Eriko Blog

ブログを読んでくださっている皆さん、今年も本当にお世話になりました。
そして変わらぬ応援の気持ち、本当にありがとうございました。

明日からバングラデシュ、ネパールに出張なので今日のブログで一年のご挨拶とさせてください。

昨日忘年会がありました。
振り返ると今年も一年ほんっっっとに色んなことがありました。

はじめてネパールから洋服を発表したのも今年でした。もう何年も前のような気がするけれど。
はじめて台湾っていう海外に店舗を出したのも今年の4月でした。これももう何年も経ったような気がする。
日本で7店舗目となるお店を池袋東武百貨店に出店しました。
そしてコンセプトラインとして今までで一番多くのお客様の手に届いた銀杏シリーズを作ることもできました。
最後に愛するマトリゴール工場が移転できたことは私の中で本当に大きな出来事でした。

どれも全部、プロセスの中には大変だったり苦しい思い出とセットなんだけれど、振り返れば私の中で、最高の思い出となり、最高の財産と経験になっていて今のマザーハウスを、私自身を形成してくれています。

会社も今年は5周年を迎えました。
まさか5年も生き延びられるとは思ってもみなかった〜笑。
そしてもっと思っていなかったことは、最高の仲間たちに今囲まれていることです。

前回バングラデシュで色んなことがあって、正直精神的に疲れちゃったなあって思っていた私はそうした報告を日本のみんなにすることがとっても不安だったし、何から切り出そうかなぁって毎晩考えていました。
でも予想と反して、私の言葉を本当に真っ正面から受け取ってくれ、更に私を支えようとしてくれる日本のみんなの顔があって、心底救われた気持ちがしました。

私の中で、一つの先入観が壊れた一年でした。
それは、「経営者は孤独なものだ。」って言葉。
実際に色んな先輩たちがそういっていた。
この5年間、私もそうだなって心から思った時も何度もあった。

でも私、今はそう思わないんです。

またまた〜って思われちゃうかもしれないけど、そう思わないんです。

特に何がきっかけって訳じゃないんだけれど、みんなと一緒に船にのって、波がきたり、岩にごちーんってぶつかったり、でもまた軌道修正して朝陽が見えたり、そんなプロセスを楽しんでいる、本当にそう思う。

来年の目標を昨日徹夜してお絵描きしてた笑。

なんか夢中で色ペンで描いていたら、子供の頃となーんにも変わってないじゃん!って夜中に思った。

でも周りの変化は今年もめまぐるしかったなぁって思う。
たくさんの取材を受けさせて頂きましたが、なんだか急に変わったことがある。それはいきなり今年に入って
「成功された経験」「成功された理由」「成功された」って前置きがいきなりつき始めたこと。全く違う媒体ばかりなのに、口を揃えてそんな前置きの言葉が急増したことに頭にはたくさんのクエスションマークがありました。
そんな光栄すぎる言葉とは裏腹に、書いた通り私は子供のときからなーんにも変わってないです。素でやりたいことをやっていて、毎年毎年、あれもしたいなぁ、これもしたいなぁ、来年こそはやりたいなぁとかって思っています。

その気持ちってもっと複雑っていうか、表面的なものになってしまうのかなって思っていたんだけれど、月日を経るごとにより純粋に素直にそう思っている自分がいます。

いいもの作れるんじゃないかなあ、ってバングラデシュで思った2006年から、
それを形にしてくれる仲間たちに支えられて、ふわふわしたその思いは確実に具体的になっています。
家のマークにもっと具体的に窓がついてドアがついて、そんな感覚。
ドアノブはどんな素材にしようか、とか壁の色は何色にしようか、とかそんなことを今、日本、台湾、バングラデシュ、ネパールにいるみんなとわいわい考えながら一つの家の完成に向けて歩いています。
そして決める時に思うことは、その家がお客様にとって居心地よく、あったかくって、また来たいって思うかな、ってことは変わりません。でも気がつけばその議論にお客様も加わってくれて、お客様も窓枠をつけてくれているような、そんな風に支えられて今年も一年を過ごすことができました。

ほんっとに皆さん、今年もありがとうございました!

