Yamazaki Blog

今日の日経新聞の文化面に、六本木ミッドタウンにある
21_21 Design Siteで行われている「21世紀人」の企画展について書かれていました。

元々美術鑑賞大好き人間なのですが、
なかなかいけずフラストレーションがたまっていた毎日。
そんな中、久々の美術展で身震いがするいいものに出会ったのが、
服飾デザイナー三宅一生ディレクションのデザイン展、
21世紀人(http://www.2121designsight.jp/)だったので、記事を見てその感動を思い出しました。

もともとISSEY MIYAKEは大好きなので、機会があれば絶対に見に行こうと思っていたわけですが、
こお「21世紀人」を見に行ったときに大きな衝撃を受けました。
特にこの展示会で感銘を受けたのが、
三宅一生のデザインを通したメッセージ性とこだわり、そして新しいものへのあくなき欲求。
あくまで私見なのですが、彼のイメージというのは完全に服という世界を越え、
現代社会という概念と素材という実際のハードの融合が哲学としてなされている。
服はあくまで彼にとって、表現媒体であって、
表現をするそのものではないのだということを強く感じました。

もちろん、三宅一生の主舞台は服の世界であることは間違いないのだろうと思いますが、
服を作るという概念ではなく、きっと素材とデザインの融合という両方の観点に、
如何に新しいものを吹き込むか、そのツールが服なんだろうと。
駆け出しの私がいうのも大変失礼な話なのですが。

そんな三宅氏の感覚が、ディレクションを通じ解放されているのが今回の「21世紀人」。
彼が制作を頼んだ、もしくは自ら築いた11の作品には、
瞬間的に"21世紀"とはどんな時代なのか考えさせられる世界観があると同時に、
その作品の素材にも21世紀というキーワードがふんだんにちりばめられています。

それがわかりやすいのは、83年生まれ若干25歳のアーティスト、関口氏の作品。
関口氏は養護学校の教師をしているのですが三宅氏に認められ、
今回の21世紀人に参加と相成ったようです。
私自身、若い人の作品はエネルギーに溢れ、
固定概念というつまらない常識にとらわれない作品が多いため、
大好きでよく美大の卒業制作展を見に行ったりもしていたのですが、
今回の関口氏のものも強いエネルギーに満ち溢れています。
この作品、7メートルにも及ぶ塔、でも素材は新聞紙とガムテープで構成されているのです。

廃棄物や産業用資材など、今回の11作品は多くの素材が用いられていますが、
私たちの身の回りに普通に落ちているものも沢山使われています。
21世紀はデザイン、アート、工業、産業、消費、全てが近づいた時代なのでしょう。
一昔前は、消費する商品が何でできているか、
使い終わったごみがどこに行くのかなんて気にしていなかったのが、
私たちが使うモノ、そして囲まれているモノがどこから来て、どこへ行くのか、
意識しなくてはいけない時代になりました。

私たちがバッグに使っているジュートも、元々は99%が産業資材として使われていたもの。
しかしちょっとした工夫で、それが私たちのバッグに生まれ変わりました。
産業用とかそんな固定概念が、きっとこのジュートの可能性を大きく奪っていたのかもしれません。
つまらない固定概念から素材の可能性を開放すれば、
もっともっと新しい表現が生まれる、この「21世紀人」の展示会の根底にある部分と、共通の部分かなと強く感じました。

21世紀人が意識せざる得ないもの、そしてそれを表現すること、
それがこの「21世紀人」の展示会で強く考えさせられたのでした。

コメント

確かに固定観念に囚われていると新しい発想って生まれてきませんよね、三宅一生にしても山本寛斎にしてもそのあたりの固定観念の壊し方を体で心で知っている人なんだと思います。山崎さんも山口さんもそうなのでは?固定観念を覆し21世紀を日本を背負う企業集団にMHが育つことを期待します。

| posted at 08/06/20 18:15 | comment author : ha_genz |

少し的外れになるかもしれないですけど、関口氏の作品の話で、ニースにあるとある現代美術館のことを思い出しました。
廃材を見事に芸術品として生まれ変わらせていて、それをちゃんと芸術として美術館が成り立っていることに感慨深く思ったものでした。
自分たちが住んで生きている環境から、それを感じ取って表現していく世紀が来ているのでしょうねぇ。
人間のバランス感覚が試される時代なのかもしれません。
ジュートをこんなにもかわいく、ステキに変身させて世の中に可能性が無限に秘められていることを教えてくださる、そんなバッグを作るマザーハウスの視点は、これからもでっかく固定観念を破って行く課程を楽しみにしています!

