Eriko Blog

昨日、サイクロンがバングラデシュを直撃した。

日本でもニュースでとりあげられたので、今日やっと電気が復活してメールを見ると
たくさんの方から心配のメールを頂きました。

ありがとうございます&心配かけてすみませんでした。

一昨日の夕方くらいから、「むむ、、、何かが来そうだなぁ。。」
そんな気配。

「アティフさん、何かくる?」
「うん、何かがくる。」

それから数時間後、あと2時間くらいで巨大ストームがきます!と警戒アラームが発令された。

レベル10のマックスの警戒だ。

いつも天災があると湾岸のチッタゴンという都市が大きな被害を受ける。
今回もチッタゴン周辺に住む人たちはこのアラームを聞いて、逃げて、逃げて、逃げようとする。

でも、アティフさんの友達もそうだが、二時間で逃げれるわけないだろう。

でもって、家畜はどうする、車はどうする。

逃げれる距離にもほどがあって、中には断念して、ただただ被害を待つ人々がいる。

二時間後。

まだ何もこない。

そして再びアラーム。

あと4時間後くらいにはストームがくる。

そして4時間後には既に直撃している。

今回のサイクロンでの死者は1000人余りと記載されているが、絶対にその倍はいる、
だって人口もセンサスでも正確に計測されていないのに被害者の数をこの短時間で計測できるわけがない。

そして見られた光景が最も印象的だったのは一部の人々が政府が出す警戒アラームを信じていなかったということだ。

インドネシアなどを襲った津波の時バングラデシュにもものすごい津波が来ると、仕切りに言っていた。
でも結局何もこなかった。

それでみんな、今回も結局何もこない、と思った。

全て情報が不確かで、また信頼性がなく、人々が適正に判断できないでいる。

チッタゴン周辺に比較したら本当にわずかな被害ですんだ私が住んでいるダッカでも、大雨と雷。

そして昨日は丸一日電気がなかった。

発電所も被害を受けたわけだが、電線が全く整備されていないため、路上には切れた線がいっぱいある。

それで、火事が起こることも懸念された。

電気がなくなり、ジェネレーターを使っていたインターネット会社も勿論ストップして、それは電話会社も同じだった。

一人部屋にいて、アティフさんの携帯から電話があった。
「僕の携帯の充電器もあと数分でなくなるから、もう会話はできないけれど、絶対に外に出ないで。」

「うん。わかった。」

その後ずっと暗闇が続く。

私の部屋にはこんな時に備えてチャージして使う電灯があった。それを使って、階段などはおりたりした。

でも、冷凍食品とかがないこのダッカの町で、私は晩から食べるものがないことに気づき、仕方なく
何も食べずにただただ真っ暗な中いつになったら電気がくるのかを待っていた。

アティフさんはこの期間、フェアがあって会場のことが心配だと言っていた。
今日行ってみたら全部ふっとばされていた。
莫大な損失になってしまった。

副作用はまだある。街中から電気が消えたことで、ここぞとばかりに犯罪が多発した。

すべてのお店が閉店した。

工場はもちろんだった。

縫いかけのバッグ達がミシンと一緒になったまま。

私にもチッタゴンに住む友人がいるのだが、彼がどうしているかも分らず、もやもやする。

この間政府は何度も発電所の電力をコントロールしながら絞った地域のみに電力をまずは供給するよう
試行錯誤していた。

でも莫大な需要につぶされるようにその試行錯誤は失敗し、丸一日経済活動がストップした。

365日のうち、1日がなくなってしまうこの損失。ものすごい。

そして電気が来ますように、と祈りながら寝て起きた今日、電気がついた。

誰が生きていて、無事かもわからず、ニュースもなにも見れず、いつ復活するかも分からず、
ただただ待つことしかできないって本当に不安で苦痛なんだとわかった。

そして人間が発明した電気がこんなに大切で、こんなに不可欠なものだと身にしみてわかった。

私たちは本当に恵まれている。

輸出したくてもできなかった工場がいくつもあり、働きたくても働けなかった人たちがいて。
そして大事な家族、家を失った人達。

このような天災が起こる度に、私は、私が日本に生まれてきた理由を知りたくて仕方がなくなる。

マザーハウスという、物理的な距離以上に本当に遠く離れたバングラデシュという国からモノを作り、輸出する会社を通じて、一人でも多くの人に、可能性があるのに頑張れない、頑張れる舞台がなく、整えられていない、そんな人たちが精一杯やったぞって言える舞台を提供して、そんな雄姿を商品として伝えたいと、心から思う。そんな企業である為に、私は今ここで悩んだり、苦しんだりしている。

私自身も日々のこうした不確定要素にめげそうになるけれど、必ず大きな意味をもつと信じて、進んでいこうと思う。やがて会社が大きくなって洪水やサイクロンが来てもふっとばされない頑丈な家をこの地の人たちに造ってあげたい。

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