来年も色んな気持ちを共有させてもらいたいし、色んなこと一緒にできたらと思っています。
そして常に自分らしく、マザーハウスらしく、歩いていきたいと思います。

どうぞ宜しくお願いします。 

山口絵理子

今この商品がよく見られています

2011/12/18 23日@本店

もうすぐクリスマス。

日本はイルミネーションが本当にきれいで、街を歩いているだけでも
本当に幸せ。

昨日は池袋のお店に来てくださった方がたーくさんいらっしゃった。
本当にあっという間にすぎちゃって、店長の飯田に今何時?って聞いたら
17時20分だったー。

それくらい色んな人とお話できて、久しぶりの再会の方もいたり、
新しくお会いしたいつも東武百貨店をお使いの方も本当にたくさんいらした。

「自分のご褒美に今日は買うって決めてきてるの。」って
言ってくださったステキな女性。

「クリスマスだけど自分用に買っちゃうんだ〜。」って言葉。

「今日は買わないつもりだったのに、やっぱり戻ってきちゃった〜!」って
かわいい女性も。

そんな言葉がすごくすごく嬉しくって。

そしてカップルで一緒にご来店されて、彼女にプレゼントしてくれた人もいた。

クリスマスっていう特別な日に溢れるくらいのお店の中から、マザーハウスを
選んでくれて本当に嬉しい。

昔はこんな風にお店が、バッグが選ばれるなんて思ってもみなかったから、
私にはそれこそがプレゼントだなぁって思えた一日だった。

池袋の飯田店長は見るたびにたくましくなって(笑)、松崎君は私の隣で
手際よくオペレーションをこなしてくれました。
期待の大村ちゃん、石井さん、本当におつかれさま。

年内にまたネパール、バングラデシュに戻る私は、気合いを入れて
大きなトランクを買ったのだ!

いっつも手荒いダッカの空港の職員に雑に扱われるからネパールの市場で買った
やっすいナイロンのやつを使っていたんだけれど、いつも出てくるときに
ボコってへこんでいるので、ついに頑丈なものを買ったんだ。

そして再び停電時間が長くなったネパールでの長期滞在があるので
防寒グッズを買った笑。これでかわいいお洋服を作るのだ〜!

年越しは日本じゃないけど、バングラのみんなと過ごせるってやっぱり嬉しい!
今年最後のお店番はなんとなんと、めちゃくちゃ久しぶりの本店です!

23日。クリスマスの前日だけど、皆さんのご来店をサンタの帽子でお待ちしていまーす♪

2011/12/15 石巻市

11日、12日と宮城県石巻市に行ってきました。

すっかり震災関連のニュースが少なくなっちゃったけれど、私たちは「笑顔袋」っていうプロジェクトをやっています。

今年の3月下旬からチャリティバッグを販売させてもらって、すごくご好評頂いて買ってくださった皆さんの売上金全額を被災地の子供たちにプレゼントする物資を入れる袋の制作費にあてました。

子供たちが喜ぶように、バッグのイラストをゾウさんとキリンさんで描かせてもらったんです。(いつも以上にすっごい時間を費やして気合い入れて深夜までゾウさんの鼻の角度を考えたり、キリンさんの模様を家で描いていました笑)
egao.jpg

できた袋の数はなんと1000個くらい。

全国から集まった物資を株式会社ワンパクさん(デザイン会社)が中心に、私たちの会社からも山崎や稲葉という男性スタッフが中心に毎週お手伝いにいって半年間くらいひたすら物資の整理→袋詰め、という作業を続けていました。

そしてその袋を詰めたトラックで、被災地へ物資を提供しにいくのですが、今月はその最終回でした。私も以前から参加したいと思いながらもバングラにいたりネパールにいたり日本にいてもなかなか時間が取れず、今回はじめて参加させてもらったんです。
マザーハウスからは山崎、稲葉と、ADの工藤と私でした。

12日の夕方から出発し、仙台についたのが夜の10時くらい。
そこから学校ごとに段ボールを確認し、中に入っている笑顔袋の数や、転入生や学校にこれなくなった子など数の変動があるので新しいデータに照らし合わせOKだったものからトラックに再度積みなおします。

carton.jpg

こんな感じで小学校の名前と男女と数がかかれている。

(確実に筋肉痛だな・・・)
carton2.jpg

そして最後は折り紙も!おっとっと!
nizumi.jpg

それから配布するのは旧石巻市内で小中学校
合わせて21校です。トラックは2台で1日で全て回るため夜の1時までワンパク代表の阿部さんの実家でルートの作戦会議。

sakusen.jpg (阿部さんのお母さん、遅くまでお世話になりました!)

