Eriko Blog
2008/09/25 ドット・ボストン
小田急のオープンと同時に新登場したアーバンコレクションを今日はご紹介します。
新商品をみて、「あれ。」と思った方もいらっしゃると思います。
今回の新商品はメインでレザーを使用しているからです。
「あ、マザーハウス、レザーも始めたんだ」という声をお店に立っていると聞くこともあります。
その理由は二つ。
一つは、お客様の声です。
去年の秋ごろ、限られた卸先などで販売をしていると「レザーも出してほしいわぁ」という声を多く聞き、その時に「よし、来年はきちんとそうした声にも応えよう」って決めていたんです。
そして二つ目、これが一番大事なんですが、それは私たちの哲学、理念です。
「途上国の隠された可能性に光をあてたい。」そう思って私は常にもの作りをしています。
その可能性の中にあるのはジュートだけじゃありません。
バングラデシュのレザーは世界的にも非常に優れた質とバラエティがあり、実際にイタリアの業者も
バングラデシュのなめし工場を使用していたり、バングラデシュの水はなめすのに適しているとも
されています。
そんな素材があるならば、それを活かしたもの作りは、また新しいリソースの可能性を広げることだと
信じています。
そうして、オリジナルで開発したエリコレザーをメインに使おうと決めました。
その最初の商品がボストンバッグ。
ドット・ボストンという名前の如く、穴があいたレザーの中から、ジュートが覗く個性的なボストンバッグです。
この開発にはいくつものドラマがありました。
実はこのドット。全部手であけたのです。。
本来、機械であける予定だったのですが、つい10日くらい前。
「だめだった。。。機械だと貫通しない。」
そんな報告を受けた。
「貫通しないって。。。」
「レザーが分厚すぎて、全然だめだ。それにこんな大きな面積はカバーしきれない。」
確かに、エリコレザーは分厚く、ボストンバッグのLサイズは旅行もできるくらい非常に大きい。
「もうノーオプションだよ。手であけよう。」
そんな不可能な決断をし、すぐにローシャンを呼んだ。
そしてまずパンチ職人を確保することからはじまった。
「何人用意できる。」
「わからない、聞いてみないと。。」
「この商品できなかったら小田急のオープンが間に合わないんだ。何とかして間に合わせる。
最終的にできなかったら私が寝ないでもやってやる。それくらい大事なんだ。」
そんな半ば脅迫的な説明で必死に人を集めた。
そして翌日、レザーを用意して集まった職人にローシャンが教える。
そして一斉にパンチがスタートする。
残っている時間は生産時間も考えると30時間程度。
16時、20時、23時と時間が過ぎても全くペースが遅い。
(もし間に合わなかったら他の3型も発表を見送るか)
そんな経営判断を迫られながら、最後まであきらめないで間に合う、間に合うと日本サイドには
説明していた(今だから言えるが。。。。)
そして夜が明けて、朝9時。
「できた・・・・・」
「よくやった。。。本当によくやった。。。」
ものすごい根性を見せてくれたパンチ職人とローシャン。
こんなトラブルがなぜあったかというと、もともとこんなに大きな面積にパンチをすることは不可能だと
ソエルさんに言われていた。技術的な問題で。
でも、挑戦してみたい。
そんな一心で、できるはずだと抵抗し、思った通り壁があった。
けれど、必ず方法はあると思っていた。
それが、バングラデシュの場合、人、という労働力だった。
最後の最後で、汗を流しながら、時計を見ながら、必死に一枚一枚、一個一個パンチをするみんな。
朝になって、できたといわれた時のあの誇らしい顔。
一流のブランドであればこんなトラブルなんて絶対ないと思う。
けれど、マザーハウスの商品は、こんな人間くさいドラマが沢山ある。
今日は新アーバンのドット・ボストンに隠されたストーリーをご紹介しました。
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