Eriko Blog
2007/03/31 再会
今日ソエルさんの工場にアティフさんと行きました。
沢山の問題を解決しなければならないため、朝からすごく気が重くて工場に近づくにつれ胃が痛くなってしまった。
日本でがんばってくれているスタッフからも、今回の出張で生産体制をどこまでサステナブルな形にもっていけるかにかかっていますから、という熱いプレッシャーが注がれていた。
リキシャを降りて よしっと心にぐっと気合を入れる。
交渉とか、頭を使ったいい回しみたいなものは私はご存知の通りあまりうまくない。
けれど、どうしても叶えたいことがあって臨む交渉では大抵うまくいってきた。
今回も、やるしかないんだよーって心で叫び、工場のドアを開ける。
ソエルさんが工場の片隅で作業をしていた。
「アッサラームアライクム!!」
ソエルさんはその瞬間、びっくりして、満面の笑みをこぼした。
それから工場のみんながきゃっきゃっと私を見て呼ぶので一緒になってしばし遊んだ。
工場では今も引き続き完売してしまった商品などが生産されている。
ソエルさんも微笑ましくみていた。
それから二階のオフィスに、ソエルさんとパートナーのアティフさんと。
ドシっといすに腰掛けるソエルさんはすごい怖い、、、涙。
「商品は無事に日本について検品もしました。リピートオーダーも順調に進めてくれていて、本当にありがとう。販売活動については毎回お知らせしている通り、とても順調で、それも商品があってこそなのですごく感謝しています。アティフさんから色々聞いて、現場では毎日のようにトラブルが起こっていること、それでも一生懸命納期を守ってクオリティ下げずにやってくれていること、すごく嬉しいです。」
続いて日本でどこのデパートと商談して結果がこうなった、どこのお店で販売が開始して売り上げは現時点でこんな感じ、商品ラインのうち、No.1の売り上げはこれで、二番目がこれで、、、、という風に詳細に報告した。
そしてお客様イベントのこと、ウェブサイトのリニューアルのこと、取材のこと、最後にお客様から頂いたメールや、フィードバッグを一通一通訳して話した。
ソエルさんは真剣に聞いて、時には照れくさそうにしたり、笑ったり。
「報告はこれくらいかなぁ」というと、ソエルさんが「what about your contest?」といたずら小僧のような顔でいうので、ビジネスプランコンテストの日の様子、私は徹夜だったから授賞式でもウトウトしながらプレゼンしたことなども話しながら、ソエルさん含めて工場のみんなとした約束を私は守ったよ、と言った。
ソエルさんは「we are really pround of you. 」と低い声で言った。
すごく嬉しかった。
日本でがんばってきたことを自分の誇りだと言ってくれたことは何にも変え難い大きな大きな私の一歩になった。
半分泣きそうになって、アティフさんを見るとくすくすと笑っていた。
トラブルがいくつあって、それが大きかったり小さかったり、色々だけど、でもこうしてバングラに来て、工場で顔を合わせて、成果を共有できたことは全部の物事を非常に小さなものに変えてくれたような気がした。
なぜならそれからの会議では非常にスムーズに全ての話し合いが終わったからだ。
ある海外のバイヤーが来て、生産ラインをソエルさんの工場が割かなくてはならない問題などもあった。
私はさっきも言ったけど、回りくどい言い方はできないので、直接、
「マザーハウスのことをどう思っているんですか?きっとこれからもバイヤーは沢山くると思うし、その中で私たちはソエルさんの工場にとってどんな位置づけなのかな?」と聞いた。
ソエルさんは「マザーハウスの成長なくしてこの工場の発展もない。どんなバイヤーがきても最優先で仕事をさせてもらう。」
と断言してくれた。
この一言でどれだけ安心したことか。
ソエルさんは嘘は絶対に言わない、というか言えない人なだけにとても嬉しかった。
有意義な会議が終わり、フロアで私はMHの商品が次々で出来上がるのを見て、しばらく私も作業をした。
今日は停電が多かったので、ものづくりをするとあっという間に汗びっしょり。
「It's too hot !!!」
涼しそうな顔でミシンを縫う女の子に笑われた。
そんな風に工場初日はとても価値のあるもので終わらせることができた。
残った課題はあるけれどそれは持ち帰ることになった。
アティフさんが帰りがけに言った。
「やっぱりどんなに問題なく生産が進もうと、エリコは定期的に工場に来てほしい。やっぱりなんだかんだいってもそれが一番早い解決策だ」と。
私もそうしようと今日の会議で思ったのでまさに同感だと話した。
しかし同時にその言葉の裏にはアティフさんが毎日必死に駆けずり回って日本サイドの情報と現地工場の間でコーディネートしてくれている苦労が感じられ、また泣きそうになってしまった。
リキシャで、アティフさんとすごくうまくいったね会議!って二人してはしゃいでしまったら思わず転倒しそうになってしまった。
今日は深夜までデザイン画と格闘。
でも光が見えてきたことを本当に嬉しく思います。
ソエルさん、アティフさん、工場のみんなの頑張りに負けないように頑張るんだ!