その日は近くの旅館に泊まったのですが工藤と温泉に入って私が窓ガラスを壊してしまうというハプニングつきで。でもめちゃくちゃ楽しかった。

そして翌朝7時半阿部さんちに集合~!

いよいよ最初の学校に到着。

(ああ、みんな喜んでくれるかなあ。どうしよう、「なにこれ」って言われたら。。。)
という気持ちでドキドキしていた。

そして子供たちとご対面。
dokidoki.jpg

「みんな、どんなバッグか見てみたい人~!」
「はあ~い!!!」ってもうすっごい元気なんです。

haai.jpg

「わーキリンさんだー!かわいい!」って女の子。
すっごい嬉しかった。泣きそうだった。

そして列になって一人一人バッグを渡しました。
seiretu.jpg

工藤姉さんからキリンさんをもらった女の子。
onnanoko.jpg

「せーので中を見てみよう!」

「まだ見ちゃいけないよ~!」というとこの顔!
しっかり目をつぶって、見ないように頑張っている男の子。ああ、かわいすぎる・・・。
minaide.jpg


「せーの!」
open.jpg

「きゃー!!」ってすごい歓声。
そしてこの笑顔。
egaokodomo.jpg

「カチューシャも入ってた!!」
kachu-sha.jpg

男の子も「ポケモンだぁ~!!」
pokemon.jpg

もう、最高にかわいくって。

そしてみんなでパシャ。
shugo.jpg

中身を子供たちと一緒にみていて、ポケモンのぬいぐるみとクマさんのぬいぐるみが
あって女の子が
「わーい!ポケモンだぁ!」っていうから私が
「ええ、クマさんの方がかわいいよ!」って私が言ったら
女の子がムキになって「ちがうもん!」って言う。
私もなんかすごいムキになって、「ちがうもん!クマさん見てみなよ!こんな目がかわいくって
ふわふわしてるもん怒!!」ってちょっとエスカレートしてしまって、
そんな時に横から少し背の高い女の子がきて
「私、どっちもとっても可愛いとおもう。」って大真面目に言われた。

「はい、すみません。ほんとそうだ。二つともかわいい!」

この子たち、この状況下で色んなこと学んでるんだなぁって思った。


東京についたのは14日を回っていた深夜だったんだけれど、感想を一言でいうと、このプロジェクトができたこと、参加させてもらえたことに本当に感謝です。
だからわんぱくの皆さん、阿部さん、そして全国から物資を届けてくれた皆さん、私たちのチャリティバッグをお買い上げくださったお客様、そんなたーくさんの人たちがいなければこの企画はできなかった。そしてこの参加を通じて、私は言葉でなかなか伝えきれないけれどたくさんのことを感じた。

最後は中学校にも配ったんです。

chugaku.jpg

中学校みんなに「このバッグ作ったバングラデシュもサイクロンとか色々あってその度に流されてしまうモノもたくさんあるんだけど、でもやっぱり可能性はあって、実際頑張っている人がいて、、、それってすごくみんなにもあてはまるような気がして、、、」と話していたら涙が溢れてきてしまった。

がれきはもう撤去されて何も残っていない平地が多い。でもみんなの心には本当に消えない傷があるんだろうと思う。私なんかには到底分からないけれど、でも実際現場に行ってみて逆に自分たちがパワーをもらえたような、元気いっぱいの子供たちがいた。
先生は「学校では元気な姿を見せてくれるんだけれどやっぱり家に帰ると気持ちが沈んでしまう子が多い。」と話していた。
本当にそうなんだと思う。複雑な気持ちなんだと思う。目の前にいる子供たちは満面の笑みにも見えるし、必死に何かに戦っているようにも見えた。
中学校の最後の話で私自身がバングラデシュから何か作りたいって思って会社をはじめて店舗を構えてっていう話をしたんだけれど、最後多分生徒会長の子なのかなぁ、女の子が校長室まで送ってくれる途中で「かっこいい!」って満面の笑みで言ってくれた。

たった一言なんだけど、私には「ああ、来た意味があったのかなぁ」って思えた一言だった。将来が見えなくって、これからどうなるんだろう、昔に戻りたいわけじゃないけれど何か好転するのか、本当に何も見えない中で少しでも気持ちが前に進めることのお手伝いができたなら本当によかったって思う。
そして帰り、笑顔袋を早速肩にかけながら帰る子供たちを発見してものすごく嬉しかった。

