Eriko Blog
2009/04/20 やるしかない。
再び今日からカトマンズでの生活が始まった。
今日大家さんと最終的な家賃の交渉があり、漸く家をゲットした。
5月1日からの契約になる予定だ。
今回は三つの場所を確保した。
一つは私の家。もう一つはバサンや日本のスタッフが泊まる部屋。
そしてもう一つが一階で、サンプル開発ルームとなる予定だ。
最終的に契約書に明日サインして終わる。
本当にここで戦うんだ、新しい部屋の窓からネパールの街を見て、
そんな気持ちに改めてなった。
カルカッタに行っている間にやっておいてほしかったことは工場で半分くらいしか
終わっていなかった。
けれど、私にとってはそれでも嬉しかった。
何もできていないことを想定していたから。
それから生地の工場に向かった。
なんといっても素材開発に一番の時間がかかる。
この生地の工場にはほぼ毎日行っている。
工場の中で、織ってもらっているのを何度も止め、何度も指示を出す。
やりなおし。
この色じゃないんだ。
縦糸と横糸が作るベースの色がイメージと違う。
指示が徐々に、怒鳴り声になり、最終的に沈黙の数分間。
これじゃないんだ。
出したい色はこれじゃない。
申し訳ないけど、もう一度ストップしてくれますか。
全ての糸のサンプルを持ってきてほしい。
ああ、これじゃない。
もう一度最初の色に戻してくれ。
それからこの色を追加してくれますか。
これがこうなるから、こうなるのか。
少しずつわかることもある。
それにあわせて、プラン、もう一度最初からだ。
バサンにそういうと、再び沈黙で、また一階に戻りやり直す。
なぜこれほどまでに試行錯誤がいるかというと、ネパールで存在した生地を
新しく進化させようとしているからだ。
工場サイドからも知恵を貸して欲しいといったが、なかなか難しい。
何度となくこのようなやりとりを今までしてきたが、今日は本来であれば生産がスタート
している日でもあるので緊張感がありすぎた。
みんなを巻き込んで全て生産ストップしているのはわかっているが、
それでも納得いくものを作らなきゃいけない。
私たちの生産ロットはこのネパールの工場を全て稼動させて何とかなるかならないかという
感じで、費やしている時間が全て本来であれば生地として用意されるべきものなのだ。
そう思うと、自然に張り詰めてしまう。
一本一本に全てがかかっているんだと思うと、本当に胸が苦しくなる思いで、
これでいこう、という言葉を発しないといけない。
もう嫌だ、と投げつけたるなるときも何度もある。
漸くスタートできたのは一つのデザインに過ぎない。
沈黙の車の中、今度はビルマニさんの工場についた。
いつもの通りすぐにパターンにとりかかる。
そしてできてきたサンプルをチェックする。
そうしている時に革に問題があることがわかった。
なんでこんなことが起こるんだ。
どういうことだ。
バサンに言う。
すさまじいスピードでサンプル開発をしているので革が間に合わず一日でバサンが
仕上げてとりあえずサンプル用に持ってきたので、勿論生産ロットとは違うんだという。
それはわかる。
しかし、例えサンプルでも例えラフサンプルでも見せる為に作っているんだろう!
これをもとにマーケティングが作られるんだ。
この写真を日本に送るんだ。例えサンプルであっても大事なんだ、素材も、
この第一印象が大事なんだよ。許されない!
絶対に生産には完璧な革が用意できる、と彼が言う。
沈黙。
二人ともものすごいテンションの中で今回の出張をしている。
私が見たくない数のサンプルを作る中で、バサンが全ての素材を必死にコーディネートし、
その間に会社設立に動き、銀行口座を作り、デザインという財産を死守している。
今日はお互いこの革の問題を皮切りにものすごい口論になった。
気がつくと工員が全て集まってきた。
失敗してしまったと後から思った。
ホテルに帰り、すぐに続きのデザイン画をひたすら描く中で、自分の力のなさに
涙が出る。
泣きながら描くデザインなんてゴーサインが出せるわけないのに、
焦る気持ちが自分を止めてはくれない。
鉛筆を削らなくてはいけなくて手を止めたら、バサンに電話した。
いいものを作りたいだけなんだ。
そう一言バサンに言うと、自分も本当にそう思うんだ、と一言返ってきた。
やるしかない。二人でそういった。
そう、やるしかない。本当にいつもそう思うし、やるんだろうって言い聞かせる。
自分で、自分という壁を打ち破らないと、前に進めない。
こんな自分じゃないはずだって根拠のない自分への言葉にしがみついているような
もの。
明日は来るし、またやるしかないと戦うだけ。
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