What's up
2007/03/31 到着
今日の深夜1時にバングラデシュ、ジア空港に到着した。
2年前、この空港で感じた強い気持ちと変わらぬ思いでまた今回も出張にこれていることが嬉しかった。
真っ暗だった。
空気がよどんでいて、やっぱり沢山の人がゲートのところになぜか集まっていた。
飛行機で何時間も事業プランについて考えていた。
ものづくりについても。同じようによどんでいた。
でもバングラデシュにつくと、自分でも驚くくらい、ひしひしと闘争心がわいてくる。
何と戦うのか、よく分からないが、心の中からものすごいパワーがみなぎってくるのを自分でも感じる。
自分のフィールドは、やっぱりここにあるんだ、と思った。
今日9時からアティフさんと会議をした。
久しぶりにあった彼と固い握手をした。
握手の意味は、よく私がいない間がんばってくれていたね、という意味と、たまりにたまった課題や問題をこの短期間で片付けてもっといいものを作ろうという意気込み、がんばろうぜっていう意味だった。
彼も日本でのMHの成果を素直に喜んでくれた。
そしてコンテスト、おめでとうと。
私は日本での販売活動、そして前と同じようにメールやブログで頂くお客様の声、反応を一つ一つ話した。
彼は一つ一つ、喜んだり、考え込んだり、笑ったりした。
そして彼からは生産現場で起こっていることを沢山知らされた。
勿論毎日のように国際電話の嵐であったが、いざ現場に入って生の様子を見てみると愕然とする。
こんなにもトラブルが重なっているとは。
ソエルさんの工場では毎日のようにパートナー同士で喧嘩がおき、生産に関しては海外からきたバイヤーが生産ラインを占領しているではないか。
おまけにアティフさんは、自分のキャパシティオーバーだと弱音を吐き始める。
おいおい。
こんなに嬉しいニュースを沢山もってきたのに、いきなりボディーブローだ。
深いため息と共に、明日ソエルさんの工場にいったら行う交渉について話し合った。
時間があっという間にすぎた。
明日の工場での再会、とても不安で今日は暑さもあって眠れなそう。
2007/03/29 出発&お客様の声
明日から、、いえ、今日、出発することになりました。
今から、取材していただいた記事の入稿前チェックをして、バングラでやることリストを整理して、トランクに民族衣装やら、落ち込んだときに聴く音楽、いつも愛用しているスケッチブック、そして何よりお客様から頂いたメールをファイルにまとめたもの、パッキング。
その後、私がいない間に初スタッフのみで通関作業をしてもらうので、「how to 通関手続き」えりこバージョンを作成し、印刷。
あ、仕事忘れないようにブログつかっちゃってる・・・涙。
おっとそれはそうと、今日、今まで買っていただいたお客様の声をどうしても聞きたくて、ウェブ上で買って頂いたお客様にフィードバックのお願いのメールを送らせて頂きました。
続々とご返信を頂き、一つ一つ、今から印刷します。
今回は、漠然と「どうですか?」という聞き方ではなく、( 点)という形でメールを送らせて頂きました。
なぜなら、本当に正直で厳しい意見を聞きたかったからです。
送る前は「すごく厳しい答えが返ってきたら・・・」と怖いよー怖いよーと思っていました。
でもメーカーとしてもっともっといい商品を作っていきたい、そんな気持ちの方がずっと強かったのです。
もの作りに終わりはないっていうことをすごく痛感しています。
同時に、お客様が本当に求めるものを真剣に日々考えていきたいと思っています。
今の段階で頂いている点数は、正直厳しいなぁと思った部分もありました。
けれど、逆に頂いたお客様の声一通一通を読んで、私は心から感動しました。
なぜならそれは、宝の山だったんです!!
宝っていうのは、店舗ももっていない私達が、こんなに直に、こんなに早く、こんなに詳細にお客様の声を聞けること、それはもの作りをするものにとって何にも変えがたい、本当に宝でした。
マザーハウスはこれからもずっとお客様が感じたこと、もっとこうしたらいいんじゃないか、そんな声をもの作りに120%反映させたいと思います。
小さなバッグ屋さんだけど、こんなに素晴らしいお客様に囲まれているからこそできる、そんな姿勢をMHがどんなに大きくなっても忘れないでいたいと思います。
お客様から頂く点数がいつか全部の項目で100点になるように頑張ろうと思います!