モノ作りをやっていてよかったって心底思った。

こういう状況下でも自分たちが少しだけど力になれるのは工場があってモノが作れるからなんだって思った。そして描いたキリンさんやゾウさんの絵を「かわいい!」って子供たちが笑顔で喜んでもらえるってやっぱりモノを作る仕事についていなければできなかった。
そんな本当に直接何かをできる仕事をやれて、改めて私、ほんとよかったって思った。

学校回るたんびに、どんどん感動があって、どんどん自分が元気になっていくみたいでまるで支援っていう言葉と真逆だった今回。子供たちに感謝でいっぱいだから、だからこそ私もっとがんばろうって思った。だって子供たちが生きる社会を作ってるんだもの。

2011/12/09 大阪!

日本に戻ってたった今大阪から帰ってきました。

つい先日まで工場で生産してたのに、いきなり店舗の世界!って感じで
なんだかほんっとに"つながっている"感じでした。

しかもしかも私は今3年前かな、赤いレザーのシリーズがあったのですが
当時のショルダーバッグを使っていて、スタッフからも「ああ、それ
懐かしいですねえ」と言われるくらいマザーハウスの歴史では古いものを
使っているんだけれどそれと全く同じショルダーバッグをかけてお客様が
大阪店にいらっしゃって、ほんと驚いて、嬉しかった。

聞くと3年前くらいにサンクスイベントに来てくださったんですって。

すごい、すごい。

と思っていたら2007年に発表したMH012っていうまたまたレアな商品を
もってくださっているお客様も来てくれて。

え〜って驚きの連続だった今日。そして歴史ってたった5年、6年でも
やっぱり積み重なっていて、お客さんと「あの頃は大阪店もなかったのに。。」って
話しができることをものすごく幸せに感じました。

更にHISツアーに来てくださったお客様からは工場にステキな写真集も
作ってくれて、持って行きます!って約束したんだ。

工場にいて、すぐ日本につくとこうしてあったかいお客さんが待ってくれていること、
すごくすごく元気をもらっているような気がします。

あっという間の時間で新幹線に間に合うかどうかヒヤヒヤしながらだったんだけど
短い時間でも大阪のお客さんに会えたこと、お手紙、お菓子も、写真も、
ほんとほんとありがとうございました!!涙。

今回は短い日本滞在ですが、クリスマスイルミネーション今年もきれい。
しっかり日本の仕事をして、また工場に戻りたいなあと思っています。

怒涛の3週間弱が終わりそう。

あと少しで空港に行きます。

11月17日に来てから、途中カトマンズでの滞在もあり、最後はバングラの移転先
工場での生産を見届けられて、何だかもうホッとしてる。

今日、待望の革剥き機が船にのってヨーロッパからバングラのチッタゴン港に
到着し、明日は工場に到着するんだって。

「ああ、もう1日ずらせないかなぁ・・・・。」と本気でチケットが変更できるか
モインさんと話してた。

ずっと革剥き機大きいの欲しいの。。とねだる度にモインさんに
「大きくなったらね。」「時が来たら」と子供のようになだめられていた私。

それが明日なんてなんていう悲劇なんだとかなりショックな私です。

ともあれ今回の出張は一番涙が多かった出張だった。

ここでは書けないこともたくさんあったし、うれし泣きよりも悲しさや複雑な気持ちでの
涙も多かった。

本当に3週間の中で起こったこととは思えない。

全ての出来事が嵐のように去っていき、それぞれを整理して自分の中で
消化する時間も余裕も今でも十分にないと思う。

これが来るべき試練なんだと冷静に受け止めている自分もいるのに、
涙をこらえるのって結構大変なんだなぁって客観的に思っている自分もいたりして。

そして自分のことならまだしも、ほとんどがそれに関係するスタッフの気持ちや
今後と全てが結びついているわけで、最後の最後ではじめてあれ、自分って
思う瞬間ばかり。自分の気持ちや自分のことなんて当たり前だけど
後回しにはなってしまって、ちゃんと時間とって消化しなきゃなぁって思っている。

誰もがハッピーになる選択肢なんてあるわけないってビジネスってものを
始めて、私は一番学んだ気がする。
マザーハウスは社会企業だからとか色々言われるけれど、だからみんなが
ハッピーなのかって言ったらまるっきり嘘。

