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マザーハウスカレッジ ~ゲストトークから~

マザーハウス副社長の山崎大祐が「Warm Heart, Cool Head(熱い情熱と冷静な思考)」を合言葉に開催しているマザーハウスカレッジ。開催は50回を超え、延べ2000人を超えるお客様にご参加いただいています。
本連載では、山崎大祐がカレッジで行われたゲストトークを中心にまとめ、明日の挑戦へのヒントになるような視点をご提供します。

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第5回 マザーハウスカレッジ ~ゲストトークから~

「障がい」は個性。東京パラリンピックでは私たちが問われる。(落合啓士氏<後編>)

2016.09.15

WRITTEN BY

山崎大祐 マザーハウス副社長

後編:ブラインドサッカー前日本代表キャプテン 落合啓士氏(第46回ゲスト)

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(落合啓士 氏)
1977年8月2日生まれ。神奈川県出身。
10歳の頃から徐々に視力が落ちる難病を発症し、18歳で視覚障がい者となる。
25歳でブラインドサッカーに出会い、その後日本代表に選出。
世界選手権2014、アジア選手権2015では日本代表キャプテンとして出場。
神奈川県内唯一のブラインドサッカーチーム「buen cambio yokohama」設立。代表を務める。
昨年、自身の半生を綴った「日本の10番背負いました ブラインドサッカー日本代表・落合啓士」(講談社)を出版。
前編:好きなモノを失い、人生の意味を失いかけた。ブラインドサッカーが全てを変えた。
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落合2
(人生曲線を使って、落合さんの人生を疑似体験。学びあり、笑いありの時間となった。)

キャプテンとしてリオ・パラリンピックを目指す

ブラインドサッカー日本代表は、北京、ロンドンと2大会連続でパラリンピック出場権を失ってきた中で、リオへの出場への期待が高まっていました。そしてロンドンのあと、リオに向けてキャプテンに指名されたのが落合さんでした。

「私は一度、日本代表でトラブルを起こし、日本代表落ちもしています。そんな私がキャプテンに選ばれること自体に驚き、難しい旨を伝えましたが、監督がどうしても落合にやってほしい、と言ってくれたことでお受けしました。」

落合さんがキャプテンに選ばれた理由。それはブラインドサッカーに対する献身的な姿勢でした。生きる意味を失っていたところから、ブラインドサッカーに人生を救われたこと。そこから生まれる、ブラインドサッカーへの情熱は比べ物にならないものでした。その思いを他の選手に広げてほしい、そんな監督の願いからキャプテンを受けることにしたのです。

元々落合さんがトラブルを起こした理由も、ブラインドサッカーに対する情熱が強すぎて、その姿勢が足りない選手に対して厳しく当たってしまったことによるものでした。確かに熱い情熱は時に周りへの強い圧力になってしまうこともあります。しかしそこから生まれたトラブルを経験していることも、逆にキャプテンを受ける上では貴重なものでした。

日本代表として期待を背負い、チームをまとめていく。落合さんの新しい挑戦が始まったのです。

障がいは個性である

キャプテンとしての落合さんの挑戦は、プレイヤーとしての挑戦とは全く異なるものでした。日本代表内で責任を負うプレッシャーの大きさに加え、特殊な環境に置かれている選手たちをまとめていく難しさ。そんな難しさに向き合いながら、落合さんは各選手の個性を生かしてチームを作ることに重点を置きました。

「視覚障がいと言っても、それぞれ個性があります。私は10歳まで視覚があったため、モノを見た経験を持っています。だから、フィールドやプレー、選手の立ち位置などを頭でイメージすることができます。一方で生まれながらに視覚が無かった場合には、音に対しての反応に優れているため、音で場所を判断するボールに対する一歩が早いのです。」

個性を生かす。これは落合さんが最も大切にしていることです。落合さんは各選手とも積極的にコミュニケーションをとり、選手の個性を明確にしていきました。

個性についての話で印象的だったのは、障がい者と健常者が混じり合う社会を作るために大切にすべきことを議論しているときのことでした。

「そもそも『障がい』も一つの個性です。私はモノを見ることはできないけれど、皆さんよりもサッカーができる。それぞれの個性で誰かに価値を与えることができるのです。その為には積極的に、コミュニケーションで持っている個性を理解し合うことが大切なのです。」

だからこそ、落合さんは街で困っている視覚障がい者の方々に対しても、健常者は積極的にお手伝いの手を差し伸べてほしい、と話していました。中にはお断りをする方もいるかもしれませんが、基本的に困っているときには「お手伝いが必要ですか?」と聞いてもらえることはありがたいことなのです。勇気を持って互いにできることを理解し合っていくこと、それが個性が生きる社会だと落合さんは言います。これは落合さん自身の人生とキャプテンとしての経験から生まれている考えだと思います。

東京パラリンピックで問われるもの

9月7日から始まったリオ・パラリンピック。残念ながら、そこにはブラインドサッカー日本代表の姿はありません。昨年開催されたアジア選手権で惜しくも敗れ、日本はリオ・パラリンピック出場権を得ることができなかったのです。

「キャプテンとして大きな責任を感じています。ベストを尽くせたか、と言われれば違うと思います。周りは気遣ってくれますが、申し訳ない気持ちは今でも重く感じています。」

出場権がかかっていたアジア選手権は、私もスタジアムまで見に行き、そして悔し涙を流しました。落合さんがキャプテンとして重い責任を感じていることを想像しただけに、東京オリンピックでは選手としてピッチに立ちたいという強い言葉を聞いて、更なる勇気をもらいました。

スポーツには、見る人、プレーする人問わず、人生を変えるような大きな可能性があります。生きる意味を失っていたところから、ブラインドサッカーに出会い、人生が輝き始めた落合さん。その人生は多くの人たちに勇気を与えるものです。またそんな落合さんのプレーから、多くの人がブラインドサッカーの素晴らしさに触れて、視覚障がいの方々の個性や可能性を感じること。それが多くの人の「Meet The New World」となって、障がいを一つの個性として認められるようになるのです。互いに理解し合う社会への一歩です。

2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開かれます。様々な国や宗教だけでなく、身体的特徴を持った人もこの国を訪れます。私たちが多種多様な個性を持った人に対して、どれだけ寛容であるかどうか、問われる時期はもう目の前まで来ているのです。

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