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輝きの島スリランカのジュエリー物語

11月からの本格発売を前に10月から一部限定店舗で、
事前のお披露目が始まるスリランカのジュエリー。
新しいジュエリーには、スリランカで生まれた輝く石があしらわれています。
 
新しい生産地として選んだ「光輝く島」の意味を持つスリランカ。スリランカからジュエリーが生まれるまでを、代表兼チーフデザイナーの山口絵理子がインタビュー形式でお伝えします。

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第1回 輝きの島スリランカのジュエリー物語

山口絵理子インタビュー前編:新たな国、スリランカへ。そこで見たモノづくりの理想と現実。

2016.10.01

光輝く島「スリランカ」の挑戦は、お客様からいただいた言葉から始まってます。

4か国目の挑戦はスリランカと聞きました。なぜスリランカになったのでしょう?

(山口、以下同じ)実は4つ目の国「スリランカ」の挑戦は
お客様からいただいた言葉から始まっています。

昨年8月、インドネシアから線細工を使ったジュエリーを発表しましたが、
その際にあるお客さまから
「次は宝石を使ったジュエリーですね!宝石ならスリランカですよ!」
と言われたのです。

そこで私が連載しているクーリエ・ジャポンの編集者さんが、
次の国はどこか行きたいところはないですか?って聞かれたので、
「スリランカ!」って答えたら、
色々と訪問先をアレンジしてくました。
 
 
山口さんはモノづくりのヒントがあると、自ら行くのですね?

そうですね、新しい途上国に行くのはワクワクします。
時間が合えば、すぐに飛んでいきたいし、
実際に今生産地になっている国以外にも、色々な国に行ってます。
それがすぐに形になる場合と、形にならない場合はありますが。
 
 
生産地になっている国以外にも、いろいろな国に行かれているとは驚きました。
そんな中で、今回のスリランカは形になったということでしょうか?

そうです。
まずスリランカに行ったときに、色々な素材があることに驚きました。
5日間でいくつかの都市を回ったのですが、
ヨーロッパから伝わってきた手編みレースや
ろうけつ染めと呼ばれるバティック、
面白いところだと象さんのうんちから作られている紙などもあって、
すぐに可能性にあふれた国だと実感しました。

可能性があるのに、何らかの制約でもったいない状況にあるものを何とかしたい。

現地にはモノづくりでたくさんの選択肢があると思います。
山口さんは数ある選択肢から、どのように絞りこむのですか?

可能性の「のびしろ」です。
可能性があるのに、何らかの制約でもったいない状況にあるものを何とかしたい、
って思います。

ただ、最終的な判断は一つの軸ではないですね。
例えば、バティックは既にジュエリーを作っているインドネシアにもあって、
国を挙げて大きく力を入れています。

職人さんのレベルも、正直スリランカよりも高い。
だからスリランカのバティックを、アジアトップレベルに持っていくのは難しいな、
と思いました。
 
 
なるほど。他にも真剣に検討した選択肢があったのでしょうか?
はい。スリランカには、ヨーロッパから植民地時代に伝わった
手編みレースの工房がいくつかありました。
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私たちが大切にしたい手仕事だと思い、
一つの工房にはサンプル制作もお願いしたのですが、
そのプロセスの中でショックなことが起こってしまったのです。

2回目のスリランカ出張の時、私はその工房にアポなしで行きました。
そろそろ、サンプルができている頃です。
アポなしでの工房訪問というのはよくやることで、
今回も直感が働き、あえてアポなしで行きました。

そして工房に行ってみると、確かにそこには綺麗なレース編みのロールがありました。
これは、私がサンプルとしてオーダーしたものでした。

しかし、同時にアレ?と思いました。
そのレースが無機質に綺麗すぎるのです。
そして隣を見ると、その工房にあったレースを手で編む工具は埃をかぶっていました。
その工房のトップはいなかったので、そこにいたスタッフに聞きました。
「このサンプルはこの工房で作られたものなの?あなたが作ったの?」と。

そしたら、彼女が答えたことは
「これは中国で作られたものだよ。中国で作られたものに、ここでタグを付けるの。」
と言いました。

その答えたスタッフは、私がオーダー元だとは知らずに答えたのでしょう。
最初の訪問で見た手編みレースを作っていた姿は演出だったのかと、
私は強いショックを受けました。
 
 
確かにショックですね。でも、どうしてそんなことを起こしてしまったのでしょうか?

そうなんです。
しかし、そんな人たちをひとくくりに間違っている、と言うのは違うと思います。
背景にあるのは、安易に手仕事風のものを求めるようになっていることと、人件費の高騰です。
スリランカも観光地化が進み、地元のお土産屋さんには
安価な手仕事風のモノが大量に売られています。

一方で本物の手仕事は、人件費の高騰の影響をもろに受け、
手仕事風のモノの何倍もの価格になっていて、さらに価格は上がっている。
付加価値を付けられないと、こだわりや誇りを捨てて
今回のようなことをせざるを得なくなってしまうのです。

どこまでモノづくりの川上に行けて、素材に新しいことをもたらすことができるか。

 

一方で手仕事に付加価値を付けるというのは、とても難しいことに見えます。

そこが途上国でモノづくりをしていく上でも、一番難しいところだと思います。
そこで私たちがこだわっているのが、素材です。
モノに付加価値をつけるためには、
モノづくりの川上部分である素材づくりに入っていかないといけません。

現地でどこまで川上に行けて、
どこまで素材に新しいことをもたらすことができるかが重要だと思います。
 
 
なるほど。それでまず素材探しから始めるわけですね。

そうです。
そしてスリランカに行く前から調査はしていたのですが、
素材の原点である石を採るところまでさかのぼれるのがジュエリーだったのです。
こうして、私たちはスリランカ発の石が入ったジュエリーに
フォーカスすることにしました。

(山口絵理子インタビュー後編:職人さんの夢を応援する工房で、常識を疑って新しいモノづくりに挑戦したい。)
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このコラムに関連するイベント

スリランカ・ジュエリーキャラバンを開催 (10/6~)

10月 6(木)

他各店で開催

10/6 (木) ~ 10/24 (月) ※店舗によってことなります 本店・新宿店・東銀座店・横浜ベイクォーター店・大阪店・名古屋店 お披露目会ですので、どなたでもご覧いただけます。

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