何かを取れば何かは失い、何かを取るために何かにノーと言い、
その連続の中でそれでも汚さないで、曲げないでとっておく自分の哲学と信念が
あるだけで。

人間の人生なんてコントロールできない。

工場移転に伴ってハシナとサレハが一緒にこれなかった。

どうしても田舎に引っ越すことが女性が家族と離れて暮らすことがこの国では
本当に難しく、困難で家族の理解を得られなかった。

彼女たちの気持ちは説得できても、家族まで変えることはできないし、もっと広くは
バングラの文化や価値観まで変えることはできないし、そうすべきとも100%は
思えない自分もいた。

最後の最後まで彼女たちや家族の気持ちが変わったって私に報告してくれるんじゃないかって
移転直前までどこかで期待してた。

でも最後引っ越す準備まで彼女たちは一緒にしてくれたけれどやっぱり答えは答えだった。
どうしようもなく高くそびえたつ壁の前にただ突っ立っているようだった。

最後2人が私のところに来て、目に涙をためている姿が忘れられない。
私が泣いたらせっかくの移転がどうなるんだ、他のみんなはどう思うって
気持ちもあって元気な振りをして
「どこに行っても、どこで働いても、本当に2人が大好きだよ。」って言った。

「キーボルボ(何を言えばいいの)」って何度も言ってた。

「何か問題があったらいつでもモンジュラニの携帯に電話して、マダムと話したいって
言いなさい。」って笑った。

うん、うんって涙目で頷く彼女たちは私にとってまるで本当の家族のようであり、
戦友だった。

サレハはサンプルルームで2人だけで仕事をしていた時からいたんだ。
その次に「入りたい子がいるの。」って紹介されたのがハシナだった。

のんびり屋さんのサレハは情熱大陸のテレビの前でもやっぱりのんびりだったけど、
丁寧に丁寧にいつも糊付して、革をきちんと真っ直ぐセッティングしてくれてた。
元気いっぱいのハシナはいっつも大きな声でマダム!マダム!もっと食べなさいよ!
ちゃんと寝てるの!忙しすぎるのはだめだよ!っていっつも私に言ってきた。

頑張って言葉を言おうとしてもなかなか言わない2人だったけど
ハシナが泣きながら
「マダメルモトマダムアショレナイ。(マダムみたいなマダムはいない)」って言った。

サレハが「いつか工場に遊びに行ってもいいの?」って言ってくれたのが嬉しかった。

「いつでもおいでよ~!」って言いながら元気にふるまうことは本当に苦労したけど
隣でもっと泣いているモンジュラニを元気づけるのにももっと苦労した。

男性がいっぱいの工場の中で、彼女たちの存在は本当に大きくって
ミトゥやモルシェドと喧嘩するといつも私のところに来ては
「ねえねえマダム聞いてよ!」ってもうその声とか表情が忘れられない。

移転前日のそんな喪失感を持ちながら、式典に臨んだ。
家族まで引っ越すことが本当に日本のようにはいかない国の中、みんな
移転先の工場近くに家を借りて、家族ごとついてきてくれた。

そんなみんなが喜んで風船をふくらませたりしている姿を見ると
また泣けてきた。

人生は本当に人それぞれで、部分的にでも自分の人生とオーバーラップする人がいて
いない人がいて、中にはこれから一生同じ場所で喜びも辛さも共有できる人もいるかもしれない。
物理的な距離に終わりがあったとしても、彼女たちと出会え、
工場がなくなっちゃった時にハシナがくれたピーナッツがあり、
それが私の元気の源になって、今のマトリゴールがあって、今の自分がいる。
そんな事実も歴史も、それはずっと変わらないんだ。

誰かのためにって言葉はすっごく嫌いで、なんだか偽善者ぶっているし、
本当に正直そんな風に思ったことはなく自分の為に、単純に好きだからやってる。
でもやっぱりそれだけでは割り切れない気持ちも、それだけでは
がんばりきれない時もやっぱりあった。

彼女たちのこと名前まで覚えて応援してくださっているお客様、
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですが、きっと彼女たちはどこにいても
マトリゴールの精神で頑張ってくれるって思ってるし、
私もサレハのマイペースさと、ハシナのはじけた笑顔と
二人がくれたたくさんのこと、もうここでは書ききれないけれど、
全部を忘れずにこれからも自分の信じる道を進んでいきたいと思っています。

どうか今後とも宜しくお願い致します。

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