種を見つけるのは難しいと思います。
途上国のモノづくりで一番難しいことの一つは、ここだと思います。

常識を疑って挑戦することにこそ、モノづくりの楽しさってあると思うのです。

デザインという点からいうと、今回どんな新しいことに挑戦したのでしょう。

修業中の3週間、ずっと考えていたことがあります。
それは色がある石、カラーストーンが生き残る道です。
日本ではダイヤモンドが圧倒的で、カラーストーンは安っぽく見られます。
でも、多様な色と輝きを持ったカラーストーンには、それぞれに可能性があると思っていました。
だから、3週間の修業中も何度も何度も石を研磨する工房にも足を運んだのです。
迷ったら素材の川上にヒントがあるからです。

そこに何かヒントがあったのですか?

はい、ありました。カットや研磨工房の職人が信じて疑わない、
ブリリアントカットが一番良いという考え方です。
ブリリアントカットは石を輝かせる観点からは、最も良いカット方法であることは事実です。
しかし、私は石には色々な輝き方があっていい、と思いました。
むしろ皆が信じて疑わないことの裏側にこそ、新しいことのヒントがある。
それをカットの職人さんに話したら、最初はキョトンとしてましたが(笑)。

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そこから新しいカットや研磨の方法に対する挑戦が始まったのですね。

そうです。小さくて繊細だけど、見たこともない石の形をカットしようと四苦八苦しました。
というよりも、職人さんたちがリクエストに苦労していたかな。
しかし、最初は「輝かないよ」って納得しなかった職人さんたちも、
途中から「面白い!面白い!」って連呼していました。
最後に聞いたときは「非常識の連続だった」って言っていましたよ。
でも常識を疑って挑戦することにこそ、モノづくりの楽しさってあると思うのです。
職人さんたちにも伝わったかな、って思います。

そして、石のカットの形を独特にしたことでそれが独特のデザインにつながりましたね。

そうですね。石の形を面白くカットしたのはよかったですが、
そのあと、そのカットを生かす鋳型のデザインを作ることもとても苦労しました。
ジュエリー工房の職人さんも「こんなの見たことない」と言いながらも、一生懸命形にしてくれました。
かかわるみんなが新しい挑戦に苦しみながらも、楽しんで乗り越えたデザインだと思っています。

スリランカの大地が持つ生命力と躍動感。そこから生まれる石のエネルギーを感じてほしいです。

今回は山口さんにとっても、新しい挑戦でしたね。

インドネシアと同じジュエリーでしたが、
素材も作り方も全く違い、全く違う発見がたくさんありました。
私はデザイナーとして、世界の途上国が持つ素材やモノづくりの可能性を
引き出していきたいと本当に思っています。
その夢にまた一歩近づく経験をさせてもらいました。本当に皆さんに感謝しています。

最後にお客さまへのメッセージをお願いします。

スリランカの大地は生命力と躍動感を持っていて、
そこから生まれる石は芯が強く、凛としたエネルギーに溢れています。
私は石の採掘場にも行きましたが、大地から多様な石が生まれていることに感動しました。
そのエネルギーを職人たちとともにジュエリーに込めて皆さんにお届けしたつもりです。
ぜひ、お客さまに手に取っていただいて、エネルギーを感じていただきたいです。

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スリランカ・ジュエリーキャラバンを開催 (10/6~)

10月 6(木)

他店舗で開催

10/6 (木) ~ 10/24 (月) ※店舗によってことなります 本店・新宿店・東銀座店・横浜ベイクォーター店・大阪店・名古屋店 お披露目会ですので、どなたでもご覧いただけます。

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