| posted at 08/06/20 20:46 | comment author : あっこ |

 僕は「芸術・美術・技術」はすべて「発想」という原点は同じだと思い
ます。ただ、考える人の表現の方法が違うだけ。だから、産業用のジュート
だって決して悲観するものではないと思います。現実に四輪車の内装に
使われているくらいですからね。「術」とは「物事をなすスベ」であって、
それが芸であり、美であり、技である、そう思います。
 知らないところにすごい浪費があるし、知らないところですごいエコが
進んでいるものです。見えるものを称賛するだけでなく、黒子役の術にも
明かりをともしてほしいなあ・・・。と、思います。

 
 

| posted at 08/06/20 22:02 | comment author : はらだっち01 |

いつも楽しみにコメント拝見しています。
最近は定期的にコメントされているので嬉しいです(笑)
はらだっち01さんのコメントも好きですね。いつも絶妙です!
自分も製造の職に就いていますので、扱う素材の新しい可能性とは何か?は常々考えているテーマの一つです。素材の持つポテンシャルを引き出すのか、コラボレーションしてより引き立てあう組み合わせを探すのが良いのか?答えは一つではないと思うので難しいところです。
先日、山崎さんらしき方を御徒町辺りで見かけたのですが、人違いでしょうか?チェック柄のバックを持って自転車に乗ってましたか?間違っていましたらすみません(汗)

| posted at 08/06/21 14:36 | comment author : yabu |

発想の転換と可能性の解放…これができる人たちこそアーティストと呼ばれるべき本当の人達なんでしょね。
三宅さんや山口さんはじめとするマザーハウスや一緒に並べていいかどうか分かりませんが
あのFREITAGも(!?)一つの概念に囚われない
いつも新しい“何か”を求めてきた人たちなのでしょうね。

だって今の時代、消費者の考えも洗練されてきてるから、消費者も一つだけの考え(たとえばエコだけとか体に良いだけとか)で物を購入することは少なくなってきているのかもしれません。
これからの時代はマザーハウスはじめとする本物のアーティスト企業と
洗練された消費者との切磋琢磨し合う真剣勝負がなされる時代が来ることを願ってやみません。

| posted at 08/06/22 09:16 | comment author : bincou |

皆さん、ありがとうございます。
ha_genzさん>
昔、その時代の時の企業の社長さんと夕食をご一緒したことがあって、その時に感じたことは、固定概念が如何に新しいアイディアの邪魔をしているかということでした。ha_genzさんがおっしゃるとおり、販売側でも固定概念を持たずに自由な発想で新しいことができたらと思っています。
あっこさん>
世界各国、色々と面白い美術館があるんですよねー。僕も結構他の国の都市とかで、美術館いくのがすきなんです。新しい発見があったりしますね。
自分たちの生きている環境から、何かを感じ取る って表現、いいですね。新しい価値のヒントは、自分の周りにある という感じがします。
はらだっち01さん>
本当にそう思います。学問の歴史なども、他の学問を援用したりして発展してきていますし。互いの垣根がもっともっと低くなれば、もっと新しいことが生まれるのでしょう。
黒子役、本当にそうですね。それこそ、ものづくりは1人ではできない。多くの人に支えられて、1つのものができている。そういった努力にフォーカスがもっとあたるべきですよね・・・。
yabuさん>
やっぱりそうなんですね。確かに製造業の現場でこれだけの新しいモノが生まれているということは、それだけ日々見つける努力をして、発見をしている現場の人がいるということですよね。私たちの周りのものは急速に発展している、そう思うとすごいことですね。
ちなみに・・・そのYabuさんが見た人、僕です笑。世の中狭いですね・・・。悪いことできませんねー笑。
bincouさん>
逆ですよ。三宅さんやFREITAGの足元にも及びません。FREITAGは店舗も本当に面白いですよ。私は店舗開発を担当しているので、その点でも足元に及びません。
そうなんですよね。日本は特に失われた90年代の中で、とにかく安いというポイントで勝負し続けてしまい、クリエイティビティが失われてきたように思えます。一方でここ数年でまた変化が生まれ、面白いものが出てきている、そんな感じがしているのですがどうでしょうか?

| posted at 08/06/23 02:05 | comment author : Yamazaki |

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