2007/03/27 宝物。
明後日、バングラデシュに行くチケットを取りました。
突然こんなことも変だけど、最近ずっと暗闇の中にいるようでモヤモヤしている。
今まではずっと「リニューアルするんだー!」っていう大きな目標があったから、その為だけに
突っ走ってこれた。
でもいざ、リニューアルを終え、確実に一ヶ月前とは違うフェーズにいることもわかった。
けれど、今は「じゃあ次は?、次のまた次は?」もっともっと先を見据えて、今をやらなくちゃいけない焦りがすごくでてきて、途上国発のブランド、という意味では明確なゴールがないことを前よりずっと実感している。
気がつくと「ふぅ・・」というため息が続き、寝ても寝ても疲れがとれない日々。
正直、元気がないなぁ自分って思う。
今日久しぶりに泣き虫小僧になってしまった。
取材も最近はすごく気が重い、、、。なぜだろう。
こんな光栄なことはないのに。
自分の人生がまるで他人の人生の話をするように毎日のように言葉で表現される。
「小さい頃は?」
「その時、どう思ったんですか?」
「その理由は?」
「それで??」
答えはいつも同じでも、人によっては捉え方も違い、私の人生は私の人生なのに違うように受け止められる。結果、自分は自分って思っても違うように表現される自分がいる。
それがすごく怖くなったり、最近している自分がいる。
事務所のソファで、「疲れたなぁ・・・・」って一言。
涙がでてきちゃった。
力を入れたくても入らない感じがする。
もう一回深呼吸。
そこで思ったこと。
私は、マザーハウスの社長なんだ。
こんなちっちゃな会社でも、自分が人生賭けて、創ったんだろう。
誰が何ていおうが、夢に向かって自分は歩いている。
失敗の連続で、ゆっくりだし、滑稽に見えるかもしれないけど、私はそう思えるから、
ただその単純なことに、もっと胸はんなきゃって。
そう思った。
そう思ったら、電話が鳴った。
沖縄にいてウェブで商品を買って頂いたお客様だった。
「商品が届きました!あけてみてすごく嬉しくって、ついつい電話をしてしまいました。
明日からこのバッグでお仕事行きます。そう思ったらすごくやる気がでてきました。
本当にありがとうございました!」
そう弾んだ声で言ってくれた。
電話を切った私は、また涙がでてきてしまった。
本来ならば、商品を通じて満足を提供しなくてはならない私なのに、いつも逆に私が元気をもらい、支えられている。
悔し泣きも嬉し泣きも沢山あって、ゆったりとは時間が流れないけれど、こんな一日一日は私の宝物だ。
2007/03/26 飽きない
今週も仕事の週末が終わった、、、、。
頭が痛いなり。
ついさっきまで久々のアドバイザー含めた戦略会議が事務所であった。
今までの売上げ報告から、戦略の見直しまでをテレビにパワポを映し出しながら喧々諤々。
戦略っていってもメインはプロダクトの戦略で、どの方向性に次の商品をふっていくか、という非常に非常にコアな話をしていた。
というのも元はといえば、私の大きな疑問からはじまった。
先週からずっとひたすら、私は次の商品のスケッチを描いているわけです。
描けば描くほど現在のプロダクトとはちょっと違う方向性のものができあがってしまうのです。
何度も何度も描いては次のページ、次のページ、、、とやっていて、頭が疲れたので街を探索。
やっぱり街にはバッグがあふれている。
そうだ。原点に返らなくては。
ジュートを活かす。
そう。軸はそこにあったはずだ。
そう、、、そう、、、、。ん。でも、果たしてそれは100%の回答なんだろうか?
なぜなら、「活かす」ってことはその素材でしかできないことをするってことだけであって、デザイン性についての軸にはなりきれていないからである。
かわいく活かす?
かっこよく活かす?
ユニークに活かす?
ベーシックに活かす?
もっと具体的にはナチュラルさはもっと足す?足さない?
ジュートと革の比率は増やす?増やさない?
ぐるぐる回って、つまるところお客様のニーズはどこに?
ところでお客様はマーケットのどこにいらっしゃる?
うわぁぁ・・・。
ものづくりに終わりはない、とか悟るとは10年早いと思うけど、ほんと、常に試行錯誤の旅は終わらず、前進したと思って、光があったぁー!と思ってよーっしって感じでまた突進したらズボって落とし穴があったらあれ?と思ったら全く別の種類の暗闇に襲われたり。
そんな感じを繰り返しつつも、商いは飽きない。
毎回くるトラブルや問題や障壁に表面ではガーン、、、ってなっても、心の底ではわくわく・どきどきを実は感じ続けられるように、楽しんで前進しなくっちゃ。
よーし、今週も張り切って、バングラデシュ出張まであと、、4日!(チケット取れるかな、